ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • この子が大きくなったとき、こんなふうに笑顔で見つめ合える社会を作ってくれるんだろうなと思います。
     先日のパン教室でたまたま撮れた写真ですが、とても気に入っています。幸せな気持ちになります。未来に希望を感じます。ただ子どもが笑っているだけでなく、子どもが見つめている先に障がいのある人がいるからです。相手に向ける優しいまなざしがいいですね。お互いが笑顔で見つめ合える関係が、どうやってできたのかなぁと思います。  障がいのある人たちとそうでない人たちの間にある「垣根」をぷかぷかは街の中に彼らの働くお店を作ることで、少しずつ取っ払ってきました。これはでも、大人たちへの配慮です。  子どもに「垣根」はありません。多分「障がい」と言った言葉も知りません。ですから、相手が優しいお兄さんなら、ただそれだけでつきあってくれます。ダウン症のイクちゃんは子どもが大好きだそうです。優しいお兄さんなんですね。その優しい気持ちがストレートに伝わったのだと思います。  この写真を撮る前、子ども達のやりとりがいいなと思ってバチバチ撮っていました。 最初の頃は、このお兄さん、どういうお兄さんかなって感じで見つめています。 それがイクちゃんのふるまいで一気に変わってきます。  二人の関係の変化が手に取るようにわかります。その変わりようがおもしろくて、半ば感動しながらこのときなんと61枚も写真を撮っていました。  「障がい」とか「垣根」は、私たちまわりの大人が作ったものであって、そういった概念がなければ、こうやってふつうのおつきあいが、ふつうに始まるのだと、あらためて思いました。  「障がいのある人たちに配慮しましょう」などといったことは一切言わず、パンを作ることも遊ぶことも全く自由なぷかぷかパン教室だからこそできた関係ともいえます。  この子が大きくなったとき、こんなふうに笑顔で見つめ合える社会を作ってくれるんだろうなと思います。    
  • わっしょいわっしょい ぶんぶんぶん
    先日のパン教室で、途中で疲れてしまった子ども達のために、ツジさんは1階の図書室まで行って「わっしょいわっしょい ぶんぶんぶん」という絵本を借りてきて、朗読してくれました。絵本の言葉を即興で歌にして歌ったり、大サービスでした。   www.youtube.com   www.youtube.com    本当にすばらしいエンターテイナーです。こんなことは、なかなかできることではありません。ツジさんが作りだしているこの豊かな時間、空間こそが、新しい社会を作っていくのだと思います。彼らが持っているすばらしい力をきちんと認め、それが社会に必要なんだとみんなで思う社会です。    
  • こんな顔して笑い合える関係にこそ未来が
     6月18日(土)パン教室がありました。 今日のメニュー   パン教室54回目とあって、メンバーさんはパンをこねるのもすばらしくうまい。   はじめて来た人も、見よう見まねで覚えていきます。     ツジさんは一人で盛り上がっていました。みんなが一生懸命こねているすぐそばでこんなことができるのも、ぷかぷかパン教室ならでは。   調理もみんなで楽しみました。   ちょっとハラハラすることも   ツジさん、コンノさん、いい感じでお客さんとお話ししていました。     メロンパン成形     ピタパンに具材を詰めます。     ツジさん、ちょっと疲れた子ども達に絵本を読んであげていました。この気合いの入った姿!   www.youtube.com   すばらしくいい関係 こんな顔して笑いあえる関係にこそ未来があります。パン教室が作りだしている未来です。   できあがり!
