ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • 注文の多い料理店・序ー手話による表現
     1月の表現の市場では、『注文の多い料理店・ぷかぷか版』の「序」の部分をデフパペットシアターひとみのみなさんにやっていただきました。pvプロボノの信田さん、高橋さん、藤木さんに記録を撮ってもらい、その編集が終わりました。最初カメラ6台も使って撮る意味がよくわからなかったのですが、この映像を見て納得できました。6台で撮った映像を編集することで、こんなすばらしい映画ができあがるんですね。なんとなくぼんやり見ていたあのシーンが、一つの作品=映画になっていることにおどろきました。映像クリエイターの人たちのチカラですね。pvプロボノの人たちに感謝!です。  「注文の多い料理店・序」はとても美しい日本語です。それを手話で表現するのは、本当に大変だったと思います。デフパペットシアターひとみの人たちの底力を見た気がしました。  味のある文字はぷかぷかさんです。存在感のある文字です。   www.youtube.com    演劇ワークショップ、表現の市場の映像は現在編集中です。8月4日(土)みどりアートパークホールで上映する予定です。近くなりましたらお知らせします。
  • 8年前 一本の柱を立てた。
     4月14日(土)のぷかぷか8周年のイベントで、演劇ワークショップで歌った「あの広場のうた」を歌う予定で、今、毎日みんなで練習しています。歌いながら、あらためて、ぷかぷかって、みんなにとってとても大切な広場だったんだなという感じがしています。    ぷかぷかにはいつもの朝、いつもの夜がやってくる。  あれ、ここはどこだっけ、とふと思うことがあっても、ここはいつもの場所。  でも、どこかちがう。ここはどこかに似ている。  大人も子どもも、犬や鳥たちも、虫たちも集まる、あの広場みたい。  耳をすませば見えてくる。(ここの言葉の使い方がすばらしい。この歌を作った萩京子さんのセンスです。)  目をみはれば聞こえてくる。  耳をすます、目をみはる。  そうすると、少しずつ、少しずつ、  見えてくるものがある、聞こえてくるものがある。    歌が生まれ  人は踊り出し  物語がはじまる  あの広場がここに    広場から たくさんの物語が生まれた。  みんなの広場だったから ステキな物語が  次々に生まれた。    障害者は性犯罪を起こすかも知れない、などとグループホームに反対する大人がいる社会は悲しい。  その一方で、ぷかぷかに来る子ども達はこんな物語を作った。      この子ども達が大きくなって、社会を担う頃、どんな社会を作るのだろうと思う。  三枚の写真から見える物語には希望がある。  前に向かって、私たちの背中を押してくれる。    1000を超えるぷかぷか日記にはたくさんの物語が詰まっている。  障がいのある人たちは、あれができないこれができない人たちじゃない。  社会の負担でもなく、社会のお荷物でもない。  社会を耕し、社会を豊かにする存在なんだ、という物語は、  たくさんの人に希望をもたらした。 (そんな物語たちを本にまとめようと思っています。楽しみにしていて下さい)    障がいのある人たちに惚れ込み、  彼らと一緒に生きていこうと  8年前  一本の柱を立てた。  柱のまわりに  少しずつ  少しずつ  人が集まり  歌が生まれ  人は踊り出し  物語がはじまった。      昔 広場に一本の柱  ここに立てよう  目には見えない柱を    昔 広場に一本の柱  ここではじまったぷかぷか  いまここで      www.youtube.com   ♪ いまはいつだろう  いつもの朝   ここはどこだろう   いつも場所    いまはいつだろう  いつもの夜  ここはどこだろう  いつもの場所    でもどこかちがう  ここはどこかに似ている    おとなもこどもも  犬も鳥たちも  虫たちも集まる   あの広場みたい    耳をすませば見えてくる  目をみはれば聞こえてくる  少しずつ 少しずつ    歌が生まれ  人は踊り出し  物語がはじまる  あの広場がここに    昔 広場に一本の柱  ここに立てよう  目には見えない柱を    昔 広場に一本の柱  ここではじまったぷかぷか  いまここで ♪
  • 筑豊の「虫の家」で上映会とお話
