重度障害の方二人が国会議員になりました。どういうことが起こるか、わかりやすく書いたサイトがありました。
一番大事なことは、二人が議員になることで、国会議員たちがどう変わっていくのか、というところだと思います。
そのためにはどうしたらいいのか。国会議員たち全員が交代で二人の介護をすればいいと思います。当番表を作って、順番に介護するのです。水を飲むのも、トイレに行くのも一人ではできないので、誰かの介護が必要です。舩後靖彦さんはことばを発することができないので、コミュニケーションに時間がかかります。そういった介護を国会議員たちがやるのです。
重度障害者の介護経験のおそらくない国会議員にとっては何するにしても、すごく大変です。その大変さが、人間を鍛え、磨き、豊かにします。
ぷかぷかで働いているセノーさんは、ことばが出てくるのにとても時間がかかります。でも区役所の人権研修会の時、その待ってる時間に豊かなものを感じた、と感想を書いてくれた方がいました。
コミュニケーションに時間のかかる舩後さんを待つ時間を、豊かな時間として受け止めてくれる議員が増えてくれば、すごいことだと思います。
国会のことなので、テレビが入ります。テレビを見ている人みんなが、その時間を共有できます。議員たちがいらいらしていれば、みんながそれを見ることになります。
何かと「生産性」を口にすることの多い議員たちは、この時間をどう受け止めるのでしょう。すごく楽しみです。
1年もたつと、何度も当番に当たって、介護を通してのいろんな発見、気づきがあります。
安倍総理には、重度障害者が議員になって何が変わったのか、社会にとってどういう意味があったのかを、ぜひインタビューしてほしいと思います。
その際に、相模原障害者殺傷事件が起こったとき、一国の総理としてひとこともメッセージを発しなかったが、今はどう思うのかもぜひ聞いてほしいと思います。
二人とちゃんとおつきあいしていれば、事件の受け止め方は以前と全く違ったものになっているはずです。そこをぜひ聞き出していただきたいと思っています。
ハード面での変更は、お金をかければなんとかなります。一番やっかいなのは人が変わるということです。国会議員がどう変わるか、みんなで注目しましょう。
国会議員が変われば、様々な制度が変わり、社会が変わります。障がいのある人たちの社会的生きにくさも、少しずつですが改善されると思います。彼らが生きやすい社会になれば、みんなが生きやすい社会になります。