  • どうして彼らといっしょだとこんなに楽しいんだろうね。
     ぷかぷかでは毎日帰りの会で「いい一日でしたか?」という質問をします。いい一日の積み重ねが、いい人生につながると思っているからです。みんながいい人生を送る、豊かな人生を送る、それこそがぷかぷかの大きな仕事だと思っています。  彼らだけでなく、彼らを取り囲むスタッフ、地域の人たちもみんなでいい人生を共有したいと思っています。演劇ワークショップは、その最たるものです。  いろんな人がいっしょに芝居作りをする楽しさを共有します。ふだんの何倍もの濃厚な時間で満たされている舞台を、いっしょに生きます。 「舞台を、いっしょに生きる」 人生の中で、本当に貴重な体験だと思います。舞台をいっしょに生きた一日は、どんないい一日になったんだろうと思います。    「障がいのある人たちといっしょに生きていった方がいいよ」というメッセージは、こんなふうに「いい一日」「いい人生」を共有しようよ、共有した方が、お互い豊かになれるよ、というメッセージです。  「共有した方が、お互い豊かになれる」ということが、ワークショップをやるととてもよくわかります。   演劇ワークショップの記録映画『ぷかぷか』の中で、参加した地域の方が「どうして彼らといっしょだとこんなに楽しいんだろうね」とつぶやくところがあります。私たちが思ってもみない言葉、発想が彼らからどんどん出てきて、本当に楽しい時間、空間ができます。  彼らとフェアに向き合い、彼らの自由な発想が、私たちの発想とフェアにぶつかり合う、そんな豊かな時間、空間を共有できるのがワークショップです。  その結果として、ワークショップは新しい豊かな文化を生み出していることが評価され、昨年「読売福祉文化賞」を受賞しました。  「障がいのある人たちといっしょに生きていった方がいいよ」というメッセージは、社会を豊かにしている、ということです。      
  • ぷかぷか農園はさびしくなりました。
     ヨッシー画伯は午前中畑に行き、午後、『畑の物語』を書きました。  お話の展開はよくわからないところがあるのですが、土に中に青虫がいて、お腹がぺこぺこで、ぷかぷか農園のラディッシュをかじり、「これは大変だぁ〜」と叫び、そんなある日、青虫がぴょこんと出てきた、という、なんだか楽しいお話です。  このあと、30分ほどたって物語が完成し、絵も描き添えてありました。  茄子の葉っぱの上にニセテントウムシがいて、葉っぱのごちそうを食べていました。もりもり食べているので「食べ放題です」と書くあたりがなんともおかしいです。こうしてラディッシュはこんなになってしまい、と青虫に食べられたラディッシュの絵が丁寧に描いてあります。絵がすばらしくいいです。  その下にはカラフルな青虫。おいしそうにもぐもぐやっています。満足そうな顔がいいですね。平和だな、って思います。足がかわいくて、色合いがよくて、しっぽがおかしいですね。足には表情があります。  その下には食べ放題の葉っぱをもりもり食べているニセテントウムシ。背中の色がきれいです。  葉っぱに穴が開いて、ぷかぷか農園はさびしくなりました。とあります。  ぷかぷか農園はさびしくなりました。という終わり方がすばらしいと思いました。    宮澤賢治の『グスコーブドリの伝記』にこんな場面があります。     ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしくなりました。     ここは森がさびしがっているのだろうと思います。ヨッシーの物語も、ぷかぷか農園がさびしく思っているのだと思います。この発想がすばらしいですね。   虹はさびしさを消すように描きこんだのかも知れません。    『グスコーブドリの伝記』は、このあとこんなふうに続きます。    そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。    かつて子ども達の遊びはこんなにも豊かだったんだ、と私はこの場面が大好きです。    さて、ヨッシーの描く「ぷかぷか農園」はこのあと、どんなふうになるんでしょうね。明日、ヨッシーに聞いてみます。  ヨッシーは毎日たくさんの絵を描いていますが、絵を描きながら、こんな物語が頭の中を駆けめぐっているのだと思います。
