栃木県から新幹線に乗って演劇ワークショップに通っている親子が第4回に参加した感想を送ってくれました。お二人ともセノーさんといい出会いをしています。お母さんと高校生の息子さんの感想です。
●●●
八月から始まったワークショップもいよいよ最終章に突入ですね。今回も飛んだり跳ねたりと、老体にムチ打って(笑)、ぷかぷかさんたちと一緒に楽しい時間を過ごすことができました。
ワークショップが終わって帰宅すると、身体は疲れているんですが、辛くはなくて「あぁー、 疲れたなぁー」とか思うんですけど、その疲れが心地よいんですよね。またあそこに行って
ぷかぷかのみんなと顔を合わせたいなという前向きな気持ちです。
午後の台本を読んでのお話つくりでは、今回もヨッシーと組んでどうしょうか、こうしょうか、と知恵をふくらませました。なまねこ、なまねこ、というセリフをなんまいだー、なんまいだーといって練習するヨッシーには笑えました。相変わらずのヨッシーの演技力には感謝感激です。
この本気の人たちと一緒にずっと関わっていきたいなぁーって思ったりします。ワークショップに参加する前、最初は「してあげる」つもりだったのに、毎回私はヨッシーに頼りきりで「してもらって」いたりする。『してあげる』『してもらう』関係でなく、お互いを理解して一緒に成長することができる、こんな体験はやってみないとソンですよね。
また、今回活動の中でセノーさんとたくさんお話しすることができました。今までセノーさんに何度か話しかけてはいたのですが、無言でうなずかれるだけで会話が成立しませんでした。 それがなにがどうしてどうなったのか、手を放してくれず(笑)、いろんな表情のセノーさんと接して、お腹がねじれるほど笑いあって、心が癒されました。
ヨッシーは私をきょんたんというニックネームではなく、ぴょんたん、ぴょんたんと言って呼んでくれます。チカちゃんからはワークショップが終わるたびに必ず、「今日はお疲れ様でした。気を付けて帰ってね」などといった優しいメールをいただきます。ぷかぷかさんたちから、ぷかぷかのメンバーにはいっていいよーって受け入れられたようで嬉しくなります。
障がいがあるないとか関係なく人間が人間を受け入れてくれるって嬉しいよね…そんなふうに感じて、私の幸福度は今回もさらにup↗しました。
きよみ
空手で前回のワークショップをお休みしたので演劇ワークのことを長く忘れていた僕は
行くのが遠いし、ちょっとしんどいなって思ってきて、準備したにもかかわらず玄関先で「もう今日は行くのやめよう」と言いました。
でも、つかさくんが次のワークショップでお昼に蕎麦を食べよう!と何度も声をかけてくれて約束していたのを思い出し、がんばって新幹線に乗り込みました(笑)
休憩時間にジュースを飲もうと自販機の前に立ち、何を飲もうかなと考えていたら、セノーさんが隣にいました。そして僕の横に立ち、「何のむの?」か「ジュース飲むの?」か、ちょっとはっきり聞き取れにくかったんですが、そう言って僕に声をかけてきました。初めて出会った時の“いす乗っ取られ事件”(笑) があってからセノーさんとはもう話すことはないだろうな・・・と思っていたので話しかけられてもう、びっくりしました。思わず僕は「う、うん何にしようかな」とコーンポタージュを買いました。そしたらセノーさんも「僕も買おう」といってジュースを買い、とくに会話もなく二人で立っていました。すごく短い時間でしたが、セノーさんの温かい表情にその場の空気がすごく居心地よく感じて自分の心の変化にも驚きました。
「“知的障害者”という特別な人とどう付き合ったらよいのだろう。僕には無理だ」という構えや迷いを捨てて「これから仲良くなりたい初対面の人」というところから始めることが大切なのかなと思いました。そして「自分のこともわかってもらおう」という気持ちが僕にかけているところかなと自分を見つめなおしています。
自分の行動を工夫すれば相手の行動も変わっていくのかなと思いました。
大我