ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • いっしょに生きていくことで希望のある未来を作り出せる
     ぷかぷかの活動は、ひとことで言うと「ぷかぷかさんと一緒に生きていく」「一緒に仕事をしていく」ということで新しい未来を作っているのだと思います。希望の持てる未来です。  あれができないこれができない、社会のお荷物、生産性が悪い、といったマイナスイメージの多い障がいのある人たちですが、ぷかぷかは、そんな人たちとは、でも、一緒に生きていった方がいいよ、その方がトク!と言い続け、彼らと一緒に働き、そこから、今までにない新しいものをたくさん生み出しました。それは障がいのある人たちといっしょに作る新しい「文化」といっていいほどのものです。  ぷかぷかのお店に来て、ぷかぷかさんたちと出会い、「ぷかぷかさんて素敵!」とファンになった方がたくさんいます。ぷかぷかさんというのは要するに障がいのある人達です。ですから「ぷかぷかさんて素敵!」というのは言い換えれば「障がいのある人達って素敵!」ということです。  マイナスイメージの多い障がいのある人たちと一緒に、希望の持てる未来を作り出すなんて、なんだか、それだけで素敵じゃないかと思います。それはすごく大変なことではなく、何かやってあげる、とか、支援する、といった上から目線の関係ではなく、ただ、一緒に生きていくというフラットな関係を作るだけのことです。ただそれだけで希望の持てる未来を作り出すことができるのです。その気になれば、誰にでもできることです。  「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」は、相模原障害者殺傷事件を象徴する言葉ですが、なんとなくそう思う人がものすごく多い今の社会にあって、でも、その障がいのある人たちと一緒に生きていくと、希望が持てる未来を作り出せるんだよ、っていうことが言えるなら、これはすばらしいことだと思います。
  • 近くの創英大学で『Secret of Pukapuka』を上映
    先日近くの創英大学の障害児保育の授業で、『Secret of Pukapuka』を上映し、「ぷかぷか」についての話をしてきました。学生さん達、とてもいい受け止め方をしていたので紹介します。こういうの見ると、希望が湧いてきます。 ありのままの自分を出せる   ・ぷかぷかさんの映像でみんなで楽しそうに料理をしたり劇を行っていました。その映像では誰がぷかぷかさんなのか、誰がお手伝いの人なのか区別がつきませんでした。それは恐らく、障害のある方もない方も自分をさらけ出して一緒になって楽しんでいたからだと思いました。例えば障害者の方が一人でダンスを踊っていたら我々は線を引いて遠くで冷たい目線を送る。このような図は場面は違えど街中でもあると思います。しかし実は自分をさらけだして一緒に楽しんだ方が自分たちの人生も楽しくなるのかもと思いました。次回以降の交流では私も心から楽しんでいきたいです。 ・パンツの物語の時、私だったら一緒に横になるという発想がなく、一緒に横になる事でその人を知ることができたということに感動しました。  (養護学校で働いているとき、10分おきくらいにお漏らしをする子がいて、その子とのおつきあいのはなしをしました) ・私たちが思いつかないような新しい発想が生まれるということに共感した。 ・「障害を持つ人たちの考えることは普通じゃ思いつかないことも簡単に思いつく」ことにとても共感した。前に関わったことのある人でそういう人がいたからほんとにすごいなと思った。退職金を奥さんに全く相談しないで使っちゃったのはちょっとどうして?とは思いました笑 ・海のぬいぐるみを作るというお話で、私も自分では絶対に思い付かないようなことを思いつき、実行することがとても尊敬できるなと思いました。また、お金を使ってでも一緒にいたいと言えるまでその個性が好きになれることが素敵だと感じました。 ・障がいを持っている彼らには、私たちにはない才能や発想がある。実際に関わると見え方や感じ方が変わってくる。「上手くいかないことも困ることもある」というのが、まさに人間関係、人生だなと思った。 ・個性が豊かなのにそれが発揮できないことが自分もあったため、その辛い気持ちが凄く伝わってくる。 ・ぷかぷかさんと交流すると心が暖かくなる。私も障害がある方と話した時に元気が良くて挨拶もお礼もできて交流すると心が温まりました。