毎日新聞「相模原事件を考える」シリーズで最首悟さんの取材記事はとてもいい記事でした。
記事の最後、最首さんのこんな言葉で締めくくられていました。
「もし彼が本気で園の利用者と向き合って関係を作ろうとしていたら、この事件は起きなかったのではないかと思う。穏やかさは希望だと思う。 」
養護学校の教員になって最初に受け持った重度障害の子どもたち。日々いろいろ大変なことがありましたが、それでも彼らのそばにいると妙に心が安らぐ、というか、心が穏やかになりました。それまで電機メーカーで働いていて、常に生産性が求められ、心がかさかさになっていただけに、彼らにもらった思いもよらない心の安らぎは、
「 え〜っ こんな世界があったんだ!」
と、大発見した思いでした。そんな彼らと毎日おつきあいする中で、彼らのそばにずっといたいなって思うようになりました。そんな思いが、30年後、ぷかぷかを生み出したのです。
ぷかぷかに来ると心が安らぐ、というファンがたくさんいます。窮屈で息苦しい社会にあって、ぷかぷかさんたちが作り出すこの穏やかな空気感は、この時代にあって大きな希望だと思います。
容疑者が、重度障害の方との日々のおつきあいの中で、思わず目が合ってニッと笑うとか、何かの機会に一緒に大声で笑うとか、ふっと心が穏やかになるとか、心が安らぐとか、そんなことを経験していれば、事件は起こりませんでした。
相手との関係性が事件を引き起こすきっかけになったのだと思います。
そんなことを思うと、彼らとの関係の穏やかさこそが、この忌まわしい事件の中で、希望を生むのだと思います。