先日、福祉事業所で働く方がぷかぷかの見学にきて、こんな感想を書いていました。
「工賃向上に重点をおいていないところにまず驚いた。工賃向上支援員になってからは利用者の工賃を上げることばかり考えていたが、ぷかぷかさんはとにかく利用者本位で、その人らしさを大事にしていた。自分たちもそうしたいが、やはり工賃向上は目指さなければならず、そこの折り合いをどうつけなければならないか、難しいと感じた。」
工賃、つまり給料は少ないよりは多い方がいいとは思います。でも「多くなった給料で何を買い、何を実現するか」「そのことは自分の幸せにつながるのか。」といった問いこそ大事だと思うのです。でも、そういったことはどうもはっきりないというか、後回しのようです。
ぷかぷかが始まった当初、「工賃向上」なんて言葉に初めて出会い(確か障害支援課あたりからの要請)、福祉事業所はそういうものを目指さないといけないんだと思い、結構頑張ったこともありました。でも、どう頑張ってもパンの売り上げなんてたかが知れています。
その頃経営上のアドバイスを色々いただいた経営アドバイザーの方と二人して朝6時からパン屋に入り、たまたま入った大量注文をさばいたことがあります。でも、終わったあと、あれだけ頑張って売り上げはたったこれだけ、と二人してがっかりしたことがあります。
こんなところに力を入れるよりも、ぷかぷかさん達が充実した日々を過ごすこと、お互い「いい一日だったね」って言い合えるような日々を創り出すこと、それが大事じゃないか、ってその時気がつきました。それが今のぷかぷかの雰囲気を作っています。