     7月21日(土)13:30〜16:00 福岡県の筑豊にある筑豊共学舎「虫の家」(福岡県鞍手郡小竹町大字御徳167番地の30)で「相模原障害者殺傷事件2周年・追悼の集い」があります。そこでぷかぷかのプロモーションビデオカナダ版の上映と相模原障害者殺傷事件についてトークセッションします。問合せは09496−2−6003  gujinan@utopia.ocn.ne.jp    「虫の家」のホームページです。私たちの「障害」観は、短い文章ですが、本質的なところをズバッと書いています。 mushinoie.webnode.jp  ここの代表の高石さんが去年の11月、北九州市で行った上映会とトークセッションに参加したことがきっかけで、今回の企画が立ち上がりました。その高石さんの思いは     みんな“ぷかぷか”になれたら素晴らしい                                  髙石 伸人  高崎明さんが最初に「虫の家」に来られたのは1999年の夏でした。その際にエアコンを設置したので覚えています。当時、養護学校のセンセイであった高崎さんは、既に「全国ボランティア研究集会」などでワークショップのファシリテーターとして活躍し、全国区の名の知れた人でした。「虫の家」に来られたその時も、水俣で胎児性の若い患者の皆さんとワークショップをやった後、横浜に帰る途中で立ち寄ってくれたのだったと記憶しています。  「虫の家」は1986年にポリオや脳性マヒの青年たちを中心に「街に出よう、街を変えよう!」をテーマに、「自立生活センター」をモデルにして始めた、いわば地域活動拠点(たまり場)でした。ボクは当初からソーシャルワーカーとして、会の事務局的な役割を担ってきたことから、たまたま条件が上手く転んで、自宅敷地を拠点建設の用地として提供する羽目になりました。それから32年、今では半数以上が代替わりして、8人の知的障害のメンバーを中心に、法律上の「地域活動支援センターⅢ型」の運営を柱に、ハンセン病資料室の開設や人権問題の学習会を開くなど、筑豊ではちょっと知られたNPO団体です。  そんなボクたちにとっても、一昨年に起きた「相模原障害者殺傷事件」は衝撃的でした。これまで自分たちが問いかけてきたことが何だったのか、改めて、考えさせられる出来事でした。深い霧の中にいるような気分が続いているある朝、某テレビ局のニュース番組に横浜の「ぷかぷか」の日々が映し出されていて、あの飄々とした、自身が「ぷかぷか」そのものの高崎さんの、当時よりちょっと老けた懐かしい顔が何度も画面に登場したのでした。その前後に、朝日新聞の全国版でも紹介され、昨年は北九州での「映画と講演のつどい」で話を聴く機会をいただきました。「障害者を街の宝に」という願いの詰まった「ぷかぷか」の実践にこそ、相模原事件に対抗する、あるいは根っ子にあるものを溶解させるヒントがてんこ盛りなのだと気づかされたことです。生の高崎さんから届けられる「ぷかぷか」なメッセージを近隣の皆さんとも分かち合って、事件の本質にどのように向き合うかを考えていきたいと思います。是非、ご参加ください。                 (NPO法人ちくほう共学舎「虫の家」事務局長)    というわけで、「虫の家」でぷかぷかの映画とお話をします。できれば高石さんと相模原事件をテーマにトークセッションができたらと思っています。あまり硬い話にならず、ゆるっとゆるむような話になれば、と思っています。  先日ぷかぷかの近くで障がいのある人たちのグループホームの反対運動がありました。「障害者はここに住むな」「障害者はここにはいない方がいい」といってるわけで、これは「障害者はいない方がいい」と言っていた相模原障害者殺傷事件の犯人の考えと全く同じです。障害者がここに住むと犯罪、特に性犯罪が心配、といった声もありました。説明会に私も参加しましたが、もう話し合いでどうこうなる雰囲気ではありませんでした。  「障がいのある人たちのことを知らない」「おつきあいがない」というだけなのですが、たったそれだけのことがここまで人と人を分断してしまうのです。相手の話を聞きながら正直悲しくなりました。  で、思いついたのが、その地元の子ども達を相手にぷかぷかさん達と一緒にパン教室をやることでした。パン教室は単純に楽しいです。子ども達は大喜びでした。そこに当たり前のようにぷかぷかさん達がいました。 pukapuka-pan.hatenablog.com   相模原事件を超える社会は、優生思想云々のむつかしい話をするのではなく、こうやってお互いが楽しいねって思えるような関係をコツコツ作っていくことだと思います。      ぷかぷかはできて8年目になります。その間、たくさんのファンを作ってきました。