『ぷかぷかな物語』の感想いただきました。
●●●
本全体に障がいのある人たちと一緒にいることの意味が様々な場面や切り口で語りこまれていて、なるほど!と唸る場面が多々ありました。共に生きる、と大上段に考えるのでなくて、面白いから付き合ってると、ああ、一緒に居たほうが良いんだなとわかってくるところなど、とても好きです。
それと、接客マニュアルを一度やってみたけどなんだか気持ち悪くてやめた、という話が大好きです。やめてみたらお客さんたちからの反応がめちゃくちゃ良くなった、というのは痛快です。
また、考えさせられ、今も答えが出ないのは、障がい者の仕事で、単純作業ばかりをやらせるのはどうか、という話です。単純作業ばかりだと飽きて嫌に思う人もいれば、一方でそれが楽しいと思う人もいるんだから、それって、障がいのある人たちだって同じじゃないか、という、言われてみれば、極く当たり前の事ではあるのですが、僕は気づいていなかった、あぁ、また固定観念に囚われていたのか、と考えさせられました。
いま手元に本が無いのですが、後書きには沢山、線を引きました。 意味合いとしては、小さいうちから、障がいのある人たちとの壁を作ってしまって触れ合わないことにより、この世界が他人を許容しない、より狭い世界になっていっていくのではないか、という趣旨のお話は、我々が多文化共生だの何だの言いながら、根底のところで、自分と同質ではない他者を排除しようとする生き物と成り下がってしまっていることの核心を突いていると思いました。
●●●
「共に生きる、と大上段に考えるのでなくて、面白いから付き合ってる」
ことに気づかれたことは、とてもよかったと思います。世の中「共に生きる」という言葉がはやっていますが、なんかね、かっこよすぎる、というか、私は気恥ずかしくてついて行けない感じです。やっぱり彼らといっしょに生きる毎日は、素直に楽しくて、おもしろいのです。それをそのまま前に出して彼らとつきあっていった方が、長続きするし、絶対にいいと思いますね。
本に書いたたくさんの物語は、彼らといっしょに生きる楽しさ、おもしろさから生まれたものです。
もう一つ、ぷかぷかを始める前に横浜市と神奈川県がやっていた「空き店舗活性化事業」にエントリーしたときの担当者の感想です。最終審査のプレゼンテーションに遅刻し、「今どこにいますか?」とハラハラしながら電話をかけてきた方です。
種類審査したり、ヒアリングしたり、プレゼンテーションを聞いて、ビジネスとしては頼りない感じはするけど、
「何かおもしろい展開が期待できそう」
って判断し、なんと650万円もの資金を提供してくれました。
●●●
これまでの高崎さんの挑戦の軌跡がとてもよくわかり、
空き店舗事業のプレゼンの時に語っていた夢を実現されている様子に感動しま
した。
やはり、開業当初は相当苦労されたんですね。
もっとお手伝いすればよかったと後悔しています。
しかし、あの時の高崎さんは、他の創業者と同じように、凛として深入りさせないも
のを持っていました。
あと、あの時私が考えていたのは、
「会社という世の中の仕組みに対応することが難しい人でも、地域の中では何とか食
べていける仕組みができないだろうか。商店街がその役割を果たせないだろうか。」
「障害を持った人でも、自立して食べていけるだけの賃金をもらうことはできないも
のだろうか。」
というようなことでした。
ですので、高崎さんにそのことにチャレンジしてほしかったのです。
高崎さんが本で書かれているように、すぐにはお金に結びつかないかもしれないけれ
ど、その人特有の価値(人の心を豊かにするなど)を生み出すことで、全体としてそ
のまちで暮らしていける仕組みを作られたことは、私にとっても大きなヒントになり
ました。
まだまだ、完成形ではないと思いますが、これからも自然体で今まで通り頑張ってく
ださい。
●●●
この方は今は部署を移られたようですが、今、空き店舗活性化事業を担当している人に本を回してくれたそうです。
空き店舗活性化事業で資金投入した結果、何を生み出したか、がとてもよくわかる本だと思います。ぷかぷかは、いただいた650万円の何倍もの価値を生み出したと思っています。
もちろん最初からそれがわかっていたわけではなく、ああ、もうあかん! もうだめ!と何度もこけそうになりながら、生み出せた価値です。ぷかぷかさんがいてこそ生み出すことができた価値です。
本を読んでの感想、気づき、どんなことでも結構です。高崎までお送りください。送り先はtakasakiaki@blue.plala.or.jp
『ぷかぷかな物語』アマゾンの販売コーナーのカスタマーレビューにも感想書き込んでください。