映画の冒頭、神奈川新聞の成田さんの言葉がいい。
居心地がいいのはぷかぷかさんのおかげです。40年ほど前、養護学校の教員になって、初めて障がいのある子どもたちとおつきあいすることになりました。いろいろ大変な子どもたちでしたが、それでも彼らのそばにいると妙に心が安らぐというか、居心地がよかったのです。
「彼らのそばにずっといたい」
とその時思いました。その時の思いがぷかぷか設立につながっているのですが、ぷかぷかが居心地のいいのは、やっぱりぷかぷかさんのおかげであり、彼らとフラットな関係にあるからだと思うのです。この「フラットな関係にある」ということがものすごく大事です。
以前福祉事業所が運営するパン屋、カフェに行った方が
「ぷかぷかに来るとほっとする」
とおっしゃっていましたが、支援という上から目線の関係がどういう場を作り出しているか、本質を言い当てた言葉だと思います。
演劇ワークショップという芝居作りの場は、この居心地の良さ、というものがあって初めて成り立つ場です。みんながあーだこーだ自由に発言でき、芝居作りに参加しなくてうろうろ自由に歩き回っててもいい、という誰にとっても居心地がいい、ということが発表会の素晴らしく自由な、楽しい芝居を作っているのだと思います。
うろうろ自由に歩き回っていた人たちも、最後の発表会ではみんなと一緒にちゃんと舞台に立っていました。誰かが指導したわけでもなく、気がついたらみんなと一緒にやっていた、という感じです。多分どこかで一緒にやるとおもしろい、ということがわかったのだと思います。
そういったことができてしまうのが、ワークショップという場のチカラです。映画はそのチカラがよく見えます。
進行役の花崎さんが、完成されたものを舞台に上げるよりも、彼らのエネルギーを感じられるものを上げる方が大事、といっていますが、彼らのエネルギーをビリビリ感じられる場面は、ちょっと幸せを感じるくらいいいです。
1時間5分ほどで、YouTubeで見るのはちょっと長いのですが、ごちゃごちゃの雰囲気の中で、いつの間にか芝居ができあがってきたりして、おもしろいです。
ぜひ見てください。
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