「ぷかぷかさんが好き!」というファンは、「障害者はいない方がいい」という相模原障害者殺傷事件の犯人と正反対の位置にいます。正反対の位置するような人をどうやって作り出したか。  ファンを作るコツは障がいのある人たちを社会にあわせたりせず、そのままでいてもらうことです。ぷかぷかはできた当初、接客の仕方がわからず、講師を呼んで接客の講習会をやったことがあります。何のことはない「接客マニュアル」通りやりなさい、ということだったのですが、マニュアル通り振る舞うぷかぷかさんの姿が気色悪くて、もう一日でやめました。で、どうしたかというと、もうマニュアルなんか使わず、ぷかぷかさんそのままで行こう、ということにしたのです。  決して接客がうまいわけではないのですが、ぷかぷかに来るとなんかホッとする、と言うお客さんがたくさん現れました。接客マニュアル通りやるとか、社会にあわせるとかしなくて、彼らのそのままの姿にファンがついたのです。  「障害者はいない方がいい」といわれた彼ら自身が、彼らのそのままの姿でファンを作り、相模原障害者殺傷事件を超える社会をコツコツ作っているのです。ともすれば「優生思想」云々と硬い話に終始する私たちよりも、はるかに確実に社会を変えているのです。そのことに私たちは気がついた方がいいと思います。      事件後「障害者を守る」という動きが活発になりました。「守る」というのは「囲い込む」ことであり、「生かさず、殺さず」になってしまいます。  「ぷかぷか8周年」にも書いているように、ぷかぷかは外部とのコラボを通して、ぷかぷかさん達と一緒にどんどん前に進みます。守るどころか、垣根をどんどん取っ払って、新しい価値を創り出そうとしています。彼らがいてこそ、社会は豊かになる。そういったことをたくさんの人たちと共有したいのです。  こういったことをやり続けることが相模原障害者殺傷事件を超える社会をダイナミックに作っていくのだと思います。   ダイナミックに作っていく、いい言葉ですね。それくらい元気にやりましょう! pukapuka-pan.hatenablog.com      
  • ぷかぷか8周年
     この4月でぷかぷかは8年目を迎えます。開設当初のことを思えば、潰れもせず、よくぞ持った、とほめてやりたいくらいです。それくらい初期の頃は大変でした。8年目にしてようやく組織全体が前に向かって動き始めたと実感しています。    先日横浜市市民活動支援課主催の「ファンドレイジング講座」に行ってきました。NPOが活動のための資金を集めるにはどうしたらいいか、をテーマにした講座です。ぷかぷかはいろいろやっていますが、お金を集めることは全くの下手くそで、いつも貧乏です。パンやお惣菜などの商品はそこそこ売れるのですが、演劇ワークショップなど非収益事業も含めた活動全体を合わせると、恥ずかしいくらい貧乏です。で、まぁ、すがるような思いで講座に参加したわけです。  冒頭、こんな言葉がありました。    今更ながらNPOの活動の意味を思いました。  「こんなことを実現したい」という「夢」。その「夢」の実現に向かっていろいろ活動を展開するのがNPOだと。そうか、そうだよな、NPOって、「夢」を追いかけるんだよな、ってあらためて思ったのでした。  ぷかぷかは「障がいのある人もない人もお互いが気持ちよく生きていける社会」を目指しています。社会を目指す、なんていうと壮大な夢という感じですが、それを単なる夢で終わらせないためにどうしたか。  ぷかぷかは「彼らといっしょに生きるといいね」と思える関係を日々具体的に作ってきました。毎日発信しているFacebookを見てもらえばすぐにわかります。「夢」を単なる「夢」で終わらせず、日々小さなことの積み重ねを続けることで、「夢」の実現に向けて一歩一歩確実に前に進んできたのです。  演劇ワークショップにこれだけエネルギーが注げるのも、「夢」の実現に向けて確かな一歩を踏み出せると確信しているからです。ヨコハマアートサイトが昨年ぷかぷかの企画に対して満額回答をしてくれたのも、「夢」の実現の確かさに共感したからだと思います。「夢」を単なる「夢」で終わらせない、確かなビジョン。それを企画書から読み取ってくれたのだと思います。  日々のお店の運営も、パン教室も、アートのワークショップも、ぷかぷかさんとのいい関係を作り続けています。そんな中で見えてきたことは、彼らといい関係を作ることで、私たち自身が人として豊かになれる、ということです。だから彼らは社会に必要、ということ。いろいろできないから何かやってあげる対象ではなく、そのままの彼らが社会に必要、ということ。