先日看護学校で授業をやりました。
その時の学生さんたちのアンケートが送られてきました。A4の用紙にびっしり書いたアンケートが80枚もあって読むだけで大変でしたが、学生さんたちも今回の授業でいろいろ考えることがあったようでした。(いろいろやることが多過ぎて、まとめるのが遅くなってしまいました。)
前半の『Secret of Pukapuka』の上映は、ぷかぷかさん達の楽しい表情に心ぷかぷかになった学生さんがたくさんいたようでした。後半の映画『不安の正体』に出てくるグループホーム建設反対にどう向き合うのか、という問題は教科書に載っているようなことではないので、みなさんグループごとの話し合いで相当悩んだようでした。結論は出ないまでも、いい経験をしたと思います。
高崎先生は、障害者と共生しなければいけない、なんて思わなくていい、とおっしゃっていた。でも彼らとつきあうのは人生にとってトクだし楽しいから、ぜひ自分なりのつきあい方を見つけて欲しい、という言葉が印象に残った。私は、障がいを持つ方と距離をとってはいけない、受け入れて共に生きなければいけないと、義務のような感情を抱いていた。しかし高崎先生の言葉で心が軽くなったような気がした。
障がいのある人達と義務でつきあうと、そこからは何も生まれないし、つきあうこと事態がだんだんしんどいものになっていきます。そうではなく、楽しいからつきあう、というふうになれば、そのおつきあいからは豊かなものがたくさん生まれます。ぷかぷかの映画からは、そういったものが伝わってきます。気楽に楽しくおつきあいしましょう。
映画を見て、障害を持っていても一人の人として接し、活動をしていることに気づかされた。障害を持っているから優しくするとか、特別扱いをするのではなく、みんなと同じようにおつきあいすることで、お互いを深く知ることができると考えた。もちろんそこではいろんなトラブルもあるのだが、そのトラブルがあることでお互いのことをもっと知ることができ、何よりも楽しい、とおっしゃってて、深く共感した。
特別扱いするのではなく、ふつうにつきあった方が彼らのことがよくわかります。なによりも彼らからたくさんのことを学べます。そして楽しい!
正直私は障害を持っている方に対してあまりよい印象を持っていなかった。小学校の同級生にも特別支援学級の子がいたが、何を考えているのかよくわからないし、突発的に騒いだり、暴れたり…。接する環境はあったものの、それを避けていた。ぷかぷかの映画を見た時に、今まで自分が心の中で抱えていた固定観念が打ち砕かれたかのように感じた。
すばらしい気づきでしたね。ぜひこれからは障がいのある人達とおつきあいして、自分の人生の幅を広げて下さい。楽しいことがたくさんあります。
障害者に対して医療者としてではなく、一人の人間としてもっと彼らの魅力を知りたい!
一人の人間として彼らの前に立つことが大事です。その時、ようやく彼らと人として出会えるのだと思います。
ぷかぷかのメンバーと開催するイベントの中で「トラブルはつきもので、困ったことがあってもなるべく介入しないようにしている」と高崎さんがおっしゃっていたのが印象的だった。想定外の問題が起きた時、その解決の過程がお互いの関係をより深いものにする。困ることを経験することで、与えられた正解ではなく、自分で導き出した答えにたどり着くことができる。これこそが人と人のつきあいで、お互い人として向き合った結果がそこにはある。自ら動くことで習得したものと、与えられたものでは、得るものが全く違う。これから看護師を目指す中にも生かすべきだと感じた。人として向き合ってこそ知ることのできる多くのことがあることに気づかせてもらえた。
トラブルは人を鍛えます。問題としっかり向き合い、悩んで悩んで悩み抜いて欲しい。そうする中で見えてきたものこそ、本物です。
グループワークが授業を受ける前だったら、グループホーム建設反対をいう人たちと同じように考えたかも知れないと思いました。障がいのある人達のことを何も知らないし、関わったこともないので、勝手な偏見を持っていました。でも、ぷかぷかの映画を見て、私も自然に笑顔になりました。
