ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • 社会全体を見渡す目を持つこと
    少し前になりますが、hanaちゃんのお母さんがすばらしいこと書いていました。 ameblo.jp 《 それぞれの親が   『自分の子ども』   のことだけを考えている間は   きっとこの社会は変わっていかない。     自分の子どもがぷかぷかみたいな素敵な場所に入るにはどうしたらいいのか。   ではなく     ぷかぷかのような世界を自分の周りにも広げるにはどうしたらいいのか?     をそれぞれの親が考え始めたら   なんかこの社会が変わる気がするのです。 》      こんなふうに社会全体のことを考える人が、ほんとうに少なくなってきた気がします。社会全体が変わらないと、子ども達の社会的生きにくさなどは解決しません。  ぷかぷかは《障がいのある人たちの社会的生きにくさを少しでも解消する》ことを法人の目的として立ち上げました。  みんなでワークショップの第一期の企画書にこんなことを書いています。    口にはしないものの、障がいのある人たちのことを「何となくいやだな」と思っている人は多い。障害者施設を建てようとすると、地元住民から反対運動が起きることさえあります。とても悲しいことですが、これが障がいのある人たちの置かれた状況です。  これは障がいのある人たちに問題があるのではなく、彼らのことを知らないことによって生じる問題です。何となく怖いとか、不気味、といった印象は、彼らのことを知らないことから生まれます。“知らない”ということが、彼らを地域から排除してしまうのです。  彼らの生きにくい社会、異質なものを排除してしまう社会、他人の痛みを想像できない社会は、誰にとっても生きにくい社会です。誰かを排除する意識は、許容できる人間の巾を減らすことにつながります。社会の中で許容できる人間の巾が減ると、お互い、生きることが窮屈になります。これは同じ地域に暮らす人たちにとって、とても不幸なことです。  逆に、彼らが生きやすい社会、社会的弱者が生きやすい社会は、誰にとっても生きやすい社会になります。  そういう社会はどうやったらできるのか。それへ向けてのひとつの提案が「ぷかぷか」を街の中に立ち上げ、街の人たちと障がいのある人たちが出会える場所を作ったことです。お店で彼らといい出会いをした人たちが、ぷかぷかのファンになりました。そういう人たちを増やしていくことで、「ぷかぷか」は地域社会を変えてきました。      社会全体を見る目を持っていないと、障がいのある人たちの生きにくさがどこから来ているのか、どうすればいいのかがよく見えなくなります。  冒頭でふれた地元住民の反対が、実際にグループホームの建設を断念させるという事件が瀬谷区でありました。障害者はこの街に住むな、という主張が通るような社会は、どんどんやせ細っていきます。相模原障害者殺傷事件の背景を見た気がします。   神奈川新聞がこの事件をよくまとめています。長いですが、ぜひ読んでみてください。 www.kanaloco.jp www.kanaloco.jp   www.kanaloco.jp   社会全体を見る目は、私たち自身の生きかたをも問います。そして自分を豊かにします。         
  • 運動会、メンバーさんのあふれるようなパワーを感じました。
     運動会、今年は去年以上にメンバーさんたちは本当に元気でした。随所に彼らのあふれるようなパワーを感じました。仕事の場面ではなかなか見えないパワーです。  「アブラハムには七人の子」を歌いながら、曲が止まったときに玉入れをする競技は、かなり疲れる競技でしたが、みんながんばっていましたね。     美人画製作コンテストは司会をやっていたため、写真がほとんど撮れなかったのですが、予想以上のできでしたね。やっぱりこうやって「どうなっちゃうかわからない」というドキドキ感のある絵というのは文句なしにおもしろいと思いました。 なんともいえない楽しい絵ができあがりました。  美人画のモデルは、いつも子どもと一緒にクリームパンを買いに来ているオーヤさん、着物姿が渋いアラキさん(この人、男ですが、「女もすなるモデルといふものを、男もしてみむとて、するなり」と土佐日記風に考え、たわけでもなく、ま、勢いでやっていただきました)、ぷかぷか美人スタッフのシモムー、ぷかぷか美人メンバーのリエさんでした。  