  • たくさんの人とつながっているんだなぁ
     天草の川野さんから送られてきた河内晩柑の箱の中に入っていた「天草みかん山だより」に熊本地震のことが書いてありました。  天草では震度6だったそうです。  ●●  たくさんのみなさまからご心配のお電話やお手紙いただきました。みかんでつながっている、お会いしたことのない方がほとんどです。本当にありがとうございます。  「あ〜、元気な声が聞けてほんとによかった」とみなさんが言ってくださいました。  ふだんはほとんど人と出会うことのない山の暮らしです。「一人じゃないんだなぁ、たくさんの人とつながっているんだなぁ、しっかり生きていこう」と、しみじみと、あらためて思いました。  若葉が陽に輝き、空には鳥、田植えの終わった田に蛙がにぎやかです。  ●●  みかんは、ただ食べるだけではなく、こうやって人と人をつなぎます。パン屋で販売中の「晩柑ブレッド」には、川野さんの思いがいっぱい詰まっています。  「あ、おいしい!」って思われたら、ぜひお手紙書いてあげてください。   〒863-2114 熊本県天草市五和町城河原2-2133 川野美和  
  • 「ゲハハ」「ガハハ」
     スタッフ会議で「発達障害とはどんな障害なのか」をテーマにしたセミナーに参加した方の報告がありました。  発達障害とは脳の先天的な機能的、器質的な原因によって引き起こされた生まれながらの脳の問題であり、精神遅滞、特異的発達障害、広汎性発達障害と分けられ……    久しぶりにこういう話を聞いてちょっと懐かしい気がしました。養護学校ではしょっちゅうこういうセミナーがあって、はじめの頃はよく聞きました。私は養護学校に勤務する前、こういう勉強を全くしていなかったので、それなりに興味を持って聞いたのです。  内容的には、彼らにはこんな問題がある、あんな問題がある、だからこういう指導、訓練が必要、といったことでした。話だけ聞いていると、障がいのある人たちってこんなに大変なんだって思ってしまうような内容でした。大変だから、特別な指導、訓練が必要だというわけです。そして少しでも普通の子どもに近づけるのがいい、というわけです。彼らは劣っていて、私たちは優れている、という暗黙の大前提がそこにはあります。私自身、彼らとおつきあいするまではそう思っていました。  でも、彼らとおつきあいするようになって、「彼らは劣っていて、私たちは優れている」という大前提が、なんだか少しずつ崩れ始めたのです。  確かに養護学校の子ども達は、おしゃべりができなかったり、文字を書いたり読んだりができなかったり、暴れ回ったり、一人でご飯が食べられなかったりで、それなりに大変なことはありました。それでも尚、そういった大変さ、問題を超えるだけの人としての魅力を彼らは持っていました。  そばにいるだけで気持ちがなごみました。毎日毎日本当に楽しいことをやってくれました。    全くおしゃべりのできないサト君は、それでもこちらのいうことやることはしっかり理解していて、何やっても「ゲハハ」「ガハハ」と大笑いで反応してくれ、当時教員としては新米の私をしっかり支えてくれました。教員になったばかりで、下手くそな私の授業も「ゲハハ」「ガハハ」と笑い転げ、いや〜おもしろいおもしろい、と支えてくれたのでした。大きなうんこが出たと私を大声で呼び、サト君の代わりにレバーを押して(サト君はそういうことができませんでした)うんこを流すと、ただそれだけで「ゲハハ」「ガハハ」と豪快に笑っていました。箱根に修学旅行に行ったときは、その大きなうんこが船のトイレに詰まって水が流れなくなり、悪戦苦闘しているうちに船のクルーズは終わってしまいました。でも、サト君は悪びれた様子もなく、悪戦苦闘している私のそばで、ずっと「ゲハハ」「ガハハ」と笑い転げていました。結局私も一緒に笑い転げて、一度も景色を見ないまま箱根の船の旅は終わったのでした。