映画『梅切らぬバカ』にグループホーム反対運動が出てきます。うるさいだの、子どもの安全が守れないだの、よくあるパターンです。グループホームに入った忠さんが絡む事件が起き、反対運動は更にヒートアップします。問題を起こすような人はここから出て行け、といった署名運動まで起こります。
障がいのある人達を地域社会から排除していこうというわけです。「この地域に障害者はいない方がいい」と。「障害者はいない方がいい」といったやまゆり園事件と地続きの社会がここにあります。
そんな社会とどう向き合っていくのか、8月27日(土)の上映会はそれを考える集まりです。
『梅切らぬバカ』は忠さんと暮らす日々の大切さを淡々と映し出します。
映画の後半、グループホームに住めなくなった忠さんが家に帰ってきます。その忠さんを抱きしめ、お母さんはいいます。
「忠さんがいてくれて、かーちゃん幸せだよ」
忠さんとのありふれた毎日。でも、かーちゃんは幸せだよ。そんな日々こそ宝物。
グループホーム反対運動を声高に批判したりしません。ただ宝物のような日々を淡々と映し出すだけです。その日々の中に、いろいろブツブツ言っていたとなりのおじさんもやってきます。忠さんとお互い自己紹介したり、一緒にご飯食べたり。
ただそれだけです。でもこの先のことは想像できます。忠さんとお母さんの日々は、こうやってまわりの人たちを少しずつ変えていくんだろうなと思います。
やまゆり園事件をどうやって超えていくのか。とてもむつかしい問題です。
でも、障がいのある人達との楽しい日々を作っていくことは、その気になれば誰にでもできることです。忠さんの親子のように、そんな日々を積み重ねることこそ大事な気がします。それが事件を超えること。
先日、岩佐賞に応募するために持続可能な社会をぷかぷかはどのように作ってきたかという資料を作っていて、あらためてぷかぷかが作ってきた楽しい日々を振り返る機会になりました。事件を超える社会を作ることは、そのまま、持続可能な社会を作ることなんだとあらためて気がつきました。障がいのある人達を排除する社会は持続しないのだと思います。排除した分、社会の幅が狭まり、お互い窮屈で、息苦しい社会になります。こんな社会は長続きするはずがありません。
8月27日(土)の上映会のチラシはこちら
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