みなさん、ほとんどモデルを見ないで描いていましたが、モデルあっての美人画コンテスト。来年はぜひしっかり見て描いてください。そうすればもっとすばらしい美人画が描けると思います。  今回とても面白かったので、来年は更に工夫を凝らしてバージョンアップした美人画製作コンテストをやりたいと思っています。   マツケンサンバ踊りながらの仮装パレード。ファッションモデルのお姉さんたちもがんばっていました。   パン食い競争はいつもエキサイトしますね。   そして最後のエビカニクス体操。イクミさんのエキサイトぶりがすばらしかったですね。      
  • パンをかついで
     昨日、ママボノのキックオフミーティングが日本財団でありました。ママボノについては先日ママたち6人が全員赤ちゃん連れてぷかぷかにやってきた話を書きました。 pukapuka-pan.hatenablog.com    昨日はプロジェクトチームが六つ集まり、みんな赤ちゃん抱えてきているので、大変な賑わいでした。赤ちゃんの泣き声聞きながらの打ち合わせは、話が何度も中断したりしましたが、心がなごむいい雰囲気でした。  ぷかぷかチーム、昨日はWEBサイトの改善提案の確認をしました。  ホームページを見る人が何をどういう順番で見ていくのか、ホームページを見るターゲットはどこにあるのか、から始まって、改善項目「カテゴリの整理」「トップページのデザイン」「更新ソフト」「ドメインの変更」「キャッチコピーなどの言葉の表現」「外部サイトの活用」、サイトの大分類などを確認しました。  打ち合わせの2時間があっという間に過ぎるくらい、密度の濃い話し合いができました。ママボノの人たちの熱意をすごく感じた2時間でした。12月7日に成果発表です。  ぷかぷかもこの機会に事業の見直し(特にパン部門)をやっていきたいと思っています。ミッションであげている 「健康な命を未来に引き継ぐ」 という言葉を具現化していこうというわけです。そのためにはどうしたらいいのか、大きな試練だと思っています。      ぷかぷかのパンフレットの1ページ目にはこんな絵があります。  みんなでパンをかついでいます。この絵はアート部門のスタッフが、いわば「採用試験」の際に描いた絵ですが、私はいっぺんに気に入りました。  ぷかぷかはパン屋から始まりました。現在は様々な事業をおこなっていますが、やはり中心はパンです。パン屋から始まった事業が、ただ単にパンを作って販売することに終わらず、みんなが暮らしやすい豊かな社会を作っていくことに貢献しています。  社会の豊かさを少しずつ生み出していることを日記に書いて発信していますが、ぷかぷかは事業を展開する中で、そういったものをたくさん生み出しています。  みんなでパンをかついで、そういう社会を作っていこうよ、って言っているのです。ただ単にパンが売れればいい、っていうのではなく、ぷかぷかの活動を通して、社会を少しでもよくしていきたいと思っているのです。    石垣りんさんの詩に「空をかついで」というのがあります。私の大好きな詩です。     肩は/首の付け根から/なだらかにのびて。  肩は/地平線のように/つながって。  人はみんなで/空をかついで/きのうからきょうへと。  子どもよ/おまえのその肩に/おとなたちは/きょうからあしたを移しかえる。  この重たさを/この輝きと暗やみを/あまりにちいさいその肩に。  少しずつ/少しずつ。    相模原障害者殺傷事件が起こるような社会は病んでいます。そうではない、いろんな人が、ありのままで暮らせる豊かな社会、未来に希望の持てる社会をみんなで作り、子どもたちに引き継ぎたいと思っています。みんなでパンをかついで、それを実現しようというわけです。  ホームページで、そういった物語が伝えることができれば、と思っています。  
  • そのままがいちばん魅力的なんだよ
