やまゆり園事件で重傷を負った尾野一矢さんがやまゆり園を出て地域で暮らし始めました。
その取材をしている毎日新聞の上東さんのFacebookにいい言葉がありました。
重度訪問介護ヘルパーの極意は「いかに一緒にくつろぐか」だそうです。
長い時間一緒に過ごす介助者の仕事。
「仕事というよりただ、いっしょに生きること」〔大坪さん)
素敵な関係だなぁ。
「いかに一緒にくつろぐか」いい言葉だなと思いました。多分そういう感覚でいかないと、長い時間一緒に過ごす介護の仕事は辛くなると思います。というか、長い時間一緒に過ごす中で、大坪さんが見つけたんだと思います。ただ仕事だからでは、相手といい関係はできません。くつろぐ感覚があるから、この人といっしょにいよう、と思えます。そこから人としてのおつきあいが始まります。その気持ちは相手にも伝わります。だから、一矢さんも「かずやんち」の暮らしを楽しめるのだと思います。
自分の写真で恥ずかしいのですが、『support』という知的障害福祉研究の本の表紙を飾ったことがあります。
まさにお互いがくつろいでいる写真です。「至福の時」です。こういう時が、彼らと過ごしているといっぱいあります。それを大事にするかどうかで、彼らとの関係が変わってくるのだと思います。(養護学校の教員をやっている時、障がいのある子どもたちと出会い、彼らといっしょにいると心安らぐ時間、くつろぐ時間がたくさんあって、こりゃぁもう彼らとはいっしょに生きなきゃソン!だと思いました。その時の思いがぷかぷか設立の思いにつながっています)
福祉の現場の人たちが、みんなこんな感覚で仕事やりだしたら、この業界は介護する側もされる側もお互いがもっと居心地のいいものになるだろうな、という気がします。
尾野一矢さんがいたやまゆり園の人たちが、こういう感覚で働いていたら、やまゆり園はお互いにとって居心地のいいところになっていたと思います。そんなふうになっていれば、事件は起きませんでした。こういう感覚を排除してしまうものがやまゆり園にはあったのだろうと思います。それは何なのだろうと思います。