8月31日(土)緑公会堂で午後1時半から映画『僕とオトウト』を上映します。重度障がいのオトウトを兄がカメラを通して理解しようとした映画。
短い1分半ほどのプロモーションビデオ見ただけで、このオトウトさん、私はいっぺんに好きになりました。色々面倒なことは起こります。腹の立つこともあります。それでもこういう人は憎めないし、憎めないどころか、こういう人は社会にいた方がいいよな、と思うのです。
養護学校の教員をやっていた頃、寄宿舎にリョウちゃんという子がいました。『僕とオトウト』のオトウトくんとなんとなく風貌が似ていました。何かと手のかかる人で、食事したあとも、散らかった食事の後始末がすごい大変でした。ある日夕食に魚が出て、リョウちゃん骨が喉に刺さらないかとそばでハラハラしながら見守っていました。ところがリョウちゃん、ハラハラさせるような食べ方ではあったのですが、それでも器用に骨を避け、おいしそうに完食。リョウちゃん、なかなかやるじゃん!なんて思いました。
そばで見てるとハラハラするくらいめちゃくちゃな感じなのですが、それでいて、本人は思いのほかしっかりしていて、自分の思い込みを反省したものでした。
障がいのある人たちとおつきあいするとき、やっぱり私たちの中にある思い込みが、相手のことを見えなくしています。すごくもったいないです。そういう思い込みから自由になるとき、見える世界がもっともっと広がります。障がいのある人達との新たな出会いといっていいくらいです。
リョウちゃんは学校の行き帰りも、独特のパフォーマンスをやりながら通学していました。たまたま駅の跨線橋でパフォーマンスをやっているリョウちゃんを撮った写真を『街角のパフォーマンス』に載せています。街の人は突然のパフォーマンスにびっくりしたのではないかと思います。でも、その「びっくり」も人と出会う大事な機会。リョウちゃんは毎日やってるので、何度かびっくりするうち、だんだんリョウちゃんの楽しさがわかってきます。「あっ、今日もやってるね」とにんまりしながら見られるようになります。
リョウちゃんは、こうやって毎日街を耕していたんだなと思います。
『僕とオトウト』のオトウトくんも、色々面倒なこと引き起こしながらお兄さんの心を耕しているんじゃないかと思います。それが映画になった。
監督の高木さんには講演をお願いしています。どんなお話が聞けるのか楽しみです。
上映に関するお問い合わせは高崎まで(090-5492-7354、takasaki@pukapuka.or.jp)
入場料は800円です。