     9日(水)(あっ、もう今日ですね。今午前1時半ですから)、瀬谷区役所の人権研修会でぷかぷかのことをお話しします。昨年の緑区役所と同じように、まず人権問題の当事者でもある「ぷかぷかさん」三人にいろいろお話を伺い、そのあと私が話をします。  昨年はこの「ぷかぷかさん」たちの話が大好評でした。 pukapuka-pan.hatenablog.com    「ぷかぷか」は養護学校の教員をやっているとき、障がいのある人たちの魅力に惚れ込み、彼らとずっと一緒に生きていきたいと思って始めたお店です。6年たった今、彼らの魅力が、大きなチカラを持つことに気がつきました。  ビジネスに勝つチカラと社会を変えるチカラです。  ぷかぷかのファンが増えたのは、彼らの魅力のおかげです。おいしいパンと一緒に、心あたたまるお土産がもらえる。そのことがぷかぷかのお客さんを増やしました。彼らの魅力はビジネスに勝つチカラなのです。  ぷかぷかのファンになるのは彼らの魅力に出会った人たちです。そういう人たちが増えることは、地域社会を豊かにすることにつながります。彼らの魅力は社会を変えるチカラがあるのです。  彼らの魅力は、彼らがそのままの彼らでいられる環境で、はじめて発揮できます。  ぷかぷかを始めた当初、「接客」の仕方がわからないので、講師を呼んで接客の講習会をやりました。講師のいうとおり、つまりは「接客マニュアル」通りやれば、なんとなく接客をやっているような雰囲気にはなります。でも、私は気色悪さを感じました。接客マニュアル通りにやる、ということは、自分を出さない、自分を殺すということです。自分を殺し、無理してそこに立つ彼らの姿は、痛々しく、気色悪かったのです。接客マニュアルに従わせると、彼らの魅力はしぼんでしまいます。  講習会は一日でやめました。このときの、気色悪い、という直観的な判断が、ぷかぷかの進む道を決めたと思っています。接客マニュアルで勝負するのではなく、彼らの魅力をそのまま出して勝負する、ということです。  ぷかぷかは彼らがありのままでいることの魅力でビジネスをやってきました。無理に社会に合わせることをしなくても、仕事が成り立つのです。そうであれば、障がいのある人たちが求められている社会に合わせるための努力はなんだったのか、ということになります。ぷかぷかで働いているツジさんのお母さんは「見当違いの努力」をしてきました、とおっしゃってました。  そのままがいちばん魅力的なんだよ、ということです。  その視線は、障がいのある人はもちろん、私たちも救います。彼らを見る目が変わることですから。    
  • 精神的に要介護
     セノーさんと腕を組んで、下の写真のような感じで歩いていると   「これって、セノーさんがタカサキを介助してるんじゃないの」 「タカサキは精神的に要介護じゃないの」 という声がしきりで、全くその通りです。  毎日セノーさんにこうやって介護される日々こそ、幸せいっぱいの気持ちになれます。  先日階段で転んだとき、真っ先に 「タカサキさん、大丈夫?」 と声をかけてくれたのはセノーさんでした。ですから、セノーさんは、ああ見えて、結構私のこと心配してくれてるのです。  毎日腕をセノーさんが巻き付けてくるのも、なんだかんだとどうでもいいことをいいながら、タカサキのことを密かに心配しているのかも知れません。  毎日の目の検査も、セノーさんが養護学校高等部2年の時からやっているので、もう9年にもなります。あの頃もすごく太っていて、ある日隣り合わせで給食食べながらふと思い立って目をのぞき込み「セノーさん、目が赤いよ、これ糖尿病だよ、マックに行き過ぎだよ。もう末期的症状だから、体のあちこちが腐って、そのうち朝、おしっこしたはずみに大事なところがぼろっと落ちるんだよ」といったのが始まりで、あれから9年。いまだに毎日「あ、目、白いよ、どうしてですか?」「マック行ってないからですよ。え?セノーさんは今日も目が赤いけど、マック行ってるの?」「いってますよ、昨日はテキサスバーガーでした」「え〜!この赤さは、もう、末期的症状だよ、ヤバいよ、朝、ぼろっと落ちなかった」「今日は落ちませんでした」「明日あたりヤバいかも」という会話が盛り上がります。糖尿病の「末期的症状」が9年も続いていることになります。最近はセノーさんの方から「朝、ぼろっと落ちるとスカートはいて東洋英和ですね」なんてうれしそうにいったりするので、年季が入っているというか、この道の達人の域です。  こんなに楽しい朝のひとときを過ごすことができるのもセノーさんのおかげです。これがないと一日が始まらないくらいです。ほんとうに精神的に要介護なのです。  「障がい者と共に生きよう」なんて生っちょろい世界を、すでに突き抜けている感じです。
