桜美林大学の林先生が感想書いてくれました。林先生とは「NPOと企業、大学を結ぶマッチングのミーティングでお会いしました。そのとき私が言っていた「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がトク!」の「トク!」の意味がよくわからないと、まずお店にやってきました。お店に来ても、まだいまいち腑に落ちないと、今度は演劇ワークショップに参加。6ヶ月、ぷかぷかさんたちに揉みに揉まれ、最後は舞台にいっしょに立ち、ようやく「これはトクだ!」と納得したようでした。
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大好きなぷかぷかさんが本になりました!
ぷかぷかの代表高崎さんが本を出版!これはわたしの新たなバイブルになりそうです!
わたしの第一の感想は「勇気をもらえる」!
自分の生き様を本に書けるほど素敵な人生を送っている人って世の中にどれくらいいるのでしょうか。
先日70歳になったという高崎さん。わたしが70歳になったとき、「本にしたい!」と思える人生を送れているかなと自分をふりかえってしまいました。
養護教諭を退職してからNPO法人ぷかぷかを立ち上げた高崎さん。その道中は無計画、試行錯誤の連続と言ってもいい。
でも、その核にはぶれない強い信念が見えます。
自分の直観を信じて、まっすぐに目標を目指す高崎さん。その目標とは「障がいのある人と一緒に生きていった方がいいね。」「一緒に生きていった方がトク!」というもの。
とにかく「やりたいからやる!!!」(このことば、すごくいい!!!)
世の中を動かす人たちに共通していることって、この「やりたいからやる!!!」っていう自分の直観を信じる強い気持ちと行動力だと思います。
そういう人たちを見てると、不思議なことにご縁が向こうからやってくる~!!!
ご縁を呼び寄せてしまうほどの「やりたい!!!」という気持ち。
社会や教育について研究をしながらも、現実では色々なものに絡めとられて身動きができなくなっているわたし。
この本を読んだらそんな自分を相対化することができて、なんだか人生って本当はもっとおもしろいものなんじゃないかと思えてきました。
「人生」というものに希望が見えてきて、勇気が出てきました!
わたしも自分の直観を信じたい!!!
二つの目の感想は、この本のテーマである「障害のある人と一緒に生きていった方がいいね」について。
2015年にNPO法人ぷかぷかを知って、高崎さんの言う「トク」の意味が分からなかったわたしは、その年の演劇ワークショップに参加。
昔から自分で体感しないと理解できないタイプ。
ぷかぷかさんと演劇ワークショップを通す中で、「人間」という存在、一人ひとりの違い、一緒に何かを創り出すことのおもしろさと難しさ、「障がい」と社会、身体と学び、歌の力、などなどたくさんのことを考えました。
でも頭だけで考えるのではなく、ぷかぷかさんと演劇ワークショップで触れていたら、すーっと「トク」の意味が文字通り腹に落ちた。
そこからは身体丸ごとぷかぷかさんのファンに!!!
これはいくちゃんことてらちゃんが毎回「いい子いい子~♡」って「ギュっ」てハグしてくれることがきっかけになったのだと思う(多分、いくちゃんはわたしのことを猫ちゃんか何かに近いものだと思っているのだと思う)!
この「あたたかさ」「包容力」「自然さ」「居心地の良さ」って何なんだろう?って思った。
今考えると、本来「人間」って一人ひとりがそういう存在なんじゃないかと思う。
人間存在を自然体でCelebrateしてしまういくちゃん恐るべし!
こんな風に自然体で生きているぷかぷかさんと一緒に生きていく道を切り開いてきた高崎さん。
そこにあるのは同じく「自然体」で生きる高崎さんの姿なのだと思う。
「自然体で生きる」という、人間が本来持っている姿を引き出してくれたのが障がいを持っている人たちとの出会いだったのだと思う。
「障がいがあるから支援しよう。」「障がいがあるから共に生きよう。」ではない<障がいのある人と一緒に生きていく姿>。
これこそが高崎さんのいう「新しい文化」。
うちの師匠が言っている。
「文化」とは、「固定的なものではなく、可変的で動的なもの。」
だからこそ、「文化」とは「共に創り出すもの」。
人間は「文化づくりに参加」することができる存在なのだ。
「文化」とは、「人間社会を取り囲むさまざまな問題に対して、伝え、採用し、あるいは新たに創造する解決策の全体。」(ベルギーの社会学者:ティエリ・ベルヘルスト)なのだ。
高崎さんを見ていると、<文化づくり>ってこういうことなのだと思う。
感染した人々と一緒に新しい文化を創り続けているぷかぷかさん。
「障がい」に関心のある人にもそうでない人にもぜひ読んでいただきたい一冊です!
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「文化」とは「共に創り出すもの」。本当にそうだと思います。
私が「文化」を口にし始めたのは、30年くらい前に養護学校の子どもたちと地域の人たちでいっしょにワークショップをやり始めた頃でした。
「ここで創り出しているのは、新しい文化じゃないか」
って。でも、当時は何を言ってんだ、そんなの言い過ぎだよ、という雰囲気で、誰も振り向きませんでした。
振り向いてくれたのは、それから30年以上もたった2015年のことでした。
《「福祉」という言葉から抱きがちな「施し」のようなイメージを打破し、本来はそこから新しいトレンドやカルチャーを生み出し得る創造的作業だと思うからあえて「福祉文化」と表現しました…》
と、読売福祉文化賞を受賞したのでした。なんと100万円ゲット!です。やったぁ!って感じ。
30年たって、ようやく時代が追いついた、と言っていいのかも知れません。
林先生がいいこと書いています。
《「文化」とは、「人間社会を取り囲むさまざまな問題に対して、伝え、採用し、あるいは新たに創造する解決策の全体。」》
ぷかぷかが創り出しているのは、「新たに創造する解決策の全体」なのだと思います。
彼らの声に静かに耳を傾けてほしい。いろんなところで行き詰まりを見せる今の社会にあって、その解決策をぷかぷかは提案していると思います。障がいのある人たちの社会的生きにくさの問題だけではなく、社会全体が抱えている息苦しさに象徴される問題です。
「文化」とは「共に創り出すもの」なのです。彼らといっしょに生きていくことで生まれるもの、それが「新しい文化」です。ひょっとしたら、みんなを救うような「文化」です。