相模原障害者殺傷事件の犯人は
「意思疎通のできない重度障害者は人の幸せを奪い、不幸をばらまく存在。」
といいました。重度障害者は、本当にそうなのか。人の幸せを奪い、不幸をばらまく存在でしかないのか。
私が養護学校教員になって、最初に受け持ったのは、おしゃべりもできない、字も書けない、着替えも自分でできない、トイレの後始末もできない、いわゆる重度障害児といわれている子どもたちでした。
それまでそういった子どもたちと全くおつきあいしたこともなく、障害児教育も勉強したことがなかった私にとっては、毎日想定外のことばかり起こって、「ひゃ〜、どうしよう、どうしよう」とおろおろするばかりでした。ほんとうに「格闘」と言っていいほどの日々でした。
その「格闘」の日々で、くたくたになりながらも、子どもたちの側にいると、妙に心安らぐことを見つけました。相手が何もしなくても、ただ側にいるだけで気持ちが温かくなり、心が安らぐのです。
人の側にいて、そんな気持ちになるのは初めてでした。あれもできないこれもできない子どもたちなのに、側にいると、妙に心安らぐのです。
なんかね、彼らのことを好きになってしまったのです。重度の障がいを持った子どもたちが好きになってしまったのです。全く予想もしない物語が、ここから始まったのです。
彼らと、人として出会ってしまったのです。なまじっか「障害児教育」などというものをかじっていれば、多分こんなふうに彼らと、人として出会う、といったことはなかったと思います。彼らは、どこまでも指導の対象だったと思います。上から目線の関係であり、人として出会うとか、好きになってしまう、なんてことはあり得ません。
日々想定外のことをやってくれる彼らの前で、「ひゃ〜、どうしよう、どうしよう」とおろおろしたが故に、かれらと人として出会うことができたのです。
彼らの側にずっといたいと思うようになりました。ここが「ぷかぷか」を始める原点です。
彼らと出会ったおかげで、少なくとも私は人生、すごく幸せになったと思っています。彼らとの出会いがきっかけで、ぷかぷかを立ち上げました。そこで働くぷかぷかさんにたくさんの人がいい出会いをし、ファンになりました。彼らと出会って、たくさんの幸せをみんなもらっています。
8月3日の上映会は、その幸せが見える映画を、なんと5本も上映します。午前は『ぷかぷかさん カナダをゆく』『Secret of Pukapuka』の2本とカナダ珍道中のトークセッション。カナダへはぷかぷかさん4人が行きました。最終日、夜のダウンタウンでぷかぷかさんが一人行方不明に。みんな青くなって、「ひゃ〜、どうしよう、どうしよう」とおろおろしながら怪しい雰囲気のダウンタウンを探しまくりました。映画はそのときの緊迫感を克明に記録しています。
午後は『ほら熊学校を創業した三人ーぷかぷか版』(第5期演劇ワークショップの記録映画)、『すごろくワークショップ』(青葉区役所人権研修会の記録映画)、『ぷかぷかさんのいる町』と「相模原障害者殺傷事件を超える社会をどうやって作るか」をテーマにしたトークセッション。
相模原事件なんて関係ないよ、っていう人にこそ来てほしいので、入場料は無料にしています。ぜひ来て下さい。
入場料無料ですが、参加人数を把握するために入場券をpeatixでお求めください。
https://peatix.com/event/876796
会場費、映画制作費は実際に経費が発生しますので、当日会場でカンパを集めます。よろしくお願いします。
また当日来られない方で、上映会の趣旨に賛同される方は、ぜひ下記の講座にカンパを振り込んで下さい。
●郵便振替口座 口座記号 00260-4 口座番号 97844
加入者名 NPO法人ぷかぷか
●ゆうちょ銀行 NPO法人ぷかぷか 記号:10230 番号:19645501
●横浜銀行 NPO法人ぷかぷか 理事長高崎明
支店名 中山 口座番号 1866298