アマノッチの描いた猫
何を思っているんだろう。
いくつもの哀しみと、
怒りと、
悔しさを、
数え切れないくらい経験し、
それをもう通り越してしまったような目
諦めてはいるわけではない。
ただそこにうずくまって
こうやって 深い目で
世界を、じっと見つめている。
押し殺した思いが、静かに渦巻いている。
アマノッチの思いに、初めて出会えた気がする。
こんな目で見つめられたら、ちょっとたじろいでしまう。
でも、本当はいつもこんな目で彼らは私たちを見つめているに違いない。
それに私たちが気がつかないだけ。
だから、上から目線で彼らを見る。
彼らを見下す。
でも、この目に気がつくと、私たちの振る舞いは、とても恥ずかしい。
虐待が何度指摘されても、延々と見苦しい言い訳をするやまゆり園。
あなたたちを見つめているたくさんの、この深い目に気がつかないのか。
恥ずかしくないのか。
謙虚にこの目と向き合いたいと思う。
この目を見つめていると、
自分の生き方を問われている気がする。
この目の語る物語に、静かに耳を傾けたい。