新しく福祉事業所を開設したいという方が長野県から見学に見えました。いろいろ話をしたのですが、とにかくそこで何をしたいのか、何を実現したいのか、という夢をまず書いた方がいい、とアドバイスし、ぷかぷかを立ち上げる前に書いた設立計画案を紹介しました。
で、あらためてあの当時の熱い思いにふれ、なんだか胸が熱くなりました。
読み返してみると、ほんとうに夢があふれていましたね。その夢が実現できたこともあれば、実現できなかったこともあります。考えが甘かったなと思う部分もあります。それでも、あの時夢を語ったことで、社会が、ほんのわずかですが前に進んだ気がしています。
夢を語った部分を太字にしました。
①ハンディのある人たちの働く場を街の中に作る。
街の人たちにはハンディのある人たちといい出会いをして欲しいなと思う。彼らの中には字が読めなかったり、言葉がうまくしゃべれなかったりする人もいる。でも、そんなことをはるかに超えて、彼らは人としての魅力を持っている。その魅力にたくさんの人たちに出会って欲しいと思う。彼らの魅力に出会うことは、そのまま私たち自身の人としての幅を広げることであり、人として豊かになってゆくことだと思う。
ぷかぷかさんたちといい出会いをし、「ぷかぷかさんが好き!」というファンもたくさんできました。これはうれしい想定外です。障害者はなんとなくいや、怖い、そばに寄りたくない、という人の多い中で、「ぷかぷかさんが好き!」なんて人が現れたのは画期的なことだと思います。
②街の中にほっと一息つける場所を作る。
街の中にほっと一息つける場所を作りたいと思う。そんな場所が街の中にあるだけで、私たちはちょっとだけ元気になれる。
知的ハンディのある人たちは、ただそこにいるだけで、こころ安らぐ雰囲気を作ってくれる。彼らの働く喫茶店は、ただおいしいコーヒーを飲ませてくれるだけでなく、こころの安らぎも提供してくれるはずだ。そんなお店を街の中に作りたい。
そして実際にそんなお店が街の中に実現できたのです。みんなの心を毎日癒やしています。
③みんなが暮らしやすい街を作る。
ハンディのある人たちがごく自然に街の中にいる時、街の人たちにとってもそこは居心地のいい街になっていると思う。
ぷかぷかさんたちは今ごく自然に街の中にいます。コロナでお店が休みの時、NHKがぷかぷかさんがいないことで、ぷかぷかさんのいることの意味がはっきりするのではないかと取材に来たことがあります。たまたま閉店中のお店の前を通りかかったおばあさんを取材したところ、週に何回がお店に来られている方で、ぷかぷかさんたちは自分の孫みたいだとおっしゃっていました。街で会うと大きな声で「こんにちは!」とあいさつし、そんな風にあいさつしてくれる人はぷかぷかさんしかいないといっていました。一人暮らしのおばあさんの人生をしっかり支えている感じがしました。
ぷかぷかで買い物するともらえる「ありがとうカード」を机の上いっぱいに広げていました。このカードは10枚集めると景品と交換できるのですが、もったいなくて交換できないとおっしゃっていました。
写真はテレビの映像
④街の活性化につながるお店にしたい
彼らとおつきあいしていると毎日が本当に楽しい。そんな楽しさであふれるようなお店を街に中に作れば、街がもっともっと元気になるような気がする。
街が元気になった、といえるかどうかわかりませんが、ぷかぷかのお店のまわりが賑やかに楽しくなったとことは確かです。区役所などの外販先もぷかぷかさんたちが楽しく賑やかにしています。
夢を語ること、そこから夢の実現が始まります。語らなければ、何も実現しません。