こういう変わりようがうれしいですね。ぷかぷかさん達のおかげです。自然に笑顔になれるような関係をこそ作りたいですね。
元々障がいのある人達に対して怖いといった感情はなかったけど、ぷかぷかさんの映像を見て、こんな素敵で、楽しい人達と関わりたいな、と強く思いました。今まで知らなかったことがもったいないと感じるくらいでした。
とてもうれしい感想です。こんな人達が未来を作るなら、未来に希望が持てます。
小学生の時、一つ上の学年の先輩が授業中に廊下を叫びながら走るのが日常の生活をしていました。今回の授業を通して、障害者と一緒に学校生活を送ることができたのは、とても意味のあることだったと思いました。
生活の中に障がいのある人達との接点があったこと、それが自分の人生の幅を広げてくれたのだと思います。人生の豊かさはそんなところから生まれます。
自分と違うことで、恐ろしいとか、関わりたくないとか、どうしてもマイナスなイメージがあったのですが、ぷかぷかの映画を見てから、自分の考えが凝り固まったよくない考えだと思いました。マンションの中に障害者の方がいるのですが、「こんにちは」と道路の反対側にいても声をかけてくるのがどうしても怖くて、できるだけ避けるようにしていました。でも、よく考えると、あいさつすることは悪いことではないのに、なぜこんなに嫌悪感を抱いているのかと考えた時に、障害者という固定観念で悪く思えてしまうのだと感じました。
ぷかぷかの近くに住んでいるおばあさんは、ぷかぷかさんが道路の反対側から「こんにちは」って元気よく声をかけてくれると、とてもうれしい気持ちになる、といってました。ふだんの暮らしの中でそんな風に親しく声をかけてくれる人なんていないからです。声をかけられて怖いと思う人と、うれしいと思う人。この違いはどこから出てくるのでしょう。やっぱりぷかぷかが作ってきた地域の環境の違いが大きいと思います。
高崎さんの話の中で、医療従事者としてではなく、一人の人間として相手に関わる、という言葉がすごく印象的でした。対等であることを大事にする。何かをしてあげるのではなく、共に何かをする、という関係こそが大事だと学ぶことができました。
相手がこちらに対して心を開くような関係はどうやったらできるのか。それはやはり、一人の人間としてその人の前に立つことだと思います。とりわけ相手が精神を病んだ方の場合は、こういった関係がとても大事です。相手の悩みを自分のこととして一緒に悩むこと。
私は以前霧が丘に住んでいました。上の娘が生後2ヶ月くらいで、お昼寝のタイミングを見計らってベビーカーに乗せ、ぷかぷかのパンを買いに行ったことを思い出しました。映画の冒頭でそのことに気づき、ぷかぷかさん達の変わらぬ様子を見て、タイムマシーンに乗ったような不思議な気持ちになりました。初めての育児で、2時間ごとの授乳や、娘が泣く理由がわからず、戸惑う日々でした。ぷかぷかに行くことで私はすごく救われていました。このご縁に感謝します。
そうでしたか。ぷかぷかに行くことですごく救われた、というところがいいですね。ぷかぷかさん達のおかげですね。
高崎先生の問いに対し、私はうまく言葉が出てきませんでした。精神障害の人のことを知らないからだと思います。建設反対運動を行う人達と私は全く違うと思えませんでした。小学校の時から支援級と普通級に分かれ、「交流」はしても「生活」を共にすることはほぼなかったことが大きく影響しているように思います。いろんな人がいることを知り、お互いを理解しようとすることが大切だなと思いました。人と、ほんとうに出会う、ということを忘れないようにしたいです。
建設の反対を叫ぶ人達と自分があまり変わらないことに気づき、それはどうしてなんだろうと考えたことがすばらしいですね。いろんな人と、たくさんの出会いを作っていって下さい。
授業で見たぷかぷかの映画は、私の中にある障がいのある人達のイメージを大きく変えるものでした。グループで考えた問いは、とてもむつかしくすごく考えさせられるものでした。今まで生活してきた中で障がいのある人と接したり、長い時間一緒にいたりすることがありませんでした。小学校も中学校も同じクラスの一員としてクラスに席はあるものの、ほとんど姿を見ることはありませんでした。その後は学校内に障がいのある人はいなく、外ですれ違い際に見かけるくらいでした。今回の問いを考えることで、私たちは今まで全くといっていいほど障がいのある人達のことを知ろうとしてこなかったのだと気づきました。