そのことをたくさんの人たちと共有できたことはとても大きいと思います。  共生社会を目指そう、とか、共に生きる社会を目指そう、といった抽象的な話ではなく、リアルに彼らといっしょがいいよね、って思える関係をぷかぷかは日々の活動の中で作ってきたのです。  そのリアルさの中で、たくさんのファンができました。そのファンの中から「ぷかぷかプレミアム会員」の提案までありました。年会費1万円です。商品の割引、といったちゃちな特権ではなく、たとえばぷかぷかさんと一緒に一泊旅行に行ける特権です。ぷかぷかさんともっと濃厚なおつきあいのできる特権です。  「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージをはるかに超えたものをこの提案には感じます。      8年目を迎えてぷかぷかが大きく動き始めたことがあります。それは外部の人たちとのコラボ=協働です。コラボすることで、新しい価値を生み出そうということです。  先日紹介したビオアグリとのコラボは具体的に動き始めました。 pukapuka-pan.hatenablog.com  ビオアグリの代表とは初めてお会いしたのですが、ちょっと話をしただけで通じるものがあり、畑で話をしながら、その場で新しい価値を生み出すようなコラボをしましょう、ということになりました。それがもう実現しつつあります。    ビオアグリの畑で取れた黒豆を使ったパンを焼きました。    淡路島ではハード系のパンがないので、ぷかぷかのハード系のパンを近々販売することになっているのですが、向こうの畑で取れたおいしい黒豆を使ったパンはまさにコラボの商品です。その商品にはぷかぷかがデザインしたラベルを使います。ビオアグリのメンバーさんの似顔絵をぷかぷかさんが描き、それを使ったラベルを今製作中です。文字もぷかぷかさんが描きます。近々東京に出店をだすそうで、そこでもコラボ商品、ぷかぷかの商品を並べてくれます。  作り手がどんな人か、似顔絵は写真よりもはるかにその人のあたたかさを伝えます。コラボの商品価値をグ〜ンと引き上げます。ぷかぷかさん大活躍です。これにぷかぷかさんの描いた商品の文字が重なります。   イメージとしてはこんな感じのラベルができます。  昨年旅行で行った上野さんのいろいろ米を使ったパンができました。上野さんのライ麦は以前から使っていますが、いろいろ米を使ったパンは初めてです。いろいろ米はご飯として食べるだけでなく、パンとして食べてもおいしいことがよくわかります。ぜひお試し下さい。いろいろ米とパンのコラボで新しい味が生まれたのです。  上野さんは4月14日(土)の8周年イベントにやってきます。上野さんははっぱを使った虫作りの名人です。この虫を作るワークショップをやります。栃木のイチゴも持ってきます。これはもう絶対に来なきゃソン!です。 www.youtube.com 今年の夏の旅行も上野さんのところへ行きます。    川野さんという人が天草でおいしい甘夏を作っています。 pukapuka-pan.hatenablog.com このブログに登場している川野さんの家に着くなりうんこした息子が今淡路島のビオアグリのメンバーになり、ここからビオアグリとのコラボが始まりました。    川野さんの甘夏を使った新しい甘夏パンができました。今年はフランス生地の中に甘夏ピールを練り込んでいます。以前の甘夏パンよりもグ〜ンとおいしくなっています。      5月にはプロダクトマネジャー、副施設長が川野さんのところまでいって、甘夏の山を見学し、一晩泊まって川野さんお話を聞いてきます。  甘夏パンにまた新しい物語が加わります。楽しみにしていて下さい。     昆布を食べて環境を守ろうという里海イニシアティブさんとのコラボも検討中です。 satoumi-i.com   横浜市地域貢献企業として認定されている協進印刷さんとのコラボも検討中です。 www.kyoshin-print.co.jp    それぞれのコラボで、どんな新しい価値が生み出せるのか、楽しみなところです。  ぷかぷかは8年目を迎え、更に進化していきます。どうぞお楽しみに。    4月14日(土)は8周年を記念したパチパチマルシェをやります。詳しくは近日中にお知らせします。ビオアグリの製品販売もします。  こんなかわいいアラレちゃんも登場します。    
  • ヨコハマアートサイト 今年も満額回答を目指して