1 年生の時の学園祭の時にもぷかぷかさんがたくさんお話をしてくれて心が温まり感動をしたことを覚えています。 ・強い個性や底なしの明るさ気ままさから光を感じました。もし、障がいを持つ方が急に居なくなったら社会は今よりも暗く重い雰囲気になると思います。まだ自身に実感はないけど障がいを持つ方に助けられている方々は多く居ると思いました。 ・障がい者の方といると毎日が楽しいという部分に共感した。電車やバスで見かけると色んな話を仲間としていて聞いていてクスッと笑うエピソードがたくさんあった記憶がある。だから、私たちの日常にないようなことが起きるのは障がい者の方といるからで、一緒にいると得をするというお話を聞いた時は「確かにな」と思った 指導や支援ではなく一緒に過ごす ・いい一日にする事やその人らしさを大切にする事はとても共感できました。指導するよりも一緒に生きる事はとても考えさせられました。 ・まだ障がい者の方と深く関わったことがないから分からないことが多いけれど、障がい者の方はとても素直で温かい心を持っていると思うから、一緒に生きて行くとトクという言葉に対して、確かにと感じました。また、退職金を全て注ぎ込んでまでぷかぷかを始めた理由として障がいを持った彼らに「惚れたから」というのも映像を見たり話を聞いたりしただけでもわかるような気がしました。接客にマニュアルがなかったり、障がい者だからと特別扱いや支援してあげようなど上から目線の気持ちがなかったりは、本当に障がい者の方のことを想って、ともに生きていくという気持ちがあるからこそそう思うんだろうなと思いました。 ・障がいもひとつの大きな個性であることという言葉がとても印象に残っていて「できないことを見るのではなく、その人の持っている魅力や得意なことを見つけていく」という考え方にも心を動かされました。一人ひとりの個性を大切にし、できないことよりもその人の「いいところ」に目を向けたいと思いました。 ・知的障害や発達障害を持つ子どもたちが通う施設でバイトしたことがあるけど、大変だと思うことの方が多かったけど、一緒に過ごしていて楽しいと感じる場面もあったから害の人と一緒に生きていくと得ということも一理あるのかなと感じました。 ・私には2ヶ月になるダウン症の姪っ子ちゃんがいます。こんな偏見のある社会にこの子が行き、傷つつことをとても怖く感じていました。ですが、この映画を通して「この社会の未来も明るいのかもしれない」と感じることができました。本当にいい機会をありがとうございます。 ・「障害者はいない方が良いのか?」について私は“障害者”に対していい印象を持っていなかったと共に、怖いとも思ったことがありました。普通に考えて、健常者でも障害者でも知らない人から話しかけられるのは怖いです。障害者は特にどこを見てるのか分からない状態で話しかけてきたり、障害者の考えてることが予想できなくて分からないから尚更怖い。そう思ってしまうことはおかしいとは思っていません。でも、それで差別したり、いない方がいいと考えることはおかしいと思います。どんな人間でも“死んでいい人間”はどこにもいないです。関わってみればほんとにいい人たちばかりだし、その人たちに救われた人も少なからずいると思います。なので、社会に障害をもつ方々は不可欠だと思いました。 ・ぷかぷかさんのイメージは、最初は正直怖いと思ってました。でも動画を見て印象が変わりました。どの方もとても笑顔で優しくて温かい雰囲気があるなと感じました。エピソードで運転手にありがとうございましたと言っていた。という話をきいて、言葉をすごく大切にしているのだと思いました。 ・自分は今まで、障がいを持っている方と深く関わったことがないので怖いという印象しか無かったが、今日の映像やお話を聞いていると障がいをもっている方と関わることで新しい気づきが沢山あるということを知れた。自分の退職金を全額使う程、障がいを持っている方と一緒にいたい、一緒になにかをしたいという強い気持ちがすごいなとおもった。実際付き合ってみて、どう思うか次第ですが、来週からが楽しみです。 ・授業内でも言いましたが、正直障害者への偏見というものは、結構持っていました。多分未だに僕の中には偏見があると思います。でも、映像を見て、とても楽しそうに笑う人たちを見てたら、僕ら健常者と呼ばれる人達と何が違うのだろう。と思いました。むしろ、僕らよりも無邪気に楽しそうに笑うぷかぷかさんを見ていると、高崎さんの言っていることに共感が出来そうな気がしています。 ・生きることは、くしゃみをすること、ソフトクリームを食べること、今ここにいることと動画で言っていたことがとても心にひびきました。高崎理事長が自分のお金をぷかぷかさんに 2000 万円使ったということに驚きました。自分がやりたいことでもいざその場面になったら、自分のお金を使おうとは思わないかもしれないから本当に愛がすごいなと思いました。自分が思いつかない発想をしていた→負けた→障害者がいることで社会が豊かになる。突発的な発想があった方が楽しく、似たような社会はつまらない。だから障害者はいた方がいいという考えが確かにそうだなと思いました。 ・障がい者は、そのままにしておいたら良さが見えてこないけど、ぷかぷかとかそういう良い環境にいることで良さが見えてくるから、大切なのは環境なんだなと思った。
  • アラウンドフィルムズ国際映画祭に入選
     映画『そういうわけで』がアラウンドフィルムズ国際映画祭(ARFF)という映画祭の パリの月間選考にて、入選したというお知らせが届きました。  「入選作品リストの記載では「ベストドキュメンタリー」とあるので、こちらの映画祭のパリ選考での、ドキュメンタリー部門で、月間1位ということだと思います。」と制作者の内田さん。  6行目にBEST DOCUMENTARY:We Love Theater-Hanae Uchida(JP)とあります。 こりゃパリまで出かけなきゃイカンかな、なんて思ったり…  
  • 港北区で『そういうわけで』上映会とワークショップ
    先日港北区で『そういうわけで』上映会とワークショップやってきました。若干会場が狭く、少し窮屈な感じでしたが、みなさん、楽しめたようです。 参加した人達の感想 ●映画について *参加者のみなさんの体と心が開かれていく様子が描かれていて、観ている私も心がほぐれました。お尻は少し痛かったです。(お尻の皮がやせてきましたー年のせい) *いろんな人たちが演劇をとおして自分を表現する姿が興味深かったです。障害のある人がいっしょに居ることで、そうでない時よりもちがったより深みのある世界になることを感じさせてくれました。 *作る過程が、参加者みなさんのアイディアをどんどん取り入れていて、とても素敵でした。 *ひとりひとりが生き生きしていて、キラキラ輝いているのが印象的でした。 *たのしそうでよかったです。 *みんなが楽しそうに自己表現している姿がすてきでした。せりふはなくても身体で気持ちは出せるのですね。思わず体が動いてしまう、じっとしていられない、そんあ体験は障害のあるなしにかかわらず、誰もがやりたいと思っていることかなと思いました。 *お互い知らない同士(ママ)の方々が演劇を通じてわかりあえて、ひとつの舞台が出来上がってゆくプロセスは本当感動的です。一期一会、皆さんの夢や希望が詰まった演劇ワークショップ楽しませていただきました。 *とてもほのぼのとした良い映画でした。どんどん参加者の成長していく様子に感心しました。皆さん本当に楽しそうでした。 *「ぷかぷかをみて考えよう共に生きること」を見に行きました。たのしかったです。 ●ワークショップについて *そらさんが始まる前の「ワークショップ!ワークショップ!」と飛び跳ねていて床がゆれてワクワク感が高まりました。ワクワクワークショップでした。自分が声を出した「夢をして」のところ。 *こういうことは気はずかしくにが手なのですが、少しずつ平気になっていきました。楽しい経験でした。いろいろな準備、しかけ、ありがとうございました。 *色んな年齢、背景の方々と一緒に楽しくすごしました。 *体を動かし仲間と一緒に考えること楽しかったです。ただひざが悪いので立ったり座ったりが下手でした。 *たのしかったです。 *たのしかったです。 *学生の頃、演劇部だったのを思い出しました。ありがとうございました。 *楽しいワークショップでした。皆で声を出し動き皆でたのしく出来るのはとても良かったです。皆笑顔で楽しそうでした。 *ダンスをおどりました。一言を読みました。大きな声をさわがないでこんどから気をつけましょう。たくさんよく見て読みました。たのしかったです。トイレがまんします。この次今年もがんばります。 *子どもも楽しめていましたね。私もたのしかったです。 ●そのほか *不安定になったスダさんの仲間のイトウさんとアオキさんの困り感と優しい気持を聞かせてもらいました。思いやる関係があるのは幸せ ですね。 *ドキュメンタリーぷかぷか上映会記録集高崎明氏によるトークイベント上映後にみんなで懇談会を見に行きました。おもしろかったです。 *いろいろ人との交流をこどもにもしてほしくて、つれてきましたが、大きな声にこわがってしまい、もっと何回も回をかさねて、人とちがうことを、楽しんでもらえたらいいなあと思いました。
