ぷかぷかに時々遊びに来るそらくんがバスの中で怒鳴りつけられた話を先日お母さんがブログに書いていました。そらくんはバスが大好きで、乗っていると嬉しくて嬉しくてつい声が出てしまいます。そのそらくんに向かって
「うるせー」「おりろ」と怒鳴りつけたおじさんがいました。
お母さんは「すみません」と謝って「静かにしようね」とそらに声をかけているのに「うるせーからおりろ」とさらにまくし立てられました。
その時ヒーローが現れます。
「バスはいろんな人がいるのが当たり前で、そんなにいやなら自分がタクシーに乗ればいいんじゃないですか」
そらくんと同じくらいの年だったというので高校生くらいでしょうか。すばらしい青年です。
おじさんは「おお、そうか。」とそれからは黙ってくれたそうですが、ずっとお母さんをにらんでいたそうです。
そらくんは電車やバスの中で静かにする、といったことができません。そんなそらくんといっしょに生きて行くにはどうしたらいいんだろう、という問題が私たちに問いかけられていると思います。
そらくんの声を気にしない人もいれば、迷惑だと感じる人もいます。そらくんのような人を社会から排除すれば、社会はすっきり気持ちよくなるのかどうか、むしろ、社会が許容できる幅が狭まり、お互いが息苦しくなるのではないか、といった問題がここから見えてきます。
お母さんがブログに書いています。
あなたは知らない その言葉に私がどれほど傷ついたのかを
あなたは知らない 「うるせー」「おりろ」という以外に解決方法はいくらでもあることを
あなたは知らない 「降りろ」と怒鳴りつけている自分がどれほど恐ろしい顔をしているのかを
あなたは知らない 障害を持つ人を排除すれば自分がどれほど生きづらくなるのかを
あなたは知らない そらがあなたに気を使ってそらなりに声を抑えようと頑張っていたことを
あなたは知らない ずっとあなたを気にかけて優しく見つめていたそらを
あなたは知らない あなたのその言動の先に「やまゆり園の事件」があることを
あなたは知らない そう、あなたがあの事件に加担していた一人だということを
あなたは知らない 私も息子たちもあなたに排除されていい人間ではないということを
あなたは知らない 優しさを知らないあなたを私はとても不憫に感じていたことを
お母さんがブログで提起した問題を知らんぷりすると、また同じような問題が起き、辛い思いをする人が出てきます。社会の許容範囲が狭まり、私たち自身が生きづらくなります。なによりもこのおじさんの言動の先に『やまゆり園事件』があります。なのでみんなでこの問題について話し合う機会を作ります。話し合ったからって、すぐに解決策が見つかるわけではありません。でも、話し合うことで、少なくとも一歩前に進めます。何事もまず一歩からです。
9月24日(日)9時30分から〜12時 みどりアートパークリハーサル室にて、今回の問題についてどうしたらいいんだろうってみんなで話し合います。『そらくんとたからくん』の映画を見て、お母さん、そらくん、たからくんに来てもらい、わいわい楽しく話をする予定です。お問い合わせ、参加希望者は高崎まで(takasaki@pukapuka.or.jp)
写真はにじメディア作品「そらくんとたからくん」オンライン無料配信のページより。左がそらくん。