6月8日(火)友達大作戦の打ち合わせがありました。
参加者は、かずやさんほか7名、マスコミの取材3名でした。
内容はホームページのコンテンツなどの確認、早稲田大学での授業ができなくなった件など。
かずやさんちの看板ができました、という報告。絵はヨッシーです。
早速かずやさんちのドアのそばに置きました。
このドアにかずやさんの似顔絵をパネルにして貼り付けます。どんな人がここに住んでいるのか、少しイメージできると思います。
この前を二階の人は毎日通ります。ほんの少し、気持ちが柔らかくなるかな、と期待しています。
そうして今度の日曜日6月13日(日)に、いよいよあいさつ、謝罪にかずやさんと介護者が行きます。かずやさんがどんな人で、なぜここにいるかを簡単に説明します。「かずやしんぶん」もこの時渡します。
二階の方がかずやさんの顔を知り、どんな人かを知ること。それができれば、今回は最初の一歩達成!だと考えています。お互い顔を知れば、近所で会った時、あいさつができます…
と、甘いストーリーを考えていたのですが、木曜日、想定外のことが起こり、先が見通せない状態になりました。
発端は私の提案
高崎:「かずやしんぶん」を事前に二階の家のポストに入れておいたらどうでしょうか。読むかどうかわかりませんが、ひょっとして読んでくれれば、ラッキー!という感じです。住所を手書きで部屋番号まで入れておけば、下の部屋の人のことなんだということがすぐにわかります。
10日木曜日、大坪さんはかずやさんと二人で行こうとしたようです。
大坪:一応今日、ポスティングを一矢さんと一緒にと試みましたが、本人やはり嫌だったらしく、大声を出されまくって挫折しました。日曜日本当に一緒に行けるのかなぁ…ちょっと気掛かりです。
高崎:そうでしたか。かずやさん、どうして嫌だったんでしょう。
大坪:やはり今日の一矢さんの反応を見て、もう少し慎重にやらないとマズいかなと思いました。 大きな声について介護者が二階に響くのではないかとハラハラしていて、本人も声を出さないように努力をしていると思いますが、それがなかなかできない。 その辺の葛藤、ストレスもかなりギリギリの所に今いると感じます。 そうした中で「謝罪」に行くというのは、本人にとって、かなりツライ経験である事は間違いないと思います。 先日の会議のように皆さんが一矢さんに好意的な場面であれば、様子を見て「一本橋」も出て来るけど、本人に部が悪い場面である事は肌身で感じ取っているのだと思います。 そこで本人が、納得して二階に行くという手続きを取るのはかなり難しい…本人にそれをどう伝えるか。 「障害」を、自己責任論で本人が克服しなければならない問題とするのではなく、環境や関係を変えて行く事で解決して行こうというのが、「社会モデル」の考え方だと思いますが、やはり今、そのギリギリの所が問われているのだと思います。 なので、とりあえず日曜日は、慎重に様子を見ながら二階に行くかどうかを判断したいと思います。
二階にあいさつに行く時、かずやさんは大坪さんに素直についていくものとばかり思っていました。かずやさんの気持ちを丁寧に想像してなかった、ということです。
《そうした中で「謝罪」に行くというのは、本人にとって、かなりツライ経験である事は間違いないと思います。 》
という大坪さんの言葉で、かずやさんの気持ちに初めて気がつきました。情けない限りです。
「大声に対する苦情」という問題を、《環境や関係を変えて行く事で解決して行こう》としたのですが、肝心なかずやさんの気持ちを取りこぼしていたのです。
本人が納得して二階に行くという手続きを取るにはどうしたらいいのか、またまた難題を抱えることになりました。
6月15日(火)の友達大作戦はその「どうしたらいいのか」を考える集まりになります。大学での自主セミナーの企画も。
zoomのオンライン参加もOKです。ぜひいろんなご意見お願いします。
2021年 6月 15日 (火) 午前10:30~ 午後12:00
参加希望者はぷかぷか問い合わせ窓口から申し込んで下さい。URLとミィーティングID、パスコードをお送りします。
早稲田大学でやる予定だった「友達大作戦」に関する授業は、外部講師の依頼は半期に一度だけ、という規則に引っかかって(担当教員がすでに一人申請していたので)不許可になりました。映画「道草」の続編の撮影も予定していたのですが、それも不許可。
ちょっとがっかりしましたが、授業でなければいい、ということなので、自主的なセミナーみたいな形でやろうかなと考えています。会場は早稲田大学です。大学の枠も超えてたくさんの人に呼びかけ、友達大作戦を展開していこうと考えています。
どういう言葉で呼びかければ学生さんたちが集まってくるのか思案中です。小難しい話ではなく、
「あっ、これ、なんだかおもしろそう」
って軽い気持ちで乗ってきてくれるような言葉を探しています。
友達大作戦に、軽いノリで
「こうやったらおもしろいんじゃない」
という提案をしてもらい、その提案で
「あ、おもしろい、おもしろい」
と、人が動き始めるかも知れません。その動きの中で、かずやさんと様々な形で出会う人も増えます。
「かずやさんのような大声出すような人もいていいか」
っていう人が地域に増えれば、地域社会は受け入れる人の幅が増えることになります。
かずやさんの周りの小さな社会が、ほんの少し居心地がよくなります。みんなにとって居心地のいい社会が、こうやって実現するのです。
「自分の手で社会が変えられる!」
若い人たちがこんな風に思える体験をすれば、社会に希望が持てるようになります。
大学で若い学生さんたちを相手に「友達大作戦」の授業をやるのは、そんな思いがあるからです。今までにない新しい提案が出てくるかも知れないし、学生さんたちも変わります。
重度障害者の自立生活は、社会を豊かに変えていくのだと思います。
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