     ヨコハマアートサイトの「横浜で地域と共に活動する芸術文化事業」に今年も応募しました。ぷかぷかさんと地域の人たちが一緒になって行う演劇ワークショップの企画です。 ヨコハマアートサイト  昨年は満額回答の100万円ゲットしたので、今年もそれを目指してかなり気合いを入れて書きました。やる内容は同じ演劇ワークショップなのですが、それを去年とはなるべくちがう言葉で表現します。限られた枠の中で、どこまで思いを書ききれるか、が勝負です。  その主なところを報告します。   《 事業のねらい 》 障がいのある人たちと一緒に生きていくと、社会が豊かになると考える。そのことを目に見える形で表現するために障がいのある人たちと一緒に演劇ワークショップをおこなう。   《 対象となる地域の状況や課題、魅力をどう捉えているか 》  ぷかぷかが霧ヶ丘に誕生して8年。開設当初は障がいのある人たちへの偏見がひどく、人権侵害といっていいほどのバッシングがあった。そういった雰囲気の中で尚も「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」というメッセージをホームページやFacebookで発信し続けてきた。障がいのある人たちを理解してもらうというのではなく、どこまでも彼らの魅力を伝えるメッセージ。Facebookには、多い日は10本くらいの記事をアップした。日々のお店での活動、アートワークショップ、パン教室、演劇ワークショップなどを通して「彼らとはいっしょに生きていった方がいいね」と素直に思えるような関係をたくさん作ってきた。その結果、彼らを理解するとか、福祉事業所を応援するとかではなく、純粋に彼らのファンができた。最近は年会費1万円のぷかぷかプレミアム会員を作ってはどうかと提案する熱烈なファンも現れた。商品の割引ではなく、彼らといっしょに一泊旅行に行ったり、いっしょにカラオケに行ったりする特権が欲しいという。1万円払ってでも彼らと濃厚なおつきあいをしたいという人たちだ。彼らが生み出す新しい価値に気がついた人たち。地域社会が確実に変わってきている。   《 実施活動における文化芸術が果たす役割 》 ぷかぷかは「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージを日々発信しているが、演劇ワークショップはそのメッセージを、芝居という目に見える形にしてくれる。理屈っぽい言葉ではなく、誰にでも感じとってもらえるメッセージだ。そのために、今まで障がいのある人に何の関心もなかった人たちにも幅広くメッセージを届けることができたと思う。また演劇ワークショップに参加すると、障がいのある人たちに向かって素直に「あなたが必要」「あなたにいて欲しい」と思えるようになる。「共生社会」とか、「共に生きる社会」といった抽象的な話ではなく、リアルにそう思える関係ができる。芝居を作る、という文化芸術活動が、障がいのある人たちとの新しい関係を作ったと言える。しかもその関係は新しいものを創り出すクリエイティブな関係であり、それこそ障がいのある人の持つ新しい可能性、新しい価値を掘り起こしたとも言える。   《 「継続活動助成」の場合、昨年度と比べて工夫した点 》 小道具、大道具などの制作が大変なことと、事業の継続を考えて、演劇ワークショップに直接かかわるアート部門のスタッフを増やすことにした。演劇ワークショップの継続は、単なるテクニカルな問題だけでなく、障がいのある人たちの置かれた社会的状況の中で、演劇ワークショップ手法をどういう形で生かすか、ということだ。そのためには、その社会的状況をよく理解し、芝居作りが好きで、何よりも障がいのある人たちと一緒に生きていきたいという思いがあるかどうかがとても大事になってくる。そういう人を育てることを今期の大きな目標としたい。   《 今年度の達成目標 》 宮澤賢治作『ほらクマ学校を卒業した三人・ぷかぷか版』をみんなで作り、みどりアートパークのホールの舞台で上演する。障がいのある人たちとの芝居作りを、新しい文化の創出、といった観点から再評価していく。相模原障害者殺傷事件のことをいつも忘れず、事件へのメッセージとして演劇ワークショップを評価していく。   《 団体の目的・特色 》 障がいのある人たちに惚れ込み、彼らと一緒に生きていきたくて、養護学校定年退職後「ぷかぷか」を立ち上げた。「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージを日々Facebookなどで発信し、「いっしょがいいね」と思える関係をお店、パン教室、アートワークショップ、演劇ワークショップ、運動会などのイベントで作ってきた。