NHK Eテレの取材。パン厨房の撮影と、高崎のロングインタビューがありました。
インタビューは1時間にも及ぶもので、なかなか鋭い質問に「う〜ん」と言葉に詰まってしまうこともしばしば。
「どうして彼らに惚れてしまったのですか?」
「う〜ん、彼女に惚れた理由なんて、言葉ではなかなか説明できないし…」
と、言葉に詰まってしまいました。目の前でカメラが回っているので、「う〜、困った」と思いましたが、どうしようもありません。
彼らといっしょにいると楽しい、そばにいると心が安らぐ…と色々言ってはみたものの、なんかいまいち伝え切れていない気もして、言葉が続きません。
要は
「好きになっちゃったんですよ」
もう、それしかない。だから彼らのそばにずっといっしょにいたくて、ぷかぷかを立ち上げた、という単純な話。
「好きになっちゃう」
って、そういうエネルギーを生み出すのだと思います。言葉で「あーだこーだ」言ってても、こんなエネルギーは出てきません。だから誰かを好きになるって、侮れない。
彼らのこと好きになって立ち上げたぷかぷかで、やっぱり彼らのこと好きになってしまったお客さんがたくさん現れました。「好きになっちゃったよ」の連鎖です。
もちろん、「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」「その方がトク!」というメッセージを発信し続けていましたが、そのメッセージを見て、お客さんはぷかぷかさんのことを好きになったわけではありません。どこまでもぷかぷかさんと直に接し、出会ったこと。ここが出発点です。
大きなポイントは、ぷかぷかさんたちがありのままの自分で振る舞える環境があったことだと思います。だからお客さんが彼らの魅力に気づき、出会うことができたのだと思います。彼らを管理するような環境、彼らが自分らしく振る舞えない環境なら、お客さんが彼らと出会うなんてことはあり得ません。
で、彼らの魅力ってなんなのか。
彼らと出会い、「彼らのことを、なんだか好きになっちゃったよ」って思わせてしまうものです。それは、やっぱり彼らのそばにいて「心が安らぐ」「なんだかあたたかな気持ちになれる」「楽しい!」ってことではないでしょうか。
どうもそこのところは言葉ではうまく表現できません。やはりここは、彼らと直に接してもらうしかありません。
障害者はなんとなくいや、という人は多いと思います。やまゆり園事件では「障害者は不幸を生む」という言葉が拡散し、事件そのものは否定しても、このメッセ−ジには否定しきれないものを感じた人が多かったのではないでしょうか。
「いや、そうじゃない。彼らには素敵な魅力がある」という言葉くらいで、「障害者はなんとなくいや」と思っている人たちを変えることはできません。
やっぱり彼らとどこかで直に出会う。そこにしか人が変わるチャンスはないような気がします。
ぷかぷかはそういうチャンスをいっぱい作っています。お店に来ていただいてもいいし、お弁当やパンの外販先(区役所や子育て拠点)に来ていただいてもいいし、ぷかぷかの企画するイベント(様々なワークショップ、上映会)に来ていただいてもいいと思います。
「いや〜、なんだか彼らのこと好きになっちゃったよ」
って言い出す人がたくさん出てくるといいな、と思っています。
Eテレの放送日、決まりましたらまたお知らせします。