  • しんごっちのメッセージ
     原鉄道博物館に行った際、電車が大好きだったしんごっちのことを思い出し、そのことを日記に書いたら、お母さんが読んでくれていて、こんなコメントが寄せられました。   「今日行くでしょ?」と40度の腫瘍熱で意識が朦朧とする中、原鉄道博物館へ行く約束を忘れずにいた あの日を思い出しながらブログを読ませていただきました。余命一週間…奇跡の復活。寄り添ってくださった皆様の想いが届きました♡忘れずにいてくださること、とても嬉しいです。    40度も熱があって、意識ももうろうとする中で原鉄道博物館に行ったんですね。あらためてしんごっちの前向きに生きるエネルギーを思いました。  ぷかぷかでは毎日帰りの会で 「今日は、いい一日でしたか?」 という質問をします。いい一日を過ごすこと、いい一日を創り出すことが、いい人生の出発点だと考えるからです。   しんごっちはその「いい一日を過ごすこと」と「いい一日を創り出すこと」の名人でした。  給料が出たら、横浜ー川崎間の一区間だけのグリーン車の切符を買って、8分間の豪華な旅をするなんて、そういうことを思いつくこと自体が、本当にすばらしいと思います。まさに「いい一日を創り出すこと」の名人だったのです。 pukapuka-pan.hatenablog.com    街の模型を思いをこめて作り、更にそれを思いをこめて写真に撮っていました。しんごっちのわくわくしている様子が手に取るようにわかる写真です。「いい一日、いい瞬間を創り出すこと」の名人だったのです。 pukapuka-pan.hatenablog.com   入院中、自分のベッドで動画も撮っていました。どんなときでも前向きの気持ちで生きたしんごっちの生きる姿勢が鮮明に見える出来事でした。 pukapuka-pan.hatenablog.com    しんごっちは、いつも前向きの人生を生きていました。銀河鉄道の絵は遙か遠くを見据えて生きようとする思いがあふれていたように思います。しんごっちの人生の壮大さ、スケールの大きさを思います。  下から見上げた銀河鉄道の絵を描いた時のしんごっちは、なんかもう私たちの手の届かないところにいたように思います。あの銀河鉄道ははどこへ向かっていたのでしょう。 pukapuka-pan.hatenablog.com   しんごっちは日々楽しいことを見つけていたので、子どもたちにもその楽しさをプレゼントしたかったようです。 pukapuka-pan.hatenablog.com pukapuka-pan.hatenablog.com   ぷかぷかはしんごっちをしっかり支えていました。 pukapuka-pan.hatenablog.com  しんごっち展をやりました。 pukapuka-pan.hatenablog.com    相模原障害者殺傷事件の容疑者は「障害者は不幸しか生まない」といっていました。かつてのナチスはそのために何万人という障がいのある人たちを殺してしまいました。その優生思想から私たちはまだまだ抜け出せていません。  今の社会でも「障がいのある人たちは不幸だ」と多くの人たちが思っています。「障がいのある人たちはかわいそうな人たちだ」と。そんな社会の中で、しんごっちはすばらしく豊かな人生を築きあげ、その中を生ききったように思うのです。  そんな彼の生き様から私たちは何を学ぶのか、ということです。しんごっちが残したものを、今こそ私たちは掘り起こさなければ、また第二、第三の相模原障害者殺傷事件が起こるような気がしてならないのです。  原鉄道博物館でしんごっちのことをふと思い出させてくれ、それにお母さんがコメントを寄せ、あらためてしんごっちのことをいろいろ思い出したのも、今の時代の中でくれたしんごっちのメッセ−ジなのかも知れないな、と思うのです。  
  • 原鉄道博物館に行きました。
