やまゆり園事件の検証委員会、先日の中間報告を持って終了するそうです。
《 記者が鳥井健二・利用者支援検証担当課長に「検証中止」の理由を尋ねると、しばらく沈黙した後、「……議会で答弁した以上のことは答えられません。調査は法人に任せている。今後は前向きな議論をしていく」と繰り返すばかり。》
と、記事にありましたが、「調査は法人に任せている。」って、どういうことなんだと思いました。
この法人、事件後一年たって再開されたホームページには
「昨年7月26日、津久井やまゆり園で起きました事件から一年になります。今まで多くの皆様にご迷惑やご心配をおかけしてきたところでございます。」
と、他人事のような挨拶があっただけで、事件に関する説明は一切ありませんでした。元従業員が犯した犯罪であったにもかかわらず、謝罪の言葉、どうして施設の職員が、施設の利用者を殺す、などという信じられないような犯罪が起きたのか、という検証も一切ありませんでした。
こんな法人であるにも関わらす、「調査は法人に任せている。」って、どういうことなんでしょう。何を根拠に「調査は法人に任せている。」のでしょうか。これほどまでに無責任な法人を県は信頼しているのでしょうか。
社会福祉法人はNPO法人に比べて、社会的な責任が大きいはずです。
「事件後、一切の謝罪、説明がなかったことについて、県は指導を入れた のでしょうか?」と以前、県に対して質問しました。
県からは「運営法人による謝罪や、説明責任の有無については、法人として判断すべきものであると考えています。」という回答が来ました。これが監督責任者のいうことか、と思いました。責任の放棄でしかありません。
「調査は法人に任せている。」という言葉も、そういう文脈の中での言葉なんだろうと思います。無責任極まりないです。
事件直後におこなわれた検証委員会の報告書には、やまゆり園でどのような支援がなされていたのか、という核心部分が一切ありませんでした。元現場の職員が犯した犯罪だったので、やまゆり園がどういう支援をやっていたのかは当然問題になるものだと思っていました。ところがその報告書にあったのは防犯上の問題ばかりで、事件現場がどうだったのか、という報告が全くありませんでした。
県としてはそこを出したくなかったんだと思いました。やまゆり園は県職員の天下り先として有名です。そういう関係があるから、やまゆり園は潰したくないのでしょう。そういう思いがありありでした。
ですから今回の検証委員会の終了、という記事も、ひどい!と思いつつ、県というのは、ま、そんなもんだろうと思いました。
犠牲になった人たちへの思いも、これからもそこを利用する人たちへの思いも、全くないのだと思います。
その一方で《ともに生きる神奈川憲章》なんて掲げたりして、恥ずかしくないのだろうかと思います。
県の批判をしたところで何も出てこないので、もうやめます。
問題は、自分で「何が問題だったのか」を考えようとしないやまゆり園をどうするかです。自分でそこを考えない限り、事件の温床は残ったままです。
どうすれば、やまゆり園が自分で考えるようになるのか。いいアイデアがあれば教えて下さい。