ぷかぷかは事件以来、毎年事件をテーマにした上映会、トークセッションを続けています。ぷかぷかさんたちもいっしょですから、堅い話ではなく、誰にでもわかるように、障害のある人たちといっしょに生きていく意味を話し合ってきました。7月31日(土)のぷかぷか上映会もその延長にあります。
事件直後はたくさんの人が
「決して忘れない」
なんていってたのに、あの時の声はどこへ行ってしまったのでしょう、という雰囲気。感想の中に
「こうした公開イベントを主催された法人の姿勢と努力に感謝です。こうした法人が増えることが相模原事件の再発を防ぐ第一歩だと思いました。」
というのがありましたが、とても大事な指摘だと思いました。事件を考え続けること、意見を言い続けること、それが大事だと思います。そこから事件を超える社会ができ上がっていきます。
コロナ禍にもかかわらず80名近い方が参加されました。ありがとうございます。たくさんの感想をいただきました。その一部を紹介させていただきます。
●「静かにしないと帰っちゃうよ」は、やさしい脅迫?(トークセッションの時、そういった意見が会場から出た)上下関係がある親子はそうなると思うけど、友人のような信頼の関係があれば、決してそのような意味を持たない気がします。コトバあそびのような。介護者の方と一矢さんの関係性が、上下でないからこそ、微笑ましいものにもなる気がする。この部分もゆるやかにとらえられる社会がいい。
三人の娘が小さい時、マンションの近所の方からよく、足音がうるさい、と注意を受けました。「今何才?静かになるまで、あと何年ね、がまんするわ」とおばさんに言われたこともあります。すみません、と謝りながら、「なぜ、こちらを理解しようとしないんだろう。歩み寄る気がないのはさみしい」と思いました。もちろん子どもに注意もしましたが、それでも2,3才の動きはドタバタするのが自然で、どうしようもないところもありました。
高崎さんの「大声出しちゃってもしょーがないじゃん」って、とってもいいなと思いました。一つの答えだと思いました。
自分の中の、ああしちゃダメ、こうしちゃダメ、をはずしてはずして、最後に残る無力な自分をそのまま認めることができれば、きっと環境におきたいろんなこと「しょーがないじゃん」って思えると思いました。
●『いろとりどりの親子』素晴らしい映画でした。親として子どもの幸せを願うのは当たり前。でも、その幸せが本人にとってはどうなのか?親の思いと本人の気持ちは、必ずしも一致するわけではない。むしろ、一致しない方が多い。本人にとってどんな選択肢があり、それをどう選んでいけるのか。
子どもを授かるために努力をしている低身長のカップルに対して、病院は生まれてくる子どもの障害リスクに焦点を当てた。障害は負であるという視点からされた説明と、それに対する二人の考え方にはっとさせられ、赤ちゃんが生まれるまで二人を応援し、生まれてきた時には思わず拍手したい気持ちになりました。
突然、犯罪者の親になってしまった夫婦の思い…
いろとりどりの親子が織りなす人間模様。
それぞれの親子にそれぞれのドラマがあり、それぞれのエピソードに対していろいろな思いを持ちました。
素晴らしい映画を見せていただき本当にありがとうございました。
●『いろとりどりの親子』では抱えているものも様々な家族が葛藤しながらも、自分にとっての幸せを見つけていき、心から幸せそうに生きている姿に励まされました。
『Secret of Pukapuka』でぷかぷかの活動を見ていると「いっしょにいると心ぷかぷか」を体現されているようで、地域との自然な関わり方が心地よいなと思いました。しかし、そのような状態にまで至るのにたくさんの苦労があったことを初めて知りました。
尾野一矢さんの話で、大学でのオンライン授業の感想に「一矢さんが一番人間らしい」という言葉があり、私も強く同感しました。いろいろな抑制を強いられている中で生きている私たちにとって、障害のある方の姿は自由で生き生きとして見えます。
●『Secret of Pukapuka』を見て、障害のある人たちが本当に生き生きと生活されているのがよく伝わってきました。
私は今まであまり障害のある方と接点がなく、どんな方なのかよくわかっていなかったのですが、ぷかぷかさんたちは、今を生きることに全力で、人生を全力で楽しんでいるように見えて、その姿がまわりの人たちを明るくしているというのがよくわかりました。
