横浜文化賞文化・芸術奨励賞を受賞することになったことについて、知り合いからこんなコメントいただきました。
《「福祉」という枠の中での「ご褒美」としての表彰ではなく、「文化・芸術」として評価された、というのが、何よりも素晴らしいです。》
今回の受賞の本質を表現している気がします。「福祉」という業界内だけで通用する「ご褒美」ではなく、広く社会に通用する普遍的な価値として評価された、ということです。
ぷかぷかは開設当初、「障がいのある人達が作ったものだから買ってあげる」という関係ではなく、「おいしいから買う」という関係の中でやっていこう、つまりは社会の中で通用するおいしさで勝負しようと思いました。そうしないとほんとうにおいしいものはできません。だから材料もいいものを使い、作り方にもこだわりました。結果、区役所などでの販売の際は行列ができるほどのお店になっています。
演劇ワークショップも、「障がいのある人達がやってる舞台だから見てあげる」といった関係ではなく、「芝居の舞台としておもしろいから見る」という関係の中でやってきました。そういう本物の舞台を目指したので、お金はかかりますが、舞台監督、音響、照明などはすべてプロの方に頼んでいます。演劇ワークショップの進行役もプロの方ですが、プロに任せたから何の問題もなくスムーズに進むわけではありません。ぷかぷかさんたちを相手の進行ですから、予定どおりいくことはまれで、この予定どおりに行かないところにこそ、ぷかぷかさんと一緒にやっていくおもしろさがあります。そのおもしろさが発表会の魅力になっています。
舞台は総合的な芸術です。演技だけでなく、背景画、小道具、大道具もすべて含んで一つの舞台を作ります。ぷかぷかさんたちのチカラをストレートに感じます。こういう舞台は私たちだけでは絶対に創り出すことができません。彼らといっしょに生きてこその舞台なのです。
こうしてできた舞台が「文化・芸術」として評価された、ということだと思います。