ぷかぷか日記

30年前よりも時代は前へ進んだのだろうか

『街角のパフォーマンス』の電子本が近々アマゾン、その他電子本サイトにアップされます。

www.pukapuka.or.jp

 で、その校正原稿が上がってきました。ほとんど原本のままなのですが、修正、加筆OKとのことなので、何を書こうかと考えています。

 基本はあの時代(30年前)よりも時代は前へ進んだのか、ということになります。目次の第5章に「いろんな人と出会える場があれば」と題して、新聞投稿「身体障害児の乱暴」の波紋を書いています。

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  電車の中で障がいのある生徒に赤ん坊の髪の毛を引っ張られ、そういう人をひとりで電車に乗せないで欲しいという投書が朝日新聞に載りました。私が勤務していた養護学校の生徒達も電車で通学している人がたくさんいましたので、学校として何らかのメッセージを出す必要があるのではないか、と職員会議で提案したのですが、反応はさっぱりでした。学校らしく指導を強化しようという声がかなりありましたが、そういう問題ではないだろうと思いました。

 こういう社会的な問題に対してきちんと向き合おうとしない、というか、学校というところは、そういうものがわからない人がほとんどでした。そんな中で、とにかく関心を持つ地域の人たちを集め、何度も話し合いをやった結果をこの本には載せているのですが、その時に問題になった社会的な問題、つまりは障がいのある人たちの社会からの排除という問題は、30年後の今、ほとんど解決できていません。

 やまゆり園事件がありました。「障害者はいない方がいい」と19名もの人が殺されました。障がいのある人たちのためのグループホームを建てようとすると、多くの場所で建設反対運動が起こります。「自分の住む場所には、障害者はいない方がいい」とやまゆり園事件の犯人と同じことを主張しています。出生前診断などを取り上げた『ルポ「命の選別」』では優生社会がどんどん広がっている現状をリアルに伝えています。

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 こういったことを考えると、30年たって、時代は前に進むどころか、更に悪くなっているのではないかと思います。

 そんな中で私たちはどうしたらいいのか。問題が大きすぎて頭がクラクラしそうですが、優生思想云々の大きな話ではなく、自分の手の届く範囲で、できることをコツコツやっていくことは、その気になれば誰にでもできることです。

 ぷかぷかの周りには「ぷかぷかさんが好き!」というファンがたくさんできました。ぷかぷかさん、つまりは障がいのある人たちが好き!なんていう人たちが増えるなんて画期的なことです。

 ぷかぷかが何かすごいことやったわけではありません。「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」「その方がトク!」としつこく言い続けてきただけです。言い続けただけでなく、そう思える中身を作ってきました。

 障がいのある人たちを社会に合わせるのではなく、「そのままでいいじゃん」と、彼らのそのままを差し出してきました。そのままの彼らが一番魅力的、ということをたくさんの人たちと共有できました。

 映画『Secret of Pukapuka』を見ると、「ぷかぷかさんが好き!」というファンが増えたヒミツが見えてきます。そのヒミツをあちこちで実践すれば、社会は変わっていきます。

www.youtube.com

 このプロモーションビデオを見て、おもしろそうって思った方はぜひ仲間と上映会やってみて下さい。上映会をやり、みんなで話し合う場を持つこと、それが障がいのある人もない人もお互い暮らしやすい社会を作っていくことにつながります。上映についての問い合わせはぷかぷかのホームページからどうぞ。

www.pukapuka.or.jp

 

 ぷかぷかが作ってきた物語をまとめた『ぷかぷかな物語』には、「ぷかぷかさんが好き!」というファンを増やすコツがいっぱい書いてあります。ファンが増えると、周りの社会が変わります。

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 30年前よりも時代は前へ進んだのか。『街角のパフォーマンス』を読むと、あらためて考え込んでしまいます。

 あーだこーだ言っても社会は変わりません。とにかくやれることをやっていきましょう。

 今、私たちが動かないと、社会はもっとひどいことになります。子どもたちに私たちはどんな社会を残せるのだろう、と思うのです。

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