先日瀬谷区役所で人権研修会をしました。人権についての講演をしたわけではありません。人権についてそれぞれが考える、それぞれの考えたことをみんなで共有する、といったことをやりました。人権という漠然としたものではなく、障がいのある人たちとどんな風におつきあいしていけばいいのか、といったことに絞って話し合いました。
その手がかりとしてぷかぷかの映画『Secret of Pukapuka』をまずみんなで見て、その時の気づきをまず5行くらいの詩に書いてもらいました。
その詩を6,7人のグループの中で発表してもらいました。グループの中で、それぞれの気づきを共有します。
次にそれぞれの書いた詩を一行ずつ切り離します。それそれの書いた詩を、グループの詩に編集し直すのです。一人5行ずつ書いて6人いれば、30個の言葉が並びます。その言葉をよく見て、はじめの方に来る言葉、終わりの方に来る言葉、真ん中あたりに来る言葉、という風に言葉を並べ直します。ここでの言葉を巡っての議論がとても大事です。この言葉はどういう意味なのか、何を表現しているのか、この言葉はグループの詩の中でどこに来るのがいいのか、といった議論です。議論することで、お互いのことがわかってきます。
そうやってグループの詩を作り上げます。
詩ができあがったら、その詩をみんなで朗読します。ほかのグループの人に向かって、自分の気持ちを声を出して届けるのです。こんな風にして、自分の思いを表現します。表現することで、言葉のひとつひとつに丁寧にふれます。
一人一行ずつ読みました。時間がなかったので、1回練習してすぐ本番でしたが、本当は何度も練習して、言葉を自分のものにしてから朗読すると、朗読自体が素晴らしい作品になります。朗読する方も、それを聞く方も、新しい世界に出会うことになります。
参加した人たちの感想
・ぷかぷかさんが毎日を楽しそうに生きていることが羨ましく思った。自分はこんなにも自由に生きているだろうかと自問しました。
・ぷかぷかさんに会ってみたい。パンを買いに行こうと思う。
・趣向の変わった研修で楽しめました。もう少し時間が長くても良かった。
・時間が短くかけ足になってしまったのが残念。
・コロナもそうだが、知らないことやわからないことが「怖さ」のようなものにつながっているのだと思う。知ってしまえば大したことないのに。
・現代は、「違うことへの許容範囲が狭い」世の中だと思います。映像にもあったように、違いは個性でしかないのですが。それを理解するには時間がかかるのかな。
・通勤中に毎日出会う障害のある方に、今度声をかけてみようと思う。
・近所にグループホームが建設されるとしても私は反対しないが、地域の皆さん全員が賛成かというと、そうではない気がする。(そもそも建設の説明責任はないと思いますが)
・公務員として、できることはなにかと考える良いきっかけとなりました。
気づきの言葉の中に
「みんな輝いている」
というのがありました。ぷかぷかさんの活動を見て、そんな風に気づいてくれた人がいたことはとてもうれしいです。
どうして輝いていたのか。
それは何かができるようになることではなく、
お互い「いい一日を作る」ことを大事にしているからだと思います。
社会に合わせるのではなく、自分らしく、いい一日を生きる。
それがみんなを輝かせているのだと思います。
あらためて思います。
やまゆり園で殺された人たちは、日々の活動で輝いていたのだろうか。
輝くような時があったのだろうか。
やまゆり園は、みんなが輝けるような場所だったのだろうか。
みんなが輝いていれば、みんなが輝けるような現場であれば、事件は起こらなかったんじゃないか、とあらためて思います。
福祉施設のみんなが輝くためにはどうしたらいいんだろう。