「かずやしんぶん」を読んだ方から、
「かずやさんの作ったコーヒーカップが欲しい」
というリクエストがあったそうです。すごくうれしい反応です。
かずやさんの陶芸は、かずやさんの自立生活に彩りを添えられたら、と思って始めたものです。暮らしの中に自分で作ったコーヒーカップや、植木鉢、花瓶などががあったら、ちょっと素敵な雰囲気になります。
そんな思いで陶芸をやっていたのですが、友達大作戦がスタートし、「かずやしんぶん」に
「かずやさんの作ったコーヒーカップ、ご希望の方にはおわけしますよ」
と書き込んだところ、すぐに反応が出てきたというわけです。
「欲しい人がいっぱい出てきたらどうしましょうか」
と、介護に入っている大坪さんは心配していました。かずやカップはそんなに数がありません。これから頑張って作るにしてもかずやさんの気分次第のところがあるので、そんなにたくさんはできません。
ですから欲しい人は少し待ってもらうことになります。かずやカップは待たないと手に入らないことになります。待ってでも手に入れたいカップになれば、かずやカップの価値は何倍にもなります。
そうやってかずやさんが街にいることの意味が広がっていきます。
「障害者はいない方がいい」といって起こした相模原障害者殺傷事件。でも、かずやさんの活動は、
「かずやさんの作ったコーヒーカップが欲しい」
と思う人を作り出しました。そう思う人が増えていけば、かずやさんが街にいることの意味がたくさんの人と共有できます。
「かずやさんがこの街にいてよかったね」
と思う人が増えて行くことになります。こんな風にして、事件を超える街ができ上がっていきます。