ぷかぷか日記

その混沌とした音楽が、なんだか愉快でたまらない

昔、取材に来た若い新聞記者が、帰りの会に参加し、司会の進行そっちのけでいろんなことが起こっている帰りの会を見ながら

「これはカオスですね」

といったことがあります。帰りの会をとてもよく表した表現だと思いました。カオス、つまり無秩序で混沌とした状態でありながらも、でも、帰りの会はなんとなくまとまってちゃんと終わっていた(今はコロナで全員が集まる帰りの会はやっていない)ので、ま、不思議といえば不思議。そこがぷかぷからしいというのか、カオスは当たり前というのか、これこそがぷかぷかというのか、なんとも表現がむつかしい。でも、だからこそ、帰りの会はなんともいえず楽しかった。

 

 北海道から来ているウエムラさん、昼間っからそのカオス状態を見つけたようでした。

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 バラバラで混沌としているようで、それが「わんど」のメロディなのかな?

 今日の「わんど」での昼下がりのこと。

 いつも魚住さんが座っている席のあたりにいるセノーさんが、クククッと楽しそうに笑いながら(いたずらっ子みたい…)、またゲオに電話を掛けている。

 

セノーさん:『~~(映画の名前)~~』は、洋画ですか? 邦画ですか?
店員さん:それはー、洋画ですかね。

 

というやりとりを何回も繰り返す2人。ときどきセノーさんは、「いや、それは邦画アニメですよね」とか、なんとかですよね、と店員さんに異議を申し立てている(笑)。

セノーさんと店員さんのやりとりにクスクス笑う私の横では、テラちゃんが頭を机について、グーグーといびきをかきながらお昼寝中。

そして私の左後ろでは、赤いパーカーを着た男の子が、パチパチ手を叩きながら何やら体操中(片足上げて、足の下で手をパチッと合わせる体操みたいなのをしていた)。

セノーさんとゲオの店員さんの会話を彩るように、一定のリズムを刻むパチパチという手の音と、テラちゃんのいびきの音。昼下がりのわんどで生まれるそれぞれの音は、まったくバラバラな音のようで、ちぐはぐなメロディを奏でる一つの楽曲のようにも聞こえたのだった。その混沌とした音楽が、なんだか愉快でたまらない。

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 そう、この混沌とした状態だからこそ、そこから新しいものが生まれるのだと思います。世界が生まれる前、混沌が満ちていたように。

 混沌をなくし、ぷかぷかが秩序ある正しい集団になったりしたら、なんだか気色悪いし、居心地が悪くなります。このごちゃっとした、なんだかよくわからない雰囲気こそ、私はほっとします。

 「その混沌とした音楽が、なんだか愉快でたまらない」と語ったウエムラさん、いい感覚してるな、と思いました。

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