ぷかぷか日記

『街角のパフォーマンス』が電子本に

『街角のパフォーマンス』が『とがった心が丸くなる』にタイトルを変えて電子本になりました。  

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 30年前に書いた本です。でも、中身は古くありません。古いどころか、30年前でありながら、そこで作り出したものは、時代のはるか先へ行っていた気がします。

 「共生社会を作ろう」とか「ともに生きる社会を作ろう」といった言葉も、今ほど社会に広がっていない時代でした。障がいのある人たちに惚れ込み、一緒におもしろいことやろう!と、ただそれだけの思いでいろいろやっていたのですが、気がつくと、いっしょに生きる社会が小さいけれど自分のまわりにできていました。未来を先取りしていた、といってもいいかもしれません。

 支援とか指導ではなく、ただ一緒におもしろいことをやる。そんなフラットな関係で障がいのある人たちとつきあってきました。彼らとのそんなおつきあいのおかげで、今までにない新しいものが生み出せたように思います。新しい文化、といっていいほどのものです。障がいのある人たちがいることで生まれる文化です。障がいのある人たちを排除しない文化です。障がいのある人もない人もお互い気持ちよく暮らせる文化です。社会が豊かになる文化です。この本は障がいのある人たちと一緒に作り出した元気物語です。

 

 30年前に比べ、福祉の制度は格段に進化しました。その一方で、2016年7月津久井やまゆり園で19名もの重度障害の人たちが殺されるという悲惨な事件がありました。「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」という勝手極まりない理由で何の罪もない人たちが19名も殺されたのです。

 ところが、あれだけの事件でありながら、事件から4年たった今、社会は何も変わりませんでした。福祉施設での障がいのある人たちへの虐待は相変わらずです。障害のある人たちのグループホームを建てようとすると、多くの地域で反対運動が起こります。「自分の住む地域に障害者はいない方がいい」と多くの人が思っています。「障害者はいない方がいい」は犯人だけでなく、社会の意思でもあったのだろうと思います。

 

 障がいのある人たちを排除する社会は、許容できる人間の幅が狭くなります。みんなの心がとがってきます。お互いがどんどん窮屈になり、息苦しさが増すばかりです。

 そんな社会は、どうやったら変えられるのでしょう。それは私たちが障がいのある人たちといっしょに楽しく生きていくことだと思います。彼らとおつきあいすると、私たちのとがった心が丸くなります。社会が、ゆるっと緩やかになります。この本にはそのためのヒントがいっぱいあります。それを一つでもいい、自分の地域でやってみて下さい。まわりの社会が少しずつ変わってきます。

 

★文中「知恵おくれの子どもたち」とか「精薄」といった言葉が使われています。今は「知的障害」といわれていますが、当時の彼らに対する社会の視線が感じられるので、あえてそのままにしてあります。

 

★電子本はなんと900円。安いです。900円で元気物語を読んで、元気になれたら、これはすごくトク!です。

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