  • ヨーロッパ映画祭、スペイン映画祭でファイナリストとしてノミネート
    映画『そういうわけで』がヨーロッパ映画祭、スペイン映画祭でファイナリストとしてノミネートされました。どうしてなのかは審査員に聞いてみないとなんともわからないのですが、カナダのバンクーバーで開かれた世界自閉症フェスティバルでぷかぷかの映画を上映したときは、障がいのある人達といっしょに生きると社会が豊かになるとか、彼らは社会を耕している、という言葉がとても新鮮に受け止められたようでした。  やはり世界中どこに行っても、障がいのある人達との関係は、「何かやってあげる」「支援する」という関係が多いのだろうと思います。だからこそ、彼らは社会を耕しているとか豊かにしている、というメッセージが新鮮に受け止められたのだろうと思います。  そういう言葉は、彼らといっしょにお店をやったり、演劇ワークショップをやったり、というクリエイティブな関係で活動する中で生まれました。何よりも大事なことはフラットに彼らと向き合うということです。    「支援する」という上から目線では「彼らといっしょに生きると社会が豊かになる」とか、「彼らは社会を耕している」といった前向きの言葉は出てきません。素敵なものを彼らはいっぱい持っているのにもったいないです。  その素敵なものを見えにくくするのが「支援」という上から目線の関係だろうと思います。にもかかわらず福祉の世界では「支援する」という関係がほとんどです。これではそこから「新しいものが生まれる」とか「豊かなものが生まれる」といったことは期待できません。  彼らといっしょに生きること=演劇を作ることで生まれた「新しいもの」「豊かなもの」を映像として記録したのが『そういうわけで』という映画です。彼らとフラットな関係で芝居を作るととんでもなく面白いもの、豊かなものができる、ということが映像という形でストレートに伝わったのだと思います。  『そういうわけで』の予告編はこちら    あちこちで自主上映がおこなわれています。あなたのところでもぜひ!  映画祭の発表を楽しみにしています。このわくわく感が生まれるのも、いっしょに生きてこそです。
  • 映画『そういうわけで』がヨーロッパ映画祭、スペイン映画祭でファイナリストとしてノミネートされた理由
    映画『そういうわけで』がヨーロッパ映画祭、スペイン映画祭でファイナリストとしてノミネートされています。どうしてノミネートされたのかは現地に行かないとわからないのですが、2017年カナダのバンクーバーで開かれた世界自閉症フェスティバルでぷかぷかの映画『Secret of Pukapuka』を上映したときの反応を見ると、おおよそのことが想像できます。ああ、こんな風に受け止めてくれたんだなって。 www.pukapuka.or.jp    障がいのある人たちといっしょに生きると社会が豊かになるというメッセージをとても新鮮に受け止めてくれています。社会はこういうところから変わっていくのだと思います。 映画の製作した人達の感想です。 www.pukapuka.or.jp
  • 石川県で『Secret of pukapuka』と『そういうわけで』の上映会
    先日石川県で『Secret of pukapuka』と『そういうわけで』の上映会をやってきました。その時の様子です。 10/8 とくべつ紅茶で、横浜のパン屋さん「ぷかぷか」のドキュメンタリー上映会。どちらも30分前後の短編で2本立て。ぷかぷかを始めた高崎朗さんも横浜からきてくださり、13人+1人で見て、その後トーク。   「ぷかぷかの秘密」は、2017年にバンクーバーで世界自閉症の大会があった時、そこで見てもらうためにつくった5分映像が元になってる。カナダに行く直前に起きた相模原事件。容疑者が、障害者はいない方がいい、と言ったもんだから急遽、「そうじゃない、一緒に生きていった方がいいよ」そう言いたくてつくったものだった、と高崎さん。 それに後から新たな映像を足したのが「ぷかぷかの秘密」。