ぷかぷかのような場が、各町に一つずつあれば、地域の人たち、子どもたちがぷかぷかさんたちと当たり前のように接することができていいのかなぁと思いました。
高崎さんもおっしゃっていましたが、「見えない」「わからない」から怖いのであって、友達大作戦で「友達」になれれば、もっとお互い暮らしやすくなるんだろうなと思いました。
今日参加して、ぷかぷかさんたちの楽しい世界を垣間見て、私自身の考え方が大きく変わりました。素敵な時間をありがとうございました。
●『いろとりどりの親子』すごい映画でした。特に殺人加害者の家族への取材は、日本では考えられないことで「いろとりどり」の意味が深められていました。いろいろな意味で「希望」を見つけ出すことができた素晴らしい映画でした。
●今日は素晴らしい上映会や尾野一矢さんのトークイベントを企画いただき、ありがとうございました。一矢さんを初めてテレビで拝見してから、一生懸命なお姿に、ご両親の大きな愛にとても感動いたしました!ひと目お会いしたい一心で今日お伺いいたしました。
ぷかぷかのみなさんは、生き生きとしたお顔で、私よりもよっぽど人間として豊かで、一日一日を大切に生きていらっしゃる。
かずやさんの友達大作戦、心より応援しています。
私事ですが、日頃介護士として仕事をしており、お邪魔でなければ、何かお手伝いしたいという思いです。一矢さんやぷかぷかさんのみなさんといっしょに生きたいと強く感じました。
●気持ちがいっぱいです。とても。
●障害のある、なしにかかわらず、一番の問題は「孤立」「お互いの無理解」なのかな…と思っています。
つながることーつなげること
知ることー知ってもらうこと
「ぷかぷか」の取り組み、一矢さんを取り巻く動きは、その実践だな…と思います。
●映像や会場でのお話を通し、まずは物事にしろ、人にしろ、知る、知り合うことから始まるのだなと、あらためて気づかされました。
大声を聞いたとき、知らないと「怖い」と思うけど、知っていれば「あー、元気いいな」と印象が変わります。
●映画もトークもとても考える機会となりました。子どもの頃からいっしょに笑う、泣く、怒る、をたくさんすること、障害のない、ある、では人間は区別できず、区別は差別につながること、あらためて思いました。 一矢さんの生活応援しています。私も街を耕す活動をしっかりやっていこうとあらためて思います。
●今日はとても素敵な学びの場を提供していただき、ありがとうございました。
「彼らといっしょにいると楽しい」と発信される「ぷかぷか」も最初は苦情があったと知りました。積み重ねが大切とあらためて思いました。
尾野さんのお父様のお話は本当によかったです。ご自身がどんどん変わっていかれたことに敬意を表します。
社会の側が線を引いて、当事者や親御さんを追い込んできたことを思うと、学んで変わっていかなければならないのは社会であり、私たちの側だとあらためて思います。「ぷかぷか」のみなさんを目標に頑張っていきたいと思います。
渡辺一史さんのお話で(『創』2021年8月号に載った「相模原府県死刑囚に新事実」)共同会について私が感じていた違和感の謎が解けた思いがしました。
●こうした公開イベントを主催された法人の姿勢と努力に感謝です。こうした法人が増えることが相模原事件の再発を防ぐ第一歩だと思いました。入所施設悪者論のような印象が気になりました。
●大声に対する苦情の話について
自分たちの思いをわかってもらいたいのはわかるが、聞かされる方にも、障害や事情などがあるかも知れないことに考えが至っていない。
私は聴覚過敏を持っている。自閉でも知的障害でもないが、ふつうの人に聞こえない音を振動として感じてしまうので生きづらい。
私の息子は重度の知的障害があり、奇声は日常のこと。ものをたたいたり、足踏みしたり、とにかく音や声を出さずにいられない。言葉のない彼にとって唯一の表現であることは百も承知だが、その刺激はすさまじく、車酔いのような状態。気持ちが悪くて吐き気がするほど辛い。感情は息子の行動を受容したいが、この身体はそれを全身で拒否してしまう…耳栓をしてもほとんど効果はない。一矢氏のアパートの2階にも、もし私のような人が住んでいたとしたら…?