     ぷかぷかの余暇支援で「原鉄道博物館」に行きました。といってもすんなり行けたわけではなく、セノーさんが駅のトイレにこもってしまい、やっと出てきたかと思ったら 「カバンがない〜!」 と大騒ぎ。トイレになかったので電車に忘れたんじゃないかと駅員に聞き、折り返して戻ってきた電車の中を駅員とセノーさんと私で探しましたが見つかりません。またしても 「かばんがない〜!」 と大騒ぎ。駅員はあちこち連絡取って探してくれましたが、なかなか見つかりません。 今度は 「あ、き、は、ば、ら!」 とか言い出したので、あわててお母さんに電話。「あ、き、は、ば、ら!」といいだしたときは調子が悪くなった証拠なのです。お母さんと直接話をして、セノーさんをなだめてもらいました。少し落ち着いたので、とりあえずカバンの捜索は駅の人に任せて出発。その間、ざっと30分。みんな(23人)辛抱強く待っててくれましたね。 www.hara-mrm.com  鉄道ファンにはたまらないところです。なんといっても街の模型のなかを走り回る電車は見ているだけでわくわくします。   照明がゆっくり変わり、ちょうど夜。   今回の企画は鉄道マニアのコンノさんのしつこいリクエストで決まりました。コンノさんはしゃがみ込んで動きません。 www.youtube.com    動く電車を水平の角度から見るのが好きです。水平に見ると、こんなに迫力。もううっとりしてしまって、なかなか動けません。本物の電車よりも、もっと胸がときめく気がします。なんなんでしょうね、これは。  一昨年亡くなったしんごっちは大の鉄道ファンで、給料をもらうと横浜ー川崎間の一駅だけのグリーン車の切符を買い、8分間の豪華な旅をしていました。その旅をするために一ヶ月働いていました。  亡くなる一週間ほど前、付き添いの人といっしょにこの鉄道博物館に来ました。どんな思いで見てたのかなぁ、と、今日電車見ながら思いました。いつもひたすら楽しいことを追いかけていたしんごっちなので、もうこれが最後の見納め、なんて感じではなく、ただただ、 「わ〜、かっこいい!」 「すごいよ、これ」 って、わくわくしていたんじゃないかと思います。 www.youtube.com   精密な模型がずらり。   蒸気機関車もすごい迫力。   夜の街並みがきれい www.youtube.com   電車の運転席のシュミレーション。モニター画面を見ながら運転します。    今回は鉄道マニアしか来ないのではないかと思っていたのですが、メンバーさんの半分来たので、ちょっとホッとしました。みんな動き回る電車に目が釘付けでしたね。  本当にすばらしい模型博物館でした。またみんなの世界が少し広がった気がします。    帰りがけ、駅に寄ったらカバンが見つかり、お母さんに取りに行ってもらいました。  みんなはみなとみらい駅そばのフードコートで食事。   いい一日でしたね。お疲れ様でした。
  • 今朝、テレビの画面の中で彼らは堂々と歩いていました。
    NHKおはよう日本で「ぷかぷか」が紹介されました。笑顔で登場する「ぷかぷかさん」たち、あらためて街の「宝」だと思いました。  この人たち、街の「宝」として、本当に大事にしたいと思うのです。  昔、私がまだ学生の頃、胎児性水俣病の子どもを抱きながら、『この子は宝子ばい』と言っていたお母さんがいました(下の写真)。でも、その『宝子』の意味がどうしてもわかりませんでした。重い障がいをもった子が、どうして『宝子』なのか、よくわからなかったのです。 (慈しむように子どもを見つめるお母さんの顔が素敵です)  でも、障がいのある人たちと付き合ってきた今、『宝子』という言葉に込めたお母さんの思いが痛いほどわかります。ぎすぎすした息苦しい今の世の中にあって、ただそこにいるだけで心安らぐような雰囲気を作ってくれる彼らの存在は、やはり『宝』といっていい存在だと思うのです。彼らがそばにいるおかげで、私たちは人としてそこに立つことができるのだと思います。  かつてあったおおらかさがなくなり、どんどん息苦しくなっていく今の社会には、そういう『宝』こそが必要なんじゃないか、私はそんな風に思います。   街の人たちに、そんな『宝』のような存在に出会ってほしい。そう思って「ぷかぷか」を立ち上げました。  そして今日、テレビの画面の中で彼らは堂々と歩いていました。本当に堂々と。なんかね、ちょっとうるっとしました。  相模原障害者殺傷事件で犠牲になった人たちが私に朝日新聞の投書を書かせました。それを読んだNHKの方が連絡を取ってきました。そんなつながりが今日の映像になりました。そしてたくさんの人たちが街の「宝」に気がついたことと思います。無念の思いで死んでいった人たちの思いが今日のテレビの画面にはあったと思います。それをしっかりと受け止めたいと思うのです。
