ぷかぷか日記

相手を否定するようなことを言ったりしない

 3月4日、朝日新聞朝刊横浜版、津久井やまゆり園事件の被告の裁判での証言が載っていました。

 

 「口調が命令的。人に接するときの口調じゃなかった。」

 「人として扱っていないと思った」

 「食事は流動食で、職員は流し込むというような状況。人の食事というよりは流し込むだけの作業に見えた」

 

 被告の証言通りであれば、福祉施設としてはひどい現場だったと思います。

 障がいのある人たちをほんとうに馬鹿にしています。相手を人として見ていません。こういうことが「支援」の名の下におこなわれているのだと思うと、なんだかぞっとします。

 こんなやり方で接すれば、相手はひどく傷つきます。そういうことがどうしてわからないのでしょうか?やまゆり園の人権研修はどうなっているのでしょうか?

 いや、人権研修なんかやらなくても、こういうことは普通はしません。普通はしないことを、福祉の現場の人間がどうしてやってしまうのか。支えるべき障がいのある人に対して、どうしてこんな対応をしてしまうのか。 

  この問題こそ、やまゆり園事件の裁判を機に、もう少し議論されるのかと思っていましたが、全くそういう機会もなく、裁判は終わってしまいそうです。

 

  たまたま昨日の神奈川新聞に、個別支援級の子ども同士のとてもいいおつきあいが紹介されていました。「共生の学び舎(上)笑顔で元気に学校へ」という記事です。

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 みさき君は自閉症で、学習障害があり、授業になかなかついていけず、2年生から不登校気味になったそうです。ストレスがたまり、頭を手でたたくなど自傷行為もあり、集団授業が苦痛になって、4年生から支援級に移ります。
 そこで出会ったのが、たから君。自分に自信が持てずに自己肯定感が低いみさき君は、いつも楽しそうで笑顔を絶やさないたから君がクラスにいることで学校に通うのが楽しくなったといいます。元々、年齢が下の子が大好きで世話焼きだが、同級生は大の苦手。同級生とけんかしてイライラしたとき、1学年上のたから君が何も言わずにそばにいただけで気持ちが和らいだといいます。

 みさき君のお母さんはこんな風に言います。

「たから君は、みさきに安心感を与えてくれる存在なのだと思う。相手を否定するようなことを言ったりしないので」

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 「相手を否定するようなことを言ったりしない」

 人とおつきあいする上で、とても大事なことです。それを重度障害のたから君が、ごく自然にやっていて、それにみさき君が救われているのです。

 

 「支援」の現場の大人が、どうして子どもにもできることができないのでしょう。

 

 9月5日(土)にこの問題を考える集まりをやります。

www.pukapuka.or.jp

 

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