サト君は、発達障害的にいえば重度の障害児であり、何やるにしても手がかかる人でした。それでも抱きしめたいくらい魅力ある人でした。養護学校で働き始めて、最初に担任し、その魅力で私の心をいっぺんにわしづかみにした子どもでした。  「人間ていいな」って月並みな言葉ですが、サト君はその言葉をしみじみと実感させてくれたのです。人が人といっしょに生きていくとき「人間ていいな」って思えることはとても大切なことです。サト君と出会うまで、そんなこと一度も思ったことがなかったので、とても淋しい人生でした。人間にとってとても大切なことを重度の障害児のサト君が教えてくれたのです。「ゲハハ」「ガハハ」って豪快に笑いながら。  「彼らは劣っていて、私たちは優れている」という大前提を最初に崩してくれたのは、サト君たちでした。    同じクラスにけんちゃんという子がいました。けんちゃんは少しおしゃべりができました。クラスのみんなで大きな犬を紙粘土で作ったときのことです。  何日もかかって作り上げ、ようやく完成という頃、けんちゃんにちょっと質問してみました。 「ところでけんちゃん、今、みんなでつくっているこれは、なんだっけ」 「あのね、あのね、あの……あのね」 「うん、さぁよく見て、これはなんだっけ」 と、大きな犬をけんちゃんの前に差し出しました。けんちゃんはそれを見て更に一生懸命考え、 “そうだ、わかった!” と、もう飛び上がらんばかりの顔つきで、 「おさかな!」 と、答えたのでした。  一瞬カクッときましたが、なんともいえないおかしさがワァ〜ンと体中を駆け巡り、思わず 「カンカンカン、あたりぃ!」 って、大きな声で叫んだのでした。  それを聞いて 「やった!」 と言わんばかりのけんちゃんの嬉しそうな顔。こういう人とはいっしょに生きていった方が絶対に楽しい、と理屈抜きに思いました。  もちろんその時、 「けんちゃん。これはおさかなではありません。犬です。いいですか、犬ですよ。よく覚えておいてね」 と、正しい答をけんちゃんに教える方法もあったでしょう。むしろこっちの方が一般的であり、正しいと思います。  でも、けんちゃんのあのときの答は、そういう正しい世界を、もう超えてしまっているように思いました。あの時、あの場をガサッとゆすった「おさかな!」という言葉は、正しい答よりもはるかに光っています。こういう言葉こそ、張り詰めた日々の中でふっと気持ちを緩めてくれる大切な言葉だと思います。  あの時、あんな素敵な言葉に出会えたこと、そしてけんちゃんに出会えたこと、それを幸福に思っています。    こんなすてきな子ども達を養護学校の中に閉じ込めておくのはもったいないと、時々日曜日に原っぱに連れて行って、そこにいた子ども達と一緒に遊びました。小学4年生のみーちゃんがそのときのことを報告してくれました。    私たちが野球をしていると、気がついたときにいたというか、けんいち君がバットを持ってかまえていたのです。  けんいち君は、球をじーっと見ていて、キャッチャーが球をとってからバットをふるのです。  でも、だんだんタイミングが合うようになり、ピッチャーゴロや、しまいにはホームランまでうつのでびっくりしました。  うってもホームから動かないで、バットを持ったまま、まだうとうとしていました。  お兄さんのあきら君や私が手を引いていっしょに一塁まで走っても、三塁に走ったりして、なかなか一塁に走ってくれませんでした。  何度も練習して、一塁まで走るようになりましたが、バットは持ったままでした。 私が追いかけていってバットを返してもらって野球を続けました…。                        後日、1年生のくんくんはけんいち君に手紙を書きました。    けんいちくん おげんきですか ぼくもげんきです。 けんいちくんはずっとまえ あそぼうかいでやきうをやりましたね。またあそぼうね。けんいちくんはホームランうったね。がっこうでもやきうやてんの。                    (「街角のパフォーマンス」より抜粋)    重度障害児といわれ、何にもできないとされる子どもと、真っ正面から向き合い、こんなにも豊かな時間を作り出した子ども達に、私は拍手したいです。  発達障害のセミナーで教わるような知識が全くない子ども達が、自分たちの知恵を総動員して、けんちゃんとすばらしい時間を作り出したこと。けんちゃんがいたことで、子ども達がそういう経験をしたこと。けんちゃんはそういう、すごい働きをしたのです。こんなことはだれにもできることではありません。そこが彼らのすごいところだと私は思うのです。  そのときの経験がきっかけで、その後、養護学校に教員になった人がいます。一人の子どもの人生を決めるほどの出来事を、けんちゃんを始め、たくさんの障がいのある子ども達が作り出したのです。                 
  • 新しいことはいつだって、無謀で無計画で、前例がなくて保証がないところからしか、生まれてこない。
     九州にある「宅老所よりあい」のお年寄りたちとスタッフのゆるゆるの日々を抱腹絶倒の文章で語る『へろへろ』という本に、建設費用が億を超える新事業に敢然と立ち向かう様子を語ったところにこんな力強い言葉がありました。   根拠なんか別にない。ただ、やれると思う気持ちがあるだけだ。新しいことはいつだって、無謀で無計画で、前例がなくて保証がないところからしか、生まれてこないのだ。    なんかね、電流がびりびりっと流れた感じがしました。ぷかぷかを始めるときとおんなじだと思いました。  この「勢い」がいい!  ぷかぷかもこの「勢い」でやった気がします。新しいことを始めるときに必要なのは、緻密な計画とか、前例があるとかではなく、まさしくこの「勢い」だと思います。根拠なんかない「勢い」。    ぷかぷかを始める前、福祉ベンチャーパートナーズの「福祉起業家塾」を受講したことがあります。いちばん納得できたのは「福祉起業家とは何か」という項目でした。     福祉起業家とは、やりたいからやるもの。一つの自己実現であり、それは「福祉」とは全く発想が違う、と説明がありました。「やってあげる」とか「お世話する」とか、まして「指導する」といったことでありません。 一緒にやる、一緒に働くということ。 そのことが好きで好きでしょうがないこと。 ボランティア活動ではなく、経済活動であること。 そこで働く障がいのある人たちはもちろん、自分自身も幸せになるということ。  どれもこれも納得できるというか、私のそのときの気持ちをずばっと言い当てている気がしました。    このときの「納得」が、更に「勢い」をつけた気がします。  「やれると思う気持ち」がますますふくれあがり、ひたすら突っ走った気がします。  傍から見れば「無謀」でしかなかったと思います。尊敬する福祉業界の先輩からは「60歳からこんな事業を始めるなんて、リスクが大きすぎるのでやめた方がいい」とはっきりいわれました。  でも、「やれると思う熱い気持ち」を前に、冷静な忠告はほとんど意味を持ちませんでした。結果的には、尊敬する先輩の経験に基づく冷静な忠告に従っていたら、ぷかぷかはできなかったのです。そのことは何を意味するかを私たちはやっぱり考えた方がいいと思います。    「何かをやる、本気でやる」時の人間の持つ熱いエネルギーは、それがどんなに無茶で無謀であっても、それこそが新しいものを生み出すのだとあらためて思います。   根拠なんか別にない。ただ、やれると思う気持ちがあるだけだ。新しいことはいつだって、無謀で無計画で、前例がなくて保証がないところからしか、生まれてこないのだ。    しみじみいい言葉だと思います。                               
  • 「希望」をあちこち広げて下さい。
