今朝の朝日新聞「折々のことば」
不出来な私の過去のように
下手ですが精一杯
心を込めて描きました。
石垣りん
「私」は、ここに描いた空を、湖を、木々を愛していると「きっぱりと思っている」。
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思い出したのは昨日東久留米の上映会で見た第5期演劇ワークショップの記録映画『ほらクマ学校を卒業した三人』。
ぷかぷかさんと地域の人たちが悪戦苦闘しながら6ヶ月かけて芝居を作った時の記録映画です。できあがった芝居は決して上出来とはいえなくて、昨日の上映会では「シュールでわかりにくい」といった意見も出ました。
それでも私は見て欲しいと思うのです。
下手ですが、精一杯心を込めた描いたものです。
私は、ここに描いた空を、湖を、木々を愛していると、きっぱりと思っています。
あの6ヶ月、私たちがぷかぷかさん達とどのように生き、何を作り出したのか、を見て欲しいのです。
舞台での発表が終わった直後、参加した地域のおじさんが息を切らしながら「すごかった…ほんとうにすごかった…」と言葉少なに語る場面があります。ぷかぷかさん達とどんな出会いがあったのか、この途切れ途切れの言葉がすべてを語っています。
津久井やまゆり園事件が起こってしまうような社会にあって、障がいのある人たちに対し「すごかった…ほんとうにすごかった…」と語れるような関係、場を作り続けることは、すごく大事なことだと思います。何よりもみんながあそこで輝いていたのだから。
だから、私は、ここに描いた空を、湖を、木々を愛していると、きっぱりと思っているのです。
あなたの街でぜひ上映してください。上映に関する問合せはこちら