●笑顔あふれるぷかぷかさんたちが築く世界をあらためて素敵だなぁ、とうらやむくらいに思いました。ドキュメンタリー映像はFacebookでも拝見しましたが、友達大作戦は自分の地域の子どもたちとも考えて行けたらおもしろいなぁと感じています。
●とても考えることが多いイベントでした。地域や日本社会のあり方、自分のスタンスなど、振り返るきっかけになりました。障害を持っている、持っていないにかかわらず、生きやすい社会が実現できるよう何か自分にできることはないか考えていきたい。
●『いろとりどりの親子』みなさん楽しそうに一日を送っているように感じた。ここまで来るにはいろいろなことがあったと思いますが、素敵なパートナー、友達、こんな人たちに会えたら最高なのにと思いながら見ていました。三人での共同生活、楽しそうで、結婚、出産、素晴らしいなぁ。両親の対応にも感動ですね。自分にはここまでできるのか。
●障害がわかった時から、ずっと自分を責めてきました。日本でも外国でも変わらないのですね。今は楽しく過ごしていますが、将来的なことを考える時が近づいていると感じました。思わず胸が詰まってしまいましたが、よい映画をありがとうございました。
●『いろとりどりの親子』は多様性を考えることのできる素晴らしい映画でした。『Secret of Pukapuka』は以前見たことがありましたが、再度拝見しても素晴らしかったです。みんなの笑顔、楽しい雰囲気、こちらも笑顔になりました。
トークイベント、オープニングからダンスでちょっと笑いありのスタート。よかったです。一矢さんのところに苦情が来ていないと聞いて、よかったと思います。
●『Secret of Pukapuka』が印象に残りました。利用者の方々が地域住民の方々に当たり前に馴染んでいて、みんなで料理をしているシーンでは、障害の有無がわからない環境で、それがとてもいいと感じました。
●「不幸の形はいろいろだけれど、幸せの形は様々である」とおっしゃっている方がいて(『いろとりどりの親子』)、本当にその通りだなーと、思った。
●介護を必要とされる方、介護者がいないと過ごせない方は、完全に一人きりになる時がない。私は母親で、家族全員が通勤、通学に出たあと、一段落してホッとする時間があります。誰もいないとだらだらと過ごす日もあります。かといってずっと一人でいたいわけでもありません。両方必要な時間。
どんな人にも一人っきりになる時間とつながっている時間が必要だなとあらためて思いました。
●私が一番思うのは、すべての人が自分の人生を幸せに生きられる社会であって欲しいと思います。障害のある人もない人も。そのためには違いを知り、いろいろな人と出会える社会にしていきたいと思います。私にできることを一つずつ頑張っていこうと思いました。
●尾野一矢さんの話を聞いたのが最も印象的でした。一矢さんの大きな声をどのようにしたら周りに受け入れてもらえるのかが大きな課題だと思いました。より多くの人に、障害者は決して怖い存在ではないことを知ってもらい、理解してもらうことがとても重要だと思いました。
●『いろとりどりの親子』では、誰もが自分個性に誇りを持つべきであり、そしてその個性にかかわらず、すべての人が家族や周りの人に愛されるべきなのだと考えさせられました。
ぷかぷか上映会とトークショーを通じて考えたことは、障害の当事者について自身が知ること、それを周りにも伝達することが大切なのだということです。自分の知らないことには不安を覚えたりするけれど、知ることで見え方が大きく変化するのだと思いました。
●「幸せ」「不幸」というものは、他人が決めるものではないと強く感じました。それぞれの幸せの形があるので、「こうしたらあなたは幸せ」「こうだからあなたは不幸」というものを押しつけてはいけないと思いました。押しつけることで、その人にとってはマイナスになってしまうのではないかと思います。私たちにはそれぞれの幸せを認める心が必要だと思いました。
障害者と直接関わらないと昔から存在する偏見はずっと消えないと思う。自分は大学で福祉について学び、様々な場所で関わってきたから偏見という意識が薄れているけれど、そういう機会がない人はなかなかむつかしいと思いました。もっと接点が持てる社会になれば、と思います。
あらためて津久井やまゆり園事件、障害者差別について考えるきっかけになりました。