誰かが困っていれば、助けてあげるのが人間の社会です。そこが人間の社会のいいところだと思います。困っている人がいても助けないのは、人間の社会としてはまだ未熟、と言っていいと思います。
障がいのある人が子どもを持てば、いろいろ困りごとが出てきます。でも、そんなの「みんなで支えるよ」「みんなで引き受けるよ」「だから大丈夫!」という社会があれば、なんの問題も起こりません。
そもそも、子どもは社会の財産です。みんなで支える存在だろうと思います。
ニュージーランドの国会では赤ちゃんをつれて登院した議員がいたそうです。議会の審議中に、議長が議長席でベビーシッターを買って出たそうで、それがこの写真
国民みんなが赤ちゃんを支えているから、こういったことができるのだと思います。
日本の国会では、残念ながらあり得ない光景です。社会の成熟度が見える気がします。
「障害者は子どもを産むべきではない」という言葉は、社会の悲しい現実を表しています。社会に問題があるのに、障害者に問題があるように語られるこの言葉は、社会の現状を如実に物語っています。ニュージーランドに比べると、本当に寂しい社会だと思います。
養護学校の卒業生で、結婚して子どもを持った人がいました。ぷかぷかを始める前、生徒たちと陶芸教室をやり、作品を商店街のお祭りで販売していました。毎年のようにその卒業生が挨拶に来ました。「先生、私、結婚しました!」「先生、私、子どもができました!」「先生、私、40歳になりました!」と、毎年、大きな声でいろいろ報告しに来ました。旦那さんも連れてきました。ちょっと頼りない感じもしましたが、それでもめいっぱい幸せそうな夫婦でした。子どもができました、って報告があったときは、支えてくれる人がたくさん見つかったんだろうと思いました。卒業生のお母さんもがんばっていたようですが、やはりお母さん一人では支えきれないものがあります。そういう支えが見つかったから、お母さんは子どもの結婚を気持ちよく祝福できたのだと思います。
そういう社会が少しずつ広がっていくといいなと思います。子どもを支えられる社会こそが、豊かな社会だと思います。
いつの日にか、国会の議長席でベビーシッターをするような議長が現れたら、日本は本当にすばらしい国になれると思います。その時はもう「障害者は子どもを産むべきではない」なんて言葉もなくなっていると思います。