1月14日(月)福岡で開かれるワークショップ、上映会、トークセッションのテーマは「障がいのある人たちと働く意味を考える」です。
このテーマは障がい者雇用の一番核心部分です。どうして障がい者雇用をするのか、というのは、現場の人間にとっては「障がいのある人といっしょに働く意味」を考えることです。そういう現場目線での議論が今まで皆無だったと思います。
「障がい者雇用」はどこまでも雇い主の発想です。「一緒に働く意味を考える」のは、現場の人間の発想です。
そんなことを考えると、今回のテーマはものすごく大事なことをみんなで考えていこうという画期的な試みだと思います。障がいのある人たちと一緒に働くことの意味を考えることは、そのまま社会に障がいのある人たちを引き受けていくことの意味を考えることです。それは社会の幅が広がることであり、社会の豊かさにつながります。
で、1月14日(月)は、午前中、2時間程度の簡単なワークショップをやるので、そこでもそのテーマについて少し考えてみようかなと思っています。
具体的には三つくらいのグループに分かれ、障がいのある人たちが職場にいるときに起こるトラブルを想像します。そのトラブルの場面を三つくらいの彫像(体を使って彫像になる)で表現します。
たとえば、
①いつも上司に「遅い」とか「効率が悪い」といってしかられている場面
②「そうだそうだ」と上司の考えに同感する人と、「仕事は遅いけど、彼がいると楽しい」とか「彼がいると、みんなが癒やされる」と彼の見方になってくれる人が議論している場面。
③結局生産性の論理が勝ち、彼はやめることになってしまいます。さて会社はその後どうなったでしょう、を考える場面。
三つの彫像ができたら、それに台詞をつけて、彫像を動かします。簡単な芝居が動き始めます。
③で会社は効率の悪い部分を切り捨てたことで、その後より発展したのかどうか。それとも何か空洞のようなものができたのかどうか。グループのみんながそれぞれの思いを存分に語るといいと思います。
これで何か問題が解決するわけではありません。でも、何が問題なのか、が少し見えて来ると思います。どうすればいいのか、も。
芝居は自由な世界です。芝居の中の人物になって、ふだんよりももっと自由に語れます。ふだん思っていることを思いっきり芝居の中で語りましょう。そうすることで、何か新しいものが見つかるかもしれません。
「障がい者雇用」について、テーブルを挟んであーだこーだ議論するのとは全く違う発想で問題を考えることになります。
そうなると、今回のワークショップ、すごく楽しみなものになります。