マスコミの方から
「やまゆり園事件を考える集まりで、どうして『梅切らぬバカ』を上映するんですか」
と聞かれました。
集まりでは事件に対し、あーだこーだ小難しい話、抽象的な話をするのではなく、具体的に私たちは何をすればいいのか、何ができるのか、といった話をしたいと思っています。二度とこういう事件を起こさないためにはどうしたらいいのかをみんなで考えます。
事件に関わる大きな話ではなく、自分の手の届く範囲の話をします。その気になればすぐにでもはじめられるような話です。
『梅切らぬバカ』にはグループホーム反対運動が登場します。この地域に障害者はいない方がいい、と主張しています。やまゆり園事件のように暴力的に排除するわけではありませんが、障害者はいない方がいいという考え方では地続きにあります。
映画はその運動を正面切って批判したりはしません。お母さんはときどき皮肉っぽいことをいいますが、相手と論争したりはしません。隣に住むおじさんは、反対運動をやっている人に「それはまちがってるよ」とぼそっと言いますが、どこまでもぼそっとひとこと言うだけです。
映画が大事にしているのは、忠さんとの宝物のような日々です。
ありふれた毎日の中で、
「忠さんがいてくれて、母ちゃん幸せだよ」
という言葉が出てきます。そんな風に言える関係が作る日々こそ大事にしようよ、ってこの映画はいってる気がするのです。
相手を論破し、反対運動を止めるよりも、そっちを大事にする。
やまゆり園事件について、あーだこーだいうよりも、障がいのある人達といっしょにいい一日を具体的に積み上げていく方を大事にしたいと私は思っています。『梅切らぬバカ』との接点はそこにあります。
お互い「いい一日だったね」って言い合える日々こそ大事にしたい。
身近な障がいのある人に
「あなたといると、すごく楽しい!」
「あなたのそばにいると、なんだか心があったかくなるよ」
「あなたがいると、まわりの空気がゆるっとして、すごく楽」
「あなたのそばにいたいな」
って、いうくらいなら、その気になれば誰にでもできることです。そういうおつきあいを日々続けること、ひろげることが、あのような悲惨な事件を起こさないことにつながると思うのです。
8月27日(土)、トークイベントであなたのアイデア、ぜひ聞かせて下さい。
8月27日(土)の上映会のチラシはこちら
参加希望の方は下記サイトの「チケットのお求めはPeatix」のところをクリックして下さい。