ぷかぷかでは「みんなでいい一日を作る」を目標にしています。北海道から来たウエムラさん、昨日はでんぱたのぷかぷかさんといっしょにいい一日を作ったようでした。
でんぱたから畑に移動後、みんなで長靴に履き替えて作業準備。私は、トチモトさんと一緒に草抜きをすることになりました(魚住さんは、トチモトさんと私に石拾いをしてもらうつもりだったみたいだったけど、トチモトさんが草抜きモードに入っていたので草抜きに変更)。私たちが草抜きをする近くで、オオシマさんは石拾いをすることに。
場所をときどき変えながらしばらく一緒に草取りをしたあと、トチモトさん、仮設トイレが気になり始めたみたいです。トイレの近くに移動して、草を抜いてる?と思いきや、トイレ後ろのホースをいじったり、ドアとパタパタしたり、水流しレバーを下げてみたり、トイレ遊びが始まりました。私はそれを見ながら、「このホース、もとに戻さなきゃ」とか「あっち草いっぱい生えてるから、あっち行きましょう」とか、“正論”を言ってトイレから気を逸らそうとしましたが、見事に失敗して、「いいから、(あんたは)あっち(行ってて)!」と煙たがられる始末です(笑)。
トチモトさん、トイレから離れた次には、電動草刈り機のほうに吸い寄せられて、そこで草抜きを始めてしまいましたが、魚住さんが、「そこあんまり生えてないからいいよ。あっちたくさん生えてますよ。あそこでやりましょう」と、畑の真ん中あたりの木の下に誘導してくれました。たしかに背の高い草がいっぱい生えています。トチモトさんも、ボウボウの草を見てやる気になったのか、また真剣に草抜き開始。
しばらくして、すごく抜けにくい草の束に当たってしまったのか、トチモトさんが「うーん、うーん」と顔を少し歪めて唸り始めました。私はもう少し引っ張ったら抜けるかな?と思い、そのまま横で草を抜きながら「抜けないねぇ。もうちょっと、がんばれー」とか言いながら様子を見ていたのですが、いつまでたっても抜けません。見るに見かねて、(一気に引っ張ろうとし過ぎて抜けないのかなと思ったので)2つに分けて引っ張ってみたらどうですか?とか、ここはあとにして別の草抜きますか?とか声を掛けるものの、トチモトさんの耳には入りません。
仕方ないのでもう少し横で見ていると、トチモトさんが草をひっぱりながら、小さな声で、
「うんとこしょー、どっこいしょ」
と言い始めました。私も草をむしりながら、トチモトさんに合わせて
「うんとこしょー、どっこいしょー」
と言ってみます。トチモトさん、もう一回引っ張って、今度は
「うんとこしょー、おじいさん」
まるで絵本の『おおきなかぶ』みたいです。なんだか楽しい気分になってきた私は、ためしに、
「うーん、まだまだ抜けない。おじいさんの次は?」
と投げ掛けてみました。するとトチモトさん、
「おばあさん」
と返してきます。
わたし:おばあさんもやって来ました。もう一度みんなで…。うんとこしょー、どっこいしょ。
トチモトさん:うんとこしょー、どっこいしょ。
わたし:はぁ、まだまだ抜けません。おばあさんの次は誰が来ますか?
トチモトさん:まご!
わたし:はい、まごも来ました。
そう言う合間も、ヌノモトさんはウンウン唸りながら引っ張っています。
わたし:でもまだまだ抜けません。まごの次は誰が来ますか?
トチモトさん:ねこ!(絵本では、ここで犬が来ますね)
わたし:おお、ねこもやって来ました! もうそろそろ抜けるかなぁ…
「うんとこしょ」のやりとりはここで終わって、結局、上から引っ張っても引っ張っても抜けなかった草は、根っこからグッと掘り起こして抜きました。
この「うんとこしょ、どっこいしょ」のやりとりは、トチモトさんは、もうすでに覚えていないかもしれません。草を抜くのに一生懸命だった彼にとっては、何のことはない言葉のやりとりだったのでしょうが、私にとっては、とっても嬉しくて楽しい言葉のキャッチボールでした。おひさまの下でぽかぽかとあたためられる背中と同じように、私の心もぽかぽかじんわりあたたかくなりました。
「あっち行ってて」と言われて内心しょんぼりしたり(笑)、一緒に「うんとこしょー、どっこいしょ」をやって嬉しくなったり、今日はたくさん揺さぶられた1日でした。
こんなに楽しい草刈りがあったのですね。ぷかぷかさんのおかげです。スタッフだけでやっていたら、こんなに楽しい草刈りにはなりません。ぷかぷかさんと一緒だったからこそ生まれた楽しさです。働くことが楽しくなります。ぷかぷかさんに感謝!
「いっしょに生きていく」って、こういう日々を積み重ねていくことだと思います。「うんとこしょー、どっこいしょ」って、一緒に声を出したり笑ったりしながら…