〈障がいのあることがもはや「負」の価値とはならない社会〉がすでにぷかぷかのまわりにはできている
6月3日の朝日新聞「折々のことば」に奈良の福祉施設「たんぽぽの家」理事長の言葉が紹介されていました。 〈 障がいのあることがもはや「負」の価値とはならない社会のあり方をめざす。〉 〈 施設をサービスではなく、社会変革の拠点にしたい。 〉 ぷかぷかは「ぷかぷかさん達の魅力」でもっているようなもので、ぷかぷかさん達がいなければ、何のおもしろみもないただのパン屋であり、ただのお惣菜屋であり、ただの食堂であり、ただのアートスタジオです。 ぷかぷかのおもしろさはどこまでもぷかぷかさん達の魅力が作り出したものです。障がいのあることが「負」の価値どころか、こんなにおもしろいお店を作る大きなチカラになっているのです。 彼らの魅力は、今まで社会が見落としていた大きな価値だと思います。その価値を誰にも見えるようにし、大きなチカラとしてお店作りに生かしたのが、ぷかぷかの日々の活動でした。毎日の情報発信は、その新しい価値の発信そのものでした。 ぷかぷかのファンが増え続けているのも、その新しい価値にたくさんの人が気づいたからだと思います。 セノーさんはこうやって寝ながらファンを増やし、お客さんを増やしているのですが、この寝顔が作り出す雰囲気こそが新しい価値だと思います。 こういったことを考えると〈 障がいのあることがもはや「負」の価値とはならない社会 〉がすでにぷかぷかのまわりにはできていることになります。 それは同時に、障がいのあることを「負」の価値と見なしてきた社会の価値観を問い直すことになります。 セノーさんはこうやって寝てばかりいて、前にいた作業所で居場所を失いました。社会の価値観の中で居場所を失った、ということです。ぷかぷかでは寝ていてもファンが増え、お客さんが増えています。このことは何を意味しているのでしょう。 「ぷかぷかに来るとホッとする」というお客さんが多いのは、セノーさんがこうやって寝ていられる雰囲気があるからです。 セノーさんは寝ながら社会を問い直し、社会を豊かにしているのだと思います。 社会を変える拠点にぷかぷかはすでになっているのだと思います。