たくさんの方がぷかぷかさんと出会い、地域の中でたくさんのファンができた。ファンの存在は、ぷかぷかさんが地域を耕し、豊かにしていることを物語っている。あれができないこれができないと社会のマイナス要因でしかなかった「障害者」がぷかぷかにあっては、地域を耕し、地域を豊かにする存在になっている。障がいのある人たちの社会における新しい価値を掘り起こしたといっていい。   《 団体の沿革・経歴 》 2009年9月NPO法人ぷかぷか設立  2010年4月就労継続支援B型事業所として「カフェベーカリーぷかぷか」「ぷかぷかカフェ」オープン  2014年6月お惣菜屋「おひさまの台所」オープン 2015年2月アートスタジオ「アート屋わんど」オープン 第一期演劇ワークショップ 2014年6月〜11月 第二期演劇ワークショップ 2015年9月~2016年2月 第三期演劇ワークショップ 2016年8月〜2017年1月 第四期演劇ワークショップ 2017年8月〜2018年1月  2015年12月 演劇ワークショップが高く評価され読売福祉文化賞受賞 2016年 5月プロモーションビデオ「いっしょにいると心ぷかぷか」完成 2017年 6月プロモーションビデオ「いっしょにいると心ぷかぷか−2」完成  相模原障害者殺傷事件へのメッセージが評価され、2017年7月NHKで紹介される   《 これまでの活動実績 》 [平成27年度] 第二期演劇ワークショップの開催 2015年9月〜2016年2月 2月にみどりアートパークホールでみんなで作った芝居『みんなの生きる』を発表。社会の不満、イライラから自由なぷかぷかさんを表現した。  区民まつりで地産地消ブースをデザインし、発表。10月。50張りあるブースの中でいちばん楽しいブースのデザインとして評価された。地産地消サポート店の大きな絵地図(縦2m、横3.6m)を制作し、発表。絵地図は高く評価され、緑区役所のロビーに展示された。  アートのワークショップで、地域の人たちといっしょに大きなクジラの絵を制作、発表   [平成28年度] 第3期演劇ワークショップ 2016年8月〜2017年1月 1月にみんなで作った芝居『セロ弾きのゴーシュ・ぷかぷか版』をみどりアートパークホールで発表。   緑区民まつりで地産地消ブースをデザインし、発表。「野菜たちのお祭り」というテーマでデザインしたブースはとても好評だった。10月          アートのワークショップで段ボール製のファッションモデルを地域の人たちといっしょに制作。ぷかぷか秋のマルシェでファッションショーを行い、そのパレードにはNHKが取材に来た。演劇ワークショップの舞台にも登場させ、ネズミのシーンで「夜風とどろき」の歌を歌いながらダンスを踊った。   [平成29年度] 第4期演劇ワークショップ 2017年8月〜2018年1月。1月にみんなで作った芝居『注文の多い料理店・ぷかぷか版』をみどりアートパークホールで発表。ぷかぷかはみんなの大切な広場になっていると『あの広場のうた』をみんなで歌い、とても好評だった。   10月の緑区民まつりでは今年もまた緑区役所から依頼で地産地消のブースをデザイン。3年続けてデザインの依頼を受けた。「野菜たちの結婚式」というテーマでデザインし、好評だった。  ぷかぷかのアートを企業に売り込む営業資料をサービスグラントと協働で制作。企業の力を借りて、ぷかぷかのアートで社会を豊かにする活動がスタートした。         進行役講師料、ピアニスト謝礼、舞台製作費、会場費、記録映画作成費など総予算は2,175,000円。そのうち100万円を申請しました。  ヨコハマアートサイトは予算の半額しか申請できません。去年は予算が2,035,000円だったので、本当に満額回答でした。今年も満額回答を目指した書いたのですが、思いが審査員に届けば、と思っています。      演劇ワークショップ開催日は2018年8月18日(土)、9月22日(土)、10月20日(土)、11月17日(土)、12月15日(土)、2019年1月19日(土)、1月26日(土) 時間は毎回9時~午後4時半です。                                    1月27日(日)は『表現の市場』の舞台でできあがった芝居を発表します。参加を希望される方は連絡下さい。045−453−8511 ぷかぷか事務所 高崎 pukapuka@ked.biglobe.ne.jp なるべくなら全部参加して欲しいのですが、無理な方はご相談下さい。  
  • 北秋田に ぷかぷかがやって来る!
