ぷかぷか日記

ふろふき大根

ぷかぷか旅行で行った高知でゆず味噌を見つけ、うちに帰ってからふろふき大根につけて食べました。しみじみおいしいですね。

 

 大好きな詩人長田弘さんの詩に『ふろふきの食べ方』というのがあります。

 

 自分の手で、自分の

 一日をつかむ。

 新鮮な一日をつかむんだ。

 スのはいっていない一日だ。

 手に持ってゆったりと重い 

 いい大根のような一日がいい。

 

 それから、確かな包丁で

 一日をざっくりと厚く切るんだ。

 日の皮はくるりと剥いて、

 面とりをして、そして一日の

 見えない部分に隠し刃をする。

 火通りをよくしてやるんだ。

 

 そうして、深い鍋に放りこむ。

 底に夢を敷いておいて、

 冷たい水をかぶるくらい差して、

 弱火でコトコト煮込んでゆく。

 自分の一日をやわらかに

 静かに熱く煮込んでゆくんだ。

 

 こころさむい時代だからなあ。

 自分の手で、自分の

 一日をふろふきにして

 熱く香ばしくして食べたいんだ。

 熱い器でゆず味噌で

 ふうふういって。

 

●●●

 

 「自分の手で、自分の一日をつかむ」という出だしの言葉が大好きです。

 一日をつかむ、という感覚。

 ゆったりと重い いい大根のような一日…

 

 この詩を誰かに向かって朗読すると、つい好きな言葉に思いがこもり、力が入ります。

 なので、人によって読み方が全く違います。そこに新しい出会いがあります。

 これが詩の朗読ワークショップの面白さ。

 昔こんなワークショップをあちこちでやりました。遠いところは四国の愛媛まで出かけてやりました。

 ゆず味噌をつけたふろふき大根を食べながら、ふとそれを思い出し、またあちこちでやってみたいと思いました。「あっ、おもしろそう」って思った方はタカサキまで連絡下さい。takasaki@pukapuka.or.jp   2時間ほどのワークショップで、思いもよらない気づきがたくさんあります。

 詩は一人で黙って読んでもいいのですが、誰かに向かって声を出して朗読すると、詩がムクムクと生き始めます。詩との新しい出会い、人との新しい出会い、自分自身との新しい出会い…

 心と体がふっと緩み、なんだか元気になります。ぜひトライしてみて下さい。連絡待っています。

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