『横浜に子どもホスピスを〜新しいゆめのかたち〜』の 新しい映像ができました。
元ぷかぷかさんで4年前、脳腫瘍で亡くなったしんごっちのお母さんがこの「横浜に子どもホスピスを」の設立に奔走していました。
映像を見て真っ先に思ったのはしんごっちのことでした。しんごっちがここにいる!って思いました。
しんごっちは生きる楽しみを見つける名人でした。脳腫瘍の手術のあと、余命数ヶ月、といわれる中で、しんごっちはベッドの上でわくわくするような動画を自分のiPhoneで撮っていました。
何かが入っている箱を開けていく動画です。パッケージが少しずつほどかれて、何が出てくるんだろう、と見ている方がわくわくするような動画です。ところがこの動画、よく見ると、病院のベッドで撮ったものでした。しんごっちの足が少し写っていて、足首に病院のラベル(患者番号を書き込んだもの)が見えました。何のことはない、脳腫瘍の大手術を終え、まだ入院している頃に撮ったものでした。
脳腫瘍は完全には取りきれず、多少余命が伸びた、という時期です。そんな状況に自分がおかれたら、精神的にかなり追い込まれ、何かをする気力があるだろうかと思ってしまうのですが、しんごっちは狭いベッドの上で動画を撮ったのです。しかも見る人がわくわくするような動画です。
私なら、多分自分を保つのに精一杯になるだろうと思われる状況の中で、なおも生きる楽しさを見つけ、しかも人を喜ばせようとしているのですから、本当にびっくりしました。
どんなに厳しい状況にあっても、人は命のある限り、その命を輝かせるのだと思います。しんごっちはそのことを目に見える形で教えてくれました。
そういうしんごっちの生き方がそのまま「横浜子どもホスピス」の理念になっていると思いました。
そんなことを思って、映像を紹介してくれたFujikiさんのフェイスブックに「しんごっちのメッセージ」と題したブログを投稿しました。
このブログに、映像を構成した宮原さんがこんな感想を寄せてくれました。
1年くらい前、絵の展覧会をしていた安井さんのオフィスにお邪魔してお話する中で、信吾くんがぷかぷかにいらしたことを知りました。彼の登場する日記、こんなにたくさんあったんですね。ありがとうございます!
信吾くんの電車の絵、特に銀河鉄道の夜の絵、大好きです。宮沢賢治が同時代に生きていたら、絶賛していたに違いありません。絵本が生まれていたかも…。
「こどもホスピス」3連作の動画のひとつは、安井さんのご自宅で、信吾くんのベッドのすぐ横でインタビューしながら撮影しました。いろんな思いがこみ上げて私のほうが涙が止められませんでした。信吾くんとの”出会い”は、私にとっても一生の宝物です。
しんごっちは、今もこうやって新しい出会いをもたらしてくれます。