横浜文化賞文化・芸術奨励賞の審査にあたって横浜市が調べたぷかぷかの履歴
【主な経歴】
2009年 NPO法人「ぷかぷか」設立
2010年 就労継続支援A型事業所としてパン屋「カフェベーカリーぷかぷか」「ぷかぷかカフェ」開店
2011年 就労継続支援B型事業所に変更
2014年 お惣菜・お弁当店「おひさまの台所」開店
第1期演劇ワークショップ『森は生きている・ぷかぷか版』
2015年 創作活動を行う工房&アートギャラリー「アート屋わんど」開店
第2期演劇ワークショップ『みんなの生きる』
横浜市緑区民まつりにて地産地消ブースをデザイン
2016年 第3期演劇ワークショップ『セロ弾きのゴーシュ・ぷかぷか版』
2017年 食堂「ぷかぷかさんのお昼ご飯」開店
団体のプロモーションビデオが「世界自閉症フェスティバル」主催者の目に
留まり、カナダのバンクーバーで開かれた「ANCA世界自閉症フェスティバル
に参加。『Secret of Pukapuka』『第3期演劇ワークショップの記録』を上映
第4期演劇ワークショップ『注文の多い料理店・ぷかぷか版』
2018年 第5期演劇ワークショップ『ほら熊学校を卒業した三人・ぷかぷか版』
2019年 第6期演劇ワークショップ『どんぐりと山猫・ぷかぷか版』
2022年 第7期演劇ワークショップ『銀河鉄道の夜・ぷかぷか版』
【賞 歴】
2015年 演劇ワークショップの活動が評価され、「読売福祉文化賞」を受賞
【書籍など】
高崎明著『ぷかぷかな物語』ー障がいのある人と一緒に、今日もせっせと街を耕して(現代書館、2019年刊)
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履歴にある「2015年の緑区民祭りで地産地消ブースをデザイン」というのはこんな話です。
これがその時デザインしたブース。
ブースに出すお惣菜の予算の打ち合わせで6万円の見積もりを出したのですが、区の用意した予算は10万円。
「ならばその差4万円で地産地消ブースのデザインやらせてもらえませんか?」
と思いつきでいった言葉から始まった物語がこれです。ぷかぷかさんといっしょに生きると何が生まれるかがよくわかります。
たかが思いつきです。でもその思いつきでこれだけの物語が生まれたのですから、思いつきも侮れないのです。思いつきではあったのですが、ぷかぷかが外の世界に対して何かやったのは初めてのことでした。この時の試みがぷかぷかを大きく成長させるきっかけだったと思います。
決して勝算があったわけではありません。でも、トライする価値はあるし、ぷかぷかさんと一緒にやれば、絶対におもしろいことになる、という確信がありました。実際に、予想以上におもしろいことになりました。
ブースの企画、デザイン、製作をやったことで、社会に通用する企画力、デザイン力、実行力が身についたように思います。クリエイティブな活動をする力です。
ぷかぷかは就労支援の事業所です。就労支援の仕事をしながらも、こういったクリエイティブな活動を続けたことが、今回の横浜文化賞文化・芸術奨励賞を受賞することにつながったと思います。
ぷかぷかさんたちと一緒に新しいものを創り出す。それが新しい文化として評価されたのだと思います。
障がいのある人たちといっしょに生きることで生まれる文化は社会を豊かにします。彼らといっしょに生きることが社会を豊かにするって、素敵じゃないですか。全国にある福祉事業所が「支援」という上から目線の関係ではなく、「彼らといっしょに生きる」というフラットな関係を築けば、社会はもっと豊かになるように思うのです。