パン屋ぷかぷかさんの日常、街の人たちとの関わり、ぷかぷかさんが街の人たちを耕していく様子、そして谷川俊太郎さんの詩「生きる」を題材に、ぷかぷかめんばーさんたちとパン屋のお客さんや街の人たちとが、一緒になってワークショップして演劇を作ってく様子、その本番が描かれてる。  「ぷかぷかの秘密」を見た後、印象的だった単語をいくつでも折り紙に書いてね、と皆さんにお願いして、書いた言葉を読み上げてもらった。 一緒にいると心ぽかぽか・ごちゃ混ぜ・よく笑うねー・強い個性・この子にみなが慣れてくれる・この子は生まれてきてよかったんだ・こうしないとと思ってたことがひっくり返る・どう思われちゃうんだろうからの自由・スイッチの切り替え・飛んでる気持ち・悪意を注意深く避ける・ぷかぷかさんは不満に感染しにくい・辻さんの計算はパフォーマンス(笑)・同じ目線・規範にとらわれない・街を歩いて耕す・ゆっくり社会が変わっていく などなど。 高崎さん、障がいのある子たちに惚れ込んでずっと一緒に生きていきたい、と養護学校を退職した後、ぷかぷかを始めた。 ーーこんな感じでぷかぷかさんやってます。排除でなく、ぷかぷかさんが好きって人たちが現れたのは奇跡に近いこと。ファンが多い、きた人たちがぷかぷかさんを好きになっちゃう。  ぷかぷか始めた頃は接客について学ばなきゃ、ってマニュアル通りやってみたけど、気色悪かった、普段の自分押し殺してて。そこで、リスクはあるけども彼らに任せようってなった。  上から目線じゃなく、”支援”じゃなく、フラットな関係でいると、とんでもなく面白いものが出てくる。演劇ワークショップでもね。予定通りにいかないけど、直前まで決まらなくてハラハラも多いけど。  「森は生きている」の演劇ワークした時、劇中にわがままな人が登場するんだけど、その人のことどうしようねって話し合った。そしたらそういう人とも生きていこうよ、って結論になった。     2本目の「そういうわけで」はレオ・レオニの「フレデリック」を元に、皆で劇をつくっていくワークショップと舞台本番の様子が収められた作品。折り紙に書かれた、単語な感想はーー 自分のポーズで自己紹介・耳と尻尾をつけたとたんにネズミになる・風使いがいるという噂・風とともだちになる・でもぼくらはバラを植えよう・演劇なんてできないよ、したことないよ、って言ってた人が・色々な表現・演劇は心の中を広くする・表現は人と人をつなげる・一人ひとりみんなが必要・「僕も君もそこに住むノネズミもけっきょくそっくりなんだから」・物差しは意味を持ちません・ここに居れるだけでいいんだ、寝てる人がいてもそのまんま・力抜けた などなど。 アフタートークでは、お店してる人の、嬉しいや苦労やジレンマや、我が子のこれからの行き先への不安や、障がい持ってる人をはじめは怖いと思っちゃう分断や、役に立つことを求めてくる今の社会の空気や。 ぷかぷか始めた時に苦情もあったけど、それがどんなふうに変わって行ったのか、って質問に、高崎さん ーーメッセージいっぱい出すこと、面白いこと、楽しいこといっぱい出していく、一緒に生きてったら得だよ、って書き続ける。あ〜〜そうだね、ってなってけばいい。 障害のある子どもたちがいやすい場所、なかったら自分たちでつくっちゃえばいい。人生の試練で大変だけど、みんな苦労してるから人は集まると思うよ、呼びかけてみれば。 参加してた人のこんな言葉も印象的だったな。 ーー自分も耕してると思う、歩いてるだけで。障害あるなし関係なく、誰かを特別にすることなく。みんなそれに無自覚だけども、本当は耕してる、って私は思う。 高崎明さんが書かれた本「ぷかぷかな物語」。写真もいっぱい、どんなふうにぷかぷかを作って行ったのか、詳しく書かれてる。     写真は、高崎さんが七尾線に乗る直前、残ってた人たちとの一枚。  あなたのところでもぜひ上映会やってみて下さい。新しい気づきがいっぱいあります。新しい友達がいっぱいできます。  あ、おもしろそう、私のところでもやってみようかなって思われたら高崎まで連絡ください。  メールアドレスは  takasaki@pukapuka.or.jp   もっと知りたい方はぷかぷかさんのサイトで見てみてね。 www.pukapuka.or.jp
  • 尾張一宮でワークショップ