  • NHKラジオ深夜便「明日へのことば」の収録に行ってきました。
     NHKラジオ深夜便「明日へのことば」の収録に行ってきました。この奥の部屋でディレクターとお話ししました。  話のタイトルが「“障がい者の力” ビジネスに」になっていて、すごくいいと思いました。障がいのある人たちの魅力は社会を変えるチカラがある、という「ぷかぷか」の主張がディレクターに伝わったんだと思いました。  先日ディレクターがぷかぷかに取材に来られたときは、ぷかぷかでソーシャルビジネスがうまくいっていることについて話を聞きたいということでした。障がいのある人たちとソーシャルビジネスをやっていくのは、やはりいろいろ大変だったと思いますが、そのあたりのことを聞かせてください、といわれました。確かに経営的には大変でしたが、それはあくまで私が素人感覚で商売をはじめたことが原因で、彼らのことで苦労したことはほとんどありませんでした。  ぷかぷかでは接客マニュアルを使わず、彼らのそのままの姿で仕事をしています。彼らがそのままでいることの魅力にたくさんのお客さんが気づき、ぷかぷかのファンが増えていったことが、私の中に新しい気づきを生みました。そのままの彼らには人を惹きつける魅力があり、それは社会をも変えるチカラがある、という気づきです。  地域社会を豊かにするチカラと、利益を生むチカラです。区役所でのパン販売には行列ができます。これはパンがおいしいことがまずあるのですが、それと並んで、彼らの魅力が大きな要因になっています。スタッフだけで売りに行けば、おもしろくもなんともないただのパン屋になり、多分行列ができるほど人は集まりません。  ぷかぷかでソーシャルビジネスビジネスがうまくいっているいちばんの理由は、彼らの魅力をそのまま出していること、その魅力にはビジネスをうまく進めるチカラがあることなどの話をディレクターにしました。その話がちゃんと届いて、ラジオ深夜便のタイトルになったようでした。    文章を書くときは推敲する時間がありますが、話をするときはその時間がありません。ですから話をするのはとても苦手です。今日も次々に飛んでくる質問に「う〜〜」と考え込みながらことばを絞り出しました。回り道をしながら話をしているうちに、なんの話をしているのかわからなくなったときもありました。ディレクターは、編集するので大丈夫ですといってくれましたが、どういう風にまとまるのか、かなり不安です。  それでも50分近く話をし、それなりにぷかぷかの話はできたかなと思っています。養護学校に勤めて、障がいのある子ども達と出会った頃の話は、最初に受け持ったけんちゃんなんかを思い出し、話ながら楽しかったですね。  12月16日(金)午前4時5分からラジオ第1放送、FM放送「明日へのことば」で40分、つたないおしゃべりをします。「らじるらじる」というサイトをつかえば、朝4時に起きなくても聞くことができるみたいです。      ラジオ深夜便の収録のあと、おなじNHKの報道局の方とご飯食べながら少し話をしてきました。先日マルシェを取材に来た方です。  「障がいのある人たちの施設はなんとなく暗いイメージがあったのですが、ぷかぷかはなんかすごく明るくてびっくりしました。」 「誰が障がいのある人なのかよくわからなくなって、困りました」 とおっしゃっていました。ちょっと時間が空いたときに、テラちゃんが手を握っていろいろお話ししたみたいで、 「なんかね、すごく癒やされたんです。あんな時間が持てたことが本当によかったです。」  と、とても楽しそうにお話しされていました。その気持ちをぜひ映像で表現してください、とお願いしました。  相模原障害者殺傷事件について私が朝日新聞に投書し、それを見て連絡を取ってきたのがおつきあいの始まりです。マルシェの取材も「レクイエム」の演奏を撮ること、相模原障害者殺傷事件に関して私がブログを何本もあげている理由を聞き出すこと、pvプロボノとの打ち合わせの取材、が大きな目的でしたが、ぷかぷかに来てみたら、来る前にイメージしていたものよりも、もっと大きな、もっと大切ななにかを見つけたようでした。ダイちゃん、テラちゃんはじめ、たくさんのメンバーさんたちとの出会い、何よりもぷかぷかという場との出会い…  とりあえず、11月3日(木)NHKおはよう日本の7時台に5分ほどの相模原障害者殺傷事件に関係するニュースとして流すそうです。「レクイエム」の演奏も流れます。ニュースなので平板な感じですが、ぷかぷかさんの楽しさも入れました、とおっしゃっていました。早起きして見ようと思っています。          