     北秋田から電話があり、5月26日(土)のイベントのチラシを作って欲しい、というものでした。 pukapuka-pan.hatenablog.com    チラシのタイトルはなんですか?と聞くと 「北秋田に ぷかぷかがやって来る!」 だそうです。うれしいですね、そんなふうにぷかぷかを受け止めてもらえるなんて。  ワークショップ、上映会、トークセションを通して、「ぷかぷか」の風を北秋田に吹き込みたいようです。ぷかぷかの理念、なんてまじめなところだけでなく、ぷかぷか的発想、ぷかぷか的にぎわい、ぷかぷか的だらだら時間、ぷかぷか的まとまりのなさ、ぷかぷか的適当さ、ぷかぷか的思いつき、ぷかぷか的おもしろさ、みたいなものが、わ〜っと熱くうずまくような、エネルギッシュな風。  会場は繁華街に近いところだそうで、だったらワークショップではみんなで段ボールを使って怪獣を作り、怪獣の叫び声を上げながら、北秋田の繁華街を練り歩こうって提案しました。障がいのある人もない人もごちゃ混ぜで、叫び声を上げると、すっきりいい気分です。その時の開放感こそがぷかぷかが目指すもの。  場所は北秋田ふれあいプラザ コムコム 多目的ホール  日程は 10:40〜12:00 ワークショップ 12:00〜13:00昼食(ひょっとしたら北鷹高校家庭科クラブのみなさんの調理がでるかも) 13:20〜14:00 上映会 14:00〜15:30 トークセッション   となっていますが、ワークショップをやって街中をパレードしようと思っているので、予定通りに行くかどうかは、やってみないとわからない、といういい加減なところがあります。現地主催者は多分ハラハラしながらの進行になるのじゃないかと思いますが、ま、それもまた楽し、というくらいでやりましょう。  そうそう、セノーさん、ナカタクさんも一緒に行きますので、想定外のいろんなことが起こるのではないかと楽しみにしています。  チラシができたらアップします。楽しみにしていて下さい。
  • 子ども達はほんとうに楽しかったようです
     学童の子ども達といっしょにパン教室やりました。  子ども達はほんとうに楽しかったようです。あっ、楽しい!っていう子ども達の気持ちがビリビリ伝わってきました。そんな楽しさの中に、当たり前のようにいるぷかぷかさんたち。ぷかぷかさんたちはパン教室に関してはみなさんベテランですので、何も言わなくても、きっちりとやるべきことをやってくれます。それを子ども達はちゃんと見ています。  ひょっとしたら、大人たちから障がいのある人たちのことをいろいろ聞いているかも知れません。でもパン教室の中のぷかぷかさんは、多分大人たちがいう「障害者」とはかなりちがうイメージだと思います。障がいのある人たちとおつきあいのない大人たちの多くは「障害者」に対してマイナスのイメージを持っています。あれができないこれができない、社会のお荷物、更には「障害者は犯罪を起こすんじゃないか」といったマイナスのイメージです。パン教室の中のぷかぷかさんたちはそれらをひっくり返すような働きをします。一緒にパンを作れば、彼らは「あれができないこれができない」人でないことはすぐにわかります。彼らの働きぶりを見れば「社会のお荷物」どころか、社会を引っぱっていく人です。まして「犯罪を犯すような人」でないことは、ちょっとおつきあいすればすぐにわかります。  そういう意味で、パン教室に参加した子ども達は、障がいのある人たちについて、すごい勉強をしたのだと思います。    今日のメニューは「菜種ロール」「メロンパン」「肉まん」「ピザーほうれん草のジェノベーゼ」「ミネストローネスープ」    ★保護者の方の了解を取っていないので、子ども達の顔はぼかしてあります。ま、それでも雰囲気は伝わると思います。    粉と酵母と塩と水を混ぜ、こねていきます。 メロンパンの皮になるクッキー生地を作る ピザのトッピング「ほうれん草のジェノベーゼ」を作る ほうれん草、ニンニク、オリーブオイルをフードプロセッサーにかける。 肉まんの具を作る。左のぷかぷかさんは大ベテラン。おひさまの台所では「春巻き姫」と呼ばれるくらい春巻きを作るのが得意。 発酵中の生地をワクワクしながらのぞき込む スープを作る ついさっき廊下で寝ていたセノーさんがジェノベーゼの味付けを ユースケさんが生地を計量しながら分割。それをみんなで丸めます。 メロンパンの皮を生地に張り付けて、スケッパーで線を入れます。 肉まんの成形が終わり、セイロに並べます。 ピザのトッピング  ほうれん草のジェノベーゼソース パンが焼き上がります。 肉まんが蒸し上がります。 ピザが焼き上がって、八つに切ります。 できあがり! かずま君はお母さんといっしょにいただきま〜す。  かずま君はいわゆる「障がい児」です。すごい多動で、今日もお母さんは講師をやりながら、かずま君のことをいつも気にかけていました。そんなかずま君ですが、私たちにとってはとても大切な人です。なくてはならない存在です。それはちょっとおつきあいすればすぐにわかります。 pukapuka-pan.hatenablog.com  かずま君がいると、こんなふうにまわりの世界が豊かになります。    