    愛知県の尾張一宮で簡単な演劇ワークショップやってきました。 その感想です。 初めての人と接することが難しい子どもたちが、ワークショップに参加した。 スタッフがつかないグループの中でも、一緒に過ごすことができた。 普段は表現が難しい彼らが、ワークショップの場を通して自分を表現する姿を見せてくれた。 興味のない映画だったかもしれないが、最初から最後まで離席することなく鑑賞できていたことに非常に驚いた。 今回は、スタッフ側にとっても彼らを通じて新しい発見があり、これまでの支援のあり方を見直す良い機会となった。 スタッフの中には「これは何の意味があるのか」と疑問を持つ者もいた。 その様子を見て、子どもたちよりもスタッフの方が柔軟性がないのではないかと感じたワークショップだった。 1.利用者保護者 とても楽しいワークショップでした。 身体を動かしている時は、年齢、性別、障害があるか?無いかなんて関係無く、皆んなと一緒で楽しい、でした。 今後も、ぷかぷかさん色々な活動をして欲しいと思いました。 2.スタッフA 意見や考えを出し合うことで収束するのではなく、それを身体で表現することがワークショップで一貫していたので、恥ずかしかったり意気地や元気がなくなったりしてもわりと参加的になれるのがよかった。 その人がそこにありのままにいるだけで、表現者であるという、哲学があった。 3.スタッフB 大変楽しく参加させていただき、ありがとうございました。 今回、いつもとは違う交流の中で、参加者の性格や障害について詳しく知らないからこそ、新たな一面が引き出されることがあると感じました。 例えば、支援者が「彼は大人しい」という思い込みを持っていると、そのまま「大人しい人」として関わってしまいがちです。 しかし、思い込みがない支援者であれば「あれをやってみよう」「これも試そう」と、守りに入らず提案できます。 今回の演劇ワークショップは、そうした“思い込みの殻”を壊す力があると実感しました。 また、私は今回、車椅子の利用者さんの介助を担当しましたが、彼女ができる範囲で参加できるように工夫したいと考えていました。 そのため、特別な配慮が必要な方がいる場合は、事前に打ち合わせをしておくとよりスムーズだったと感じました。 そして何よりも、今回のように「正解がない」「正解を求められない」自由な場は、教育の現場にも必要だと強く感じました。 4.利用者A 楽しかったです。体を使って表現する機会は中々なかったので、皆アイデアが様々で、頭の中は皆違うんだなと新しい発見になりました。 5.スタッフC まずアイスブレイクでゲームを楽しんで,それからあらたにグループを作ってそのなかでお題をこなしていくのがとても刺激的でよかった! 同じ仲間や支援者では新しい発見が見つかりにくいが、知らない相手というだけですべての条件がリセットされて共にお題に取り組む同志のようになる。それが徐々に楽しくなり、普通になる。助けたり助けられたりみんな一緒! ぷかぷかさん、ありがとうございました。気づきがたくさんありました。 6.利用者保護者 先日は、親子で演劇ワークショップに参加させて頂き、ありがとうございました。 初めての体験でしたが、とても楽しかったです。なかなか思っている事を、身体で表現するのって、恥ずかしいし、難しいし・・・ でも、そこを、子ども達は素直に、純粋に、思ったまま表現し、それを全て受け入れてくれる先生や支援者さんの姿に、とても癒されました。 大変貴重な経験となりました。 ありがとうございました。 7.利用者B 車いすで唯一の参加でしたので、他にも自分と似た方がいるといいと思った。 ワークショップのグループのメンバーがかわるのが、おもしろそうだが自分としては少し不安だなと感じた。 動きのあるなかに、私のようなメンバーがはいると困るかななどを考えてしまい,観覧ばかりでなかなか参加するまでに至らなかった。 ・楽しかった ・悪ものウサギを退治したことと、飛んだのがたのしかった。 立ち幅跳びもおもしろかった ・ジャンプした。ウサギ~ ・ライオンやった ・しっぽ ・ライオン、ジャンプ 大きい声をだしたこと。ヒカルさんと同じチームだった。 ・しっぽ取のとき、前の小学生たちが早くて、こわかった。 ・すぐに輪に入れる人、全然入れずに、壁に引っ付いている人、輪に入って積極的に演劇に参加できる人・・いろいろで、この人が???という意外な展開もあり面白かったです。 何かのきっかけで、気持ちが下がってしまったり、盛り上がることができたり・・何がきっかけになるかわからないところも面白いです。 ほかの施設の人とも、すっと打ち解け、一緒に共同してやっていく力もつく コミュニケーションを取ながらやれる演劇の魅力を改めて感じることができました。 