  • ママボノの人たちが6人が、全員赤ちゃん抱っこして来ました。
     ママボノの人たち6人が、全員赤ちゃんを抱っこして見学、ヒアリングに来ました。スキルボランティアの人たちです。 www.servicegrant.or.jp  ぷかぷかのホームページには膨大な情報が詰まっていて、はじめて訪れた人は、とても読みにくいので、もう少し読みやすくなるよう改善をお願いしました。  どういう人をターゲットに、何を伝えたいのか、というあたりをいろいろ聞かれました。ホームページにはぷかぷかの理念的なものと商品の紹介があるのですが、その両方を伝えたいと思っています。商品の紹介が弱いので、そこは改善した上で、行ってみたくなるような魅力あるホームページにしたいと思っています。主に伝えたい人は商品については子どもを育てているお母さんたち、理念的なものは障がいのある子どもを育てている人、街の人たち、福祉関係者たちですが、そこはあまり分けないようにしたいと思っています。  商品について知りたいと思って調べていくうちに、障がいのある人のことにもふれたり、理念的なものを調べていくうちに、商品のことにふれたり、といった具合に、うまく交差する部分があるといいなと思いました。構造的な工夫が求められるところです。  福祉事業所が命のことまで考えた商品を作って販売している、お客さんは商品の魅力だけでなく、障がいのある人の魅力でも集まってきている、お店に来るとなぜかホッとする、あたたかい気持ちになれる、地域社会を豊かにしている、といったことが全体を通して見えてくるといいですね。福祉事業所の、新しいあり方が見えてくるというか…。どういう構造にすればそういったことが実現できるのか、提案してもらえるとうれしいです。  ママボノの人たちがぷかぷかのどこに惹かれたのか聞きました。1歳前後の子ども達を育てているので、パンフレットの「私たちは/おいしい/安心・安全を/大事にします。 お客様に/安心して召し上がって/いただきたいからです。 健康な命を/未来に引き継いで/いきたいからです。/子どもたちの命を/そしてみんなの命を/大事にしたいからです。」の後半部分にいちばん惹かれたということでした。  健康な命を未来に引き継いでいきたい…  ぷかぷかはその言葉を具現化するところだと思っています。健康な命を未来に引き継ぐようなパンを作りたいということです。そういうメッセージが伝わるようなホームページです。  入り口はできるだけシンプルに、ひと目見て、「あ、ちょっとのぞいてみようかな」と思えるようなページがトップに来ます。今のように下の方までスクロールしないと見られないようなページの作りでは、途中でいやになって、それ以上、先を見てくれません。  たとえばこんな絵をトップに載せます。これ以外のものは一切載せないくらいシンプルなトップページです。シンプルだけど、なんかもっと見て見たいような雰囲気。それをどうやって出すか、腕の見せ所です。ここからぷかぷかが始まる、といういわば壮大な物語の入り口です。  ここから少しずつ下の層へ降りていきます。途中で気持ちが途切れないように引っぱっていく力が必要です。次々に興味が湧いてくるような、人を惹きつけるだけの内容が求められますね。  お客さんの多くはスマホで見ています。ですからスマホで見やすい画面も必要です。今日、ママボノさんがスマホの画面を設定してくれましたので、少しだけ見やすくなりました。でも、中身がまだ変わっていないので、スクロールが必要です。スクロールしなくても見られるようなページ作りが求められます。少ない文字数でメッセージを伝える工夫です。  みなさん赤ちゃん連れで、途中泣き出したり、はいはいしたり、何か食べさせたりで、なかなか大変でしたが、話の中身は真剣で、随所でプロ意識を感じました。  12月半ばくらいにはリニューアルしたホームページになっていると思います。楽しみにしていてください。    
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