  • 『やさしくなあに〜奈緒ちゃんと家族の35年』が上映されます。 
     3月25日(日)午後3時から大倉山ドキュメンタリー映画祭で『やさしくなあに〜奈緒ちゃんと家族の35年』が上映されます。                 o-kurayama.com isefilm-movie.jimdo.com  映画のプレスリリースに「2016年夏、毎年のように通い撮影し続けた奈緒ちゃんの誕生日。 撮影は34年目となり、奈緒ちゃんは43才になった。」とあって、その半月後に相模原事件が起こります。奈緒ちゃんのお母さん(映画の監督のお姉さんにあたります)は「奈緒ちゃんや、障害者を嫌っている人もたくさんいることを思い知らされた…。この事件は、一人の異常者が起こした事件、というだけでなく、生産しないものには生きる価値がない、という今の社会の本音が反映されたのではないかと思う」と悔しそうに語っていたそうです。  伊勢監督の気持ちにスイッチが入り、この映画制作がスタートします。  《 姪っ子の奈緒ちゃんだけでなく、「たくさんの奈緒ちゃん」が生きている、生きてきた、生きていく、ということを見てもらわねば…と。  姉に励ましのようなメールを送ると、姉から返信が来ました。「奈緒ちゃんが生まれたから、たくさんの人やものが生まれた。奈緒ちゃんが生きたから、たくさんの人やものが生きた。」  その通りだ! 》  奈緒ちゃんがいたからこそ、そこにたくさんの物語が生まれました。『奈緒ちゃん』『ピグレット』『ありがとう』はその物語を記録したすばらしい映画です。  奈緒ちゃんはたまたまですが、私が瀬谷養護学校の教員をやっているとき、高等部に在籍していました。天真爛漫な方で、そばにいるだけで幸せな気持ちになりました。奈緒ちゃんはそうやって、自分だけでなく、まわりの人みんなを幸せにしてきたんだと思います。「街の宝」「社会の宝」「家族の宝」です。    ぷかぷかさんがそうであるように、障がいのある人たちはみんなを幸せにしているのだと思います。そのことにこの映画は気づかせてくれます。  奈緒ちゃんのお父さんとお母さんがケンカすると、奈緒ちゃんは 「ケンカしちゃいけないよ。やさしくなあに…っていわなくちゃ。」 というそうです。映画のタイトル『やさしくなあに』はそこから来たそうです。
  • 明日の朝は「渋谷のラジオ」
    ぷかぷかのアートを企業に売り込む営業資料を作ってくれたサービスグラントのプロジェクトチームの方たちが3月20日(火)朝8時から「渋谷のラジオ」に出演します。   スマホで聞く場合はこちら  shiburadi.com   下記サイトでも公開されます。 note.mu  
  • 大人はもっともっと自由にならないと
     2月のもえぎ野パン教室で知り合ったこーちゃんが お母さん、お兄ちゃんといっしょに、ぷかぷかにお昼ごはんを食べに来ました。 ぷかぷかさんのお昼ごはんのランチ、おいしいおいしいと言って食べ、スタッフを喜ばせていました。    久しぶりに会ったこーちゃんですが、そばにいるだけで幸せな気持ちになります。こーちゃんの持つ雰囲気というか、こーちゃんの発するオーラというのか、心がなごむのです。  お母さんは、いろいろ大変なときもあったけど、こーちゃんのおかげで人生が楽しくなった気がしますっておっしゃってました。学校でお友達ができるか心配したこともありましたが、こーちゃんはそんなことお構いなく、どんどん新しい関係を広げ、あっという間に子ども達の中では大人気になりましたね。  大人たちは障がいのある子どもにどうつき合ったらいいんだろう、なんていってましたが、子ども達はいきなり友達になってしまってびっくりしました、とお母さん。  先日のもえぎ野のパン教室でも、お姉さんたちが何も言わないのにこーちゃんにいろいろ教えていました。 こーちゃんを見つめる目がやさしい    大人はいろいろ考えないとつきあえないみたいですが、子ども達は直感でつきあっていきます。いいものはいいっていうその感覚が、障がいがあるとかないとかいったものを超えていくのだと思います。  こーちゃんのそばにいて感じる安らぎ、楽しさを、子ども達は大人以上に感じているのではないかと思います。  大人はもっともっと自由にならないと、人生、損してるんじゃないかと思いました。あれこれ考えず、こーちゃんのそばにいて感じる安らぎを、ああ、いいなぁって思っておつきあいする。ただそれだけです。マニュアルのようなおつきあいの仕方なんて、こーちゃんには通用しない気がします。
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