やり方も、いろいろ勉強できました ・様々な人と一緒に演劇を行うことで、すぐに参加できる人も入れば、なかなか輪に入ること人もいました。それでもその方一面として大切な面だと思いました。 その時の感情を表現する難しさを感じつつも、表に出た感情を肯定し表現として捉えながら、一瞬で輝ける場面を持てるのがとても面白いと思いました。 職員A:普段作業所の活動では、「お仕事・作業」という時間がほとんどのため、「演劇」という表現活動との大きな違いを感じた。表現活動は、「自分を出せる、自分の個性を出せる」ものなんだ、と映画をみて感じた。今後、10月にある福祉会のお祭りのステージ発表に向けて練習が始まるが、これがまさに「表現活動」として、個性を炸裂させられる場として生かせられるといいと思った。 職員B:色んなタイプの人たちがいたが、みんなでお互いを分かり合おうと努力をしている、その意識が素晴らしいと思った。ボランティアさんも、その人と関わる方法を考えて、関わる事で知っていく過程がよく映し出されていた。 職員C:一人一人の個性をうまく引き出されていて、そこが素晴らしいと思った。それなのに団結にもつながっていっており、すごいなぁ、と思った。 午後のワークショップ ・6名のなかまの方たちは、総合すると平均年齢40代の方たちです(最年長は60代)が、知的年齢は小学生くらいの方たちです。純粋な「遊び」という感覚でとても楽しんでいるように見えました。普段なかなか、あのような活動はないので、見ていて発見の多い機会でした。特に、普段あまり関わる事がないお子さんたちが多かった事も、純粋な感覚につながった様で、とても良い環境だったと思います。 ・6名のなかまの方たちは、想像したり、話し合ったりということは難しい方たちです。何をしたら良いか?戸惑いの様子も見受けられましたが、同じグループとして表現が始まると一緒に参加しており、他の方たちの存在があってはじめて楽しめる中身だと感じました。参加し、体験することが出来たことが、何らかの解放につながりそうだな、と見ていて思いました。そういった要素をもつものが、音楽、造形、ダンスなどの表現活動なのだな、ということを改めて感じました。 ☆ご利用者の感想☆ ・お題になったものをイメージしながらチームで相談した ・楽しかった ・最後まで恥ずかしかったけど楽しかった ・ライオンが怖かった ・発表は緊張した ・「キック キック トントン キック トントン野原のまんじゅうはポッポッポ 酔ってゴンべさが30個食べた」確か宮沢賢治の「雪わたり」だと記憶があるので「キック キック トントン」もやりたかった。シアターゲームはこれまでに何回か経験がありますが今までで一番人数が多くて良かったです。 ☆スタッフの感想☆ 小学生の時にやった創作ダンスや学芸会でくらいしか表現や演劇というものに関わったことがなく未知の世界でしたがワークショップでは子どもたちも多く想像力が豊かで元気もあってこちらが引っ張ってもらう感じでした。 モーヤーコのご利用者は中に溶け込めない方もいましたが緊張しながらも初対面の方々と「チーム」になって発表している姿を見て感心しました。 ぷかぷかさんの映画を観て年齢もバラバラ障害の有無も関係なく1つのものを作り上げることにみんなが魅了されていっている様子が伝わってきました。 自分たちの意見が反映されたりそれがお客さんんにウケたり直接的に実感できることは素晴らしいことだな~と感じました。 ●●● 感想の中に 「その人がそこにありのままにいるだけで、表現者であるという、哲学があった。」 というのがありました。すごいなぁ、と思いました。私は、その人がそこにいる、そのことに意味がある、といってきたのですが、それを表現者である、と語るところがすごいなと思いました。そんな風に障がいのある人達のことも受け止めることができたら、社会はそこから変わっていきます。
  • アハーン
