映画『大好き』の伊勢監督が「カントクのつぶやき」に
奈緒ちゃんは
「優生保護法」がいうように
「不良な子孫」だろうか…
「相模原事件の犯人」が言うように
「役に立たない人間」だろうか…
とつぶやいています。障がいのある人達の置かれている状況の核心を突くつぶやきだと思いました。
『僕とオトウト』の壮真くんは重度の障がいを持っています。私は映画見てるので、彼のことを「不良な子孫」だとか「役に立たない人間」とは思いません。でも映画見ていないと、「重度障害者」というだけで、「役に立たない人間」と思う人は結構いるかもしれません。そういう人たちにどんな言葉を届ければいいんだろうと思います。それが上映会のテーマのひとつ。
ほんとうは壮真くんを連れてきて、会場を走り回ってもらうとおもしろいなと思います。「きゃ〜、そーまく〜ん」なんて声で埋まればいいのですが、どうしていいかわからない人が結構続出するような気がします。
「どうしていいかわからない」という緊張感あふれる場面こそ、新しい気づきがあります。そうか、壮真くんてこういう人だったんだ、という大切な気づき。
昔養護学校の教員になった頃、毎日のように「どうしていいかわからない」場面に直面し、
「ヒャ〜、どうしよう、どうしよう」
と、オロオロするばかりでした。オロオロ、というのは人間がむき出しになる状態で、そういった状態だったからこそ、人として彼等と出会えた気がしています。オロオロしたからこそ、重度障がいの子どもたちに出会えた。
壮真くんは残念ながら上映会には来ません、でも映画にはいっぱい登場します。壮真くんが自分に迫ってきた感じで映画を見ましょう。さぁ、どうする?って。
8月31日午後1時半から上映会やります。緑公会堂です。横浜線中山駅から徒歩5分