     ぷかぷかのプロモーションビデオをつくったプロデューサーの方は、昨年の10月の緑区民まつりの時からぷかぷかの取材に来られました。今まで障がいのある人たちとのおつきあいは全くといっていいほどなかったので、はじめはドキドキしながら取材されたのではないかと思います。ところがカメラのファインダーをのぞいているうちに、ぷかぷかのメンバーさんの魅力にどんどん引き込まれていって、今やぷかぷかウィルスに感染した重症患者といっていいくらいと自分でおっしゃっています。  取材中のカメラマンとプロデューサー。  コピーライターの方も、障がいのある人たちとのおつきあいははじめてだったようで、ワークショップに参加し、ぷかぷかのメンバーさんたちと新鮮な出会いをしたようでした。下の写真のような場面を何度も体験し、生まれてきた言葉が「いっしょにいると心ぷかぷか」でした。  ですから今回できあがったプロモーションビデオは、ビデオ制作のプロジェクトチームのぷかぷかのメンバーさんたちとの新鮮な出会いが生んだ作品といっていいと思います。タイトルも、ビデオの中の言葉も、すごく新鮮なものを感じます。タイトルの「いっしょにいると心ぷかぷか」は、しみじみ「うまいなぁ」と思いました。彼らとおつきあいしたときの、ほっこりあたたかな印象を実にうまく言葉に表現していると思います。プロジェクトチームとの初顔合わせの時、どうしてコピーライターの方がこのチームにいるのかよくわかりませんでした。でも、「いっしょにいると心ぷかぷか」の言葉を聞いて、こういう言葉を生み出すためにコピーライターの方がいたんだ、とすごく納得しました。  プロモーションビデオは、ぷかぷかが日々発信している「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージの映像化でした。そして映像化の作業の途中で、言い換えれば彼らを撮影している途中で、彼らとおつきあいしている途中で、その実感の中から出てきたのが「いっしょにいると心ぷかぷか」でした。こんなふうに彼らと出会ったよ、というメッセージ。  とても新鮮な感じがしました。そして何よりも「希望」を感じました。今までほとんどおつきあいのなかった人たちが、わずか半年足らずで、こんなすてきな映像と言葉を生み出してくれたことに。  この「希望」を、あちこち広げて下さい。  www.youtube.com  プロモーションビデオの感想をぜひ聞かせて下さい。 感想はぷかぷかホームページから www.pukapuka.or.jp
  • 神さまが救ってくれたのかも。
     北海道の山中で行方不明になっていた小学校2年生の田野岡大和君が、6日ぶりに保護され、それについて今朝の朝日新聞にこんな投書がありました。 「大和君は昔話に出てくるような神さまに守られていたのかも知れない。たどり着いたところに小屋があり、水があり、眠るときに寒さもしのげた。日本中の祈りが大和君に降り注いだのだろう。」  きっとそうなのだろうと思います。日本中の祈りが大和君を救った。ほんとうによかったですね。大和君のがんばりに、私たちも救われた気がしています。    Facebookに載せたところ、こんなコメントが来ました。    「 カムイの里だからね。樹木や水や動物たち、すべてに宿るカムイが彼を守ったのかな。」    神さまが救ってくれたことで思い出すことがあります。  私は30歳の時、初冬の富士山で滑落事故を起こしました。かちんかちんに凍りついた富士山頂上直下の岸壁帯を仲間と登っているとき、若い仲間が滑落。ザイルで結び合ったまま600メートルほど氷の急斜面を滑落(頂上直下から6合目付近まで)。奈落の底に引きずり込まれるような恐怖の中で気を失いました。たまたま6合目付近に貼り出していた尾根に乗り上げていのちは助かりました。両足首開放性脱臼骨折という大けがで、出血がひどく、目撃した山仲間の看護婦は、もうだめだろうと思ったそうです。たまたまその年は雪が少なく、5合目まで救急車が入ったので、助かりました。9ヶ月も入院し、なんとか歩けるまでに回復して今に至っていますが、あの時も、「こいつはもう少しやることがある」と神さまが助けてくれたのだと思っています。  あの時、神さまが救ってくれなかったら、今の「ぷかぷか」もないわけですから。猛スピードで滑落する私を全力で救ってくれた神さまにあらためて感謝!です。  
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