     ムンバイを舞台にしたインドの映画『アハーン』を見てきました。ダウン症の青年『アハーン』が主人公の、あたたかくで、なんとも楽しい映画です。  アハーンは25歳。仕事がしたい、家がほしい、家庭を持って、子どもは男の子と女の子の二人…と誰もが持っているいろんな思い、夢が心の中を渦巻いています。でも、親御さんも含め、誰も本気でいっしょに考えてくれません。障がいのある人の置かれている状況は日本もインドもそれほど変わらないんだなと思いました。  それでもアハーンのまわりには、ホッとするようなあたたかい雰囲気があって、人が自然に集まってきます。彼はあるがままの自分を生きています。彼には悪意がありません。やっぱりこういう人は街にいた方がいい、とあらためて思いました。    アハーンのような人がいると、街が明るくなります。楽しくなります。なんだかホッとできます。こういう人は街の宝です。  お母さんの作ってくれたお菓子を配達に行ったことがきっかけで、オジーという極端な潔癖症(強迫神経症)のおっさんと知り合いになります。下の写真のような顔をしていて、なんともとっつきにくい感じなのですが、このオジーがアハーンと知り合うことで、少しずつ変わっていきます。ここがこの映画の見所になっています。  アハーンがオジーの家に配達に行った際、奥さんの作ってくれたビリアーニ(南アジアの炊き込みごはん)をごちそうになり、その時うっかりソファの上にこぼします。オジーは猛烈に怒り、掃除機で掃除し、もう絶対に家に入れるなと怒鳴ります。あらゆる場面でオジーはうるさく小言を言い、うんざりした奥さんはついに家を出て実家に帰ってしまいます。  オジーは潔癖症故に、ほとんど家から出なかったのですが、家から出て行った奥さんに会いたくて、アハーンを車に乗せて会いに行きます。まわりの人を思いやる、ということがないのか、車に乗ってもやたらクラクションを鳴らします。大きな荷車が車の前を塞ぎます。クラクションを鳴らしても一向に動きません。その時アハーンが車から降りて荷車を押します。荷車はゆっくり動いていきます。車に戻ったアハーンが「問題解決」とぼそんと言います。オジーは返す言葉もありません。  オジーは自分の潔癖症を改善しようと精神科を受診し、医者と一緒に街に出かけ、様々な実践をします。下剤を飲まされ、今まで絶対に行かなかった公衆トイレに入ったりするのですが、その時のオジーの演技、表情がなんともおかしい。ゴミだらけの海岸を裸足で歩いたりもします。でも、そんなことで潔癖性は改善しません。  オジーが変わったのは、やはりアハーンと知り合ったことです。オジーの様々なこだわりが、アハーンとのおつきあいの中で、少しずつゆるんでいったのだと思います。人間が変わること、それは社会が変わること。アハーンと出会って、オジーが変わったということは、彼らのまわりの社会が、少しだけですが変わったということだと思います。  アハーンは何も言いません。でも、彼のまわりの社会は、彼がいることで少しずつですが、お互いが生きやすい方向へ変わっていきます。オジーも、生きることが少し楽になったのではないかと思います。奥さんとの仲も元に戻ったようでした。  アハーンが言います。  「自分の人生を生きたい」   ふだん、黙っていても、そんな思いは誰にでもあります。そんな思いを丁寧に聞いていきたいと思うのです。 ★新宿シネマカリテで上映中
  • あなたがいないと困る
    9月16日のブログの最後に 『障がいのある人達に向かって「あなたがいないと困る」って言える関係』 がワークショップの中でできたことを書きました。 www.pukapuka.or.jp  「あなたがいないと困る」と言えるくらい濃厚な人間関係、一緒に新しいものを創り出すようなクリエイティブな関係がそこにはあったということです。  一緒にワークショップをやることで、とんでもなく面白いものが生まれました。私たちだけでは絶対にできないものが、生まれました。彼らがいてこそ生まれたもの、それは新しい「文化」といっていいと思います。私たちの社会を豊かにする文化です。だからこそ、彼らとはいっしょに生きていった方がいいと私は思うのです。  第8期演劇ワークショップではレオ・レオニー作『フレデリック』を手がかりに芝居を作りました。  このときの記録映画が、ヨーロッパ映画祭の最終選考に残ったという連絡が入りました。これも、いっしょに生きることで生まれたものが評価されたからだと思います。12月4日にオーストリアのグラーツで授賞式があります。どうなるか、すごく楽しみです。  福祉の業界でいわれる「支援」という関係では、障がいのある人に向かって「あなたがいないと困る」なんて、多分言いません。なぜか。相手とそういう濃厚なおつきあいをしていないからです。淋しいというか、もったいないですね。一緒に生きると、こんなに素敵なものが生まれるのに…
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