ぷかぷか日記

彼らといっしょに生きる理由、いっしょに生きる意味を語っている

 演劇ワークショップ、今年も中止にします。コロナ禍にあっては、みんなで思いっきり歌が歌えません。みんなでべちゃくちゃと芝居作りの話し合いができません。なので、去年に引き続き、今年もやめることにしました。

 とても残念に思っています。

 演劇ワークショップはみんなで芝居を作ります。演出家が書いた台本を元に芝居をするのではなく、みんなであーだこーだ言いながら芝居をつくっていきます。ぷかぷかさんたち、つまりは障がいのある人たちといっしょに新しいものを創り出すクリエイティブな関係にあるのです。

 彼らがいるからこそできるものが、ここから生まれます。彼らといっしょに生きると何が生まれるかが具体的に見えてきます。それはいっしょに生きる理由を明確に語っています。あーだこーだ理屈っぽい話ではなく、誰にでもわかる芝居という形で、彼らといっしょに生きる理由、いっしょに生きる意味を語っているのです。

 

 演劇ワークショップをやっていると、障がいのある人に向かって「あなたにいて欲しい」「あなたが必要」とごく自然に思えます。そう思える関係が自然にできるところが、演劇ワ−クショップという場の素晴らしいところです。ですから、でき上がった芝居にはそういった関係がいっぱい詰まっていて、見る人にもそれが伝わります。

 「あなたにいて欲しい」「あなたが必要」というメッセ−ジです。

 

 津久井やまゆり園事件で「障害者はいない方がいい」というメッセージが拡散されました。「あなたにいて欲しい」「あなたが必要」と思える関係と真逆の関係です。にもかかわらず、事件のメッセ−ジに共感する人がたくさんいました。社会の実情が見えた思いがしました。

 「それは違う」とはっきり言っていかないと社会がだめになると思いました。「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいい」と、今まで以上に言っていく必要があると思いました。

 それまで以上に演劇ワークショップには力が入りました。助成金申請書にも思いを目一杯込め、事件以降、100万円の満額回答を3年連続で勝ち取りました。

 にもかかわらず、それを諦めざるを得ない状況に追い込まれました。本当に悲しいです。

 来年になれば、新型コロナウィルスの感染状況が収まっているのかどうか全くわかりません。人と人のおつきあいがふつうにできない、というのは大きな社会的な損失を生むのだと思います。

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