すばらしい気づきでしたね。障がいのある人達とはどんどんおつきあいしてみて下さい。最初はいろいろ戸惑うこともあります。でもその戸惑うことこそが大事です。戸惑いの中での気づき。こんなおもしろい人達がいたんだっていう気づき。その気づきは人生を豊かにします。
私は小学校1年生の時に一人の女性に救われたことがあります。その時は男の人が何かガミガミ言ってきて、そこの道を通してくれませんでした。私はどうしたらいいかわからず、その場で固まってしまいました。その時に助けてくれたのが障害を持っている女性です。その女性が救ってくれたおかげで、私はその道を通ることができ、家に帰ることができました。これをきっかけに、私は、障害を持っている人も私たちと何も変わらない同じ人間であると思うようになったのだと思います。この一件がなかったら、私は今でも自分と違う人に対し偏見を持って生活していたと思います。
いい出会いがあったのですね。人との出会いは人生の幅を広げてくれます。世界がずっと広く、楽しくなります。
「私たちが障がいのある人達を支えていかなければならない」と思っていましたが、授業を受けて「私たちが支えられている」ことに気がつきました。
障がいのある人達を支える、支援する、という考えが一般的ですが、ぷかぷかをやっていく中で気がついたことは、彼らにぷかぷかが支えられている、ということでした。彼らがいなければ、どこにでもあるおもしろくもなんともないただのパン屋であり、お惣菜屋であり、アートスタジオです。彼らがいるからこそ、こんなにおもしろいぷかぷかができました。
『ぷかぷかな物語』も、彼らがいるからこそ書けた本です。
彼らって、新しい文化を作り出しているんじゃないかと思います。
ぷかぷかの映画を見るまで、障がいのある方との接し方や、障がいのある方ってどんな人なんだろうと、わからないことがたくさんありました。でも、ぷかぷかの人たちはみんな明るく、笑顔で、いっしょにいる人はみんな楽しくなれるなと感じました。先生も話していたとおり、この人たちは障がい者と呼ばないでいいと思いました。
いいことに気がつきましたね。「障害者」という言葉には、あれができないこれができない、こんな問題がある、等々マイナスのイメージがつきまといます。でも、ぷかぷかさん達とつきあっていると、そんなイメージはひっくり返ってしまいます。彼らのこと、「障がい者」と呼ばないでいい、という気づきはとても大切です。
高崎さんがおっしゃったように、教科書に載っていないことは、出会って大変だと困惑することが大事…
大変だと困惑するような出会いこそ、自分をほんとうの意味で鍛え、磨いてくれます。それこそがほんとうの勉強だと思います。教科書は自分を鍛えたり、磨いてくれたりしません。
ふだん生活する中で、精神障害者と接することは少なく、たまに目にするニュースでは精神障害者により凶悪犯罪が行われている、というイメージが作られている。学生生活においても健常者のクラスと障害者の特別学級にわけられ、それが当たり前であった。幼い頃から差別することを教わってきたのかと思ってしまう。
とてもいい気づきですね。そこからどうするか、ということが大事です。身近にいる障がいのある人達といい関係、楽しい関係を作りましょう。一緒に楽しいことをやってみましょう。そしてその中で気づいたことを様々な形で発信しましょう。きっと共感する人が出てきます。差別することはおかしい、と気づく人が少しずつ増えていきます。そういったことを続けていけば、あなたのまわりの社会が、誰にとっても生きやすい社会に少しずつ変わっていきます。
映画の最後に、ぷかぷかさんがバームクーヘンをすぐそばにいた方に分けてあげる場面がありました。相手を思いやる気持ちがあり、すごく素敵で、心があたたかくなりました。
私たちは今、人を思いやる心がだんだん失われているように思います。そんな中で、ぷかぷかさん達がやっていることは、本来人間が持っていることであり、今、私たちが思い出さないといけないことだと思います。