バングラディッシュにぷかぷかのような場所を作りたい、といって相談にきた人がいました。
バングラディッシュで長年福祉活動をやってきた方で、日本に帰国した際、『ぷかぷかな物語』を読み、
《 障がいのある人たちといっしょに生きること自体に価値がある 》
という考えにとても共感。今度新しい場所を作るので、ぜひぷかぷかみたいな場所にしたいという話でした。
バングラディッシュでは「障がいのある子どもが生まれるのは母親のせいだ」と思われていて、そういう子どもが生まれると離婚されてしまうことが多いそうです。そんな中、家族から見捨てられた障がいのある子どもたちを集め、小さなコミュニティーを作ってきたといいます。
コミュニティーを作ってきた岩本さんの似顔絵をさっそく描いていました。
家族に見捨てられ、辛い思いをしている障がいのある子どもたちやそのお母さんたちをなんとかしたいと思っている中で、
《障がいのある人たちといっしょに生きること自体に価値がある》
という考えとの出会いは、
「そうか、そんな風にみんなが考えるようになれば、この社会が変わるかも」
と大きな希望を作り出したと思います。
今活動しているところよりも、もっと貧しいところ、より厳しい環境のところで新しい事業を立ち上げるそうで、その志の高さを尊敬します。福祉制度の全く整っていないところでどんな風に運営していくのか、話を聞いただけで頭がクラクラしそうです。ぷかぷかとして何ができるのだろう、と思いました。
向こうで活動するメンバーさんたちの写真送ってもらえれば、ぷかぷかさんたちに似顔絵を描いてもらいましょう、という話が出てきました。できあがった似顔絵を向こうに送り、どこかに展示してもらうような、そんなおつきあいが始まれば、そこからまたいろんな新しい関係が広がっていく気がしています。
ぷかぷかのロールパンや食パンを食べて、子どもたちやお母さんたちといっしょに作れたらいいなとおっしゃってました。おいしいパンができたら、まず自分たちで食べてみて、おいしい!って思ったら、小さなお店をかまえて販売すればいい。多分バングラデッシュにはないパンで、評判になるかも。パンは毎日食べるものなので、アクセサリー等を作るよりもしっかりと収益を生み出します。
近くであればパン教室をやりに出かけられるのですが、バングラデシュでは、そう簡単には行けません。せめてパン作りの簡単なビデオを作ってプレゼントしようかなと思っています。粉を計るところから始まって、こねる、発酵させる、分割し、成形し、更に発酵させて、焼き上げます。誰が見てもわかるようなパン作りのビデオです。それを見て、
「あ、なんかおもしろそう、ちょっとやってみるか」
ってみんなが動き出したらいいなと思うのです。新しい歴史が始まるかも知れません。役に立たないと家族から見捨てられた障がいのある人たちといっしょに働いて、お金を稼ぎ、自立するのです。なんだか夢があっていいじゃないですか。
「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」というメッセージを込めた映画を作ってプレゼントしたいと思っています。障がいのある子どもを見捨ててしまうような社会が、映画くらいで変わるとは思えませんが、少なくとも、見捨てられた障がいのある子どもたちやお母さんたち、彼らに寄り添ってきた人たちにとっては、大きな希望になります。障がいのある人たちといっしょに生きることが、新しい希望を生み出すのです。
日本よりもはるかに厳しい状況なので、日本よりももっと深く、自分事として受け入れられるのではないかと思っています。彼らが動き出せば、社会が変わります。
彼らを排除する社会は健康な社会とは思えません。映画は社会が健康を取り戻す小さなきっかけを作ると思います。
映画の企画が煮詰まったらまたお知らせします。
バングラディッシュの小さなコミュニティの映像
バングラディッシュでコミュニティーを作ってきた岩本さんの活動報告会