【知的障がいのカップル挙式 地域の祭りで「村人前式」】は胸が熱くなるほどのすばらしい記事でした。
記事の中でいいなと思ったのは、花嫁のお母さんが二人のことを村の人たちにまかせたところです。お母さんは神戸、二人は丹波です。列車で2時間半ほどかかります。
以前、卒業生が当事者同士で結婚したことがありました。たくさんの人たちが支えていましたが、中心はやはりお母さんでした。その当時はまだ教員をやっていたので、地域のつながりなどといったものはあまり見えていませんでした。
でもぷかぷかを始めてから、地域のつながりの大切さに気がつきました。だからこそ、お店だけでなく、パン教室や演劇ワークショップ、アートワークショップ、様々なイベントでたくさんのつながりを作ってきました。地域のつながりに支えられて、いまぷかぷかは霧ヶ丘で様々な事業が展開できています。
そういう目線でこの記事を読むと、お母さんが二人をまかせた地域社会が見えてくるのです。信頼できる地域社会。それはやはり二人が働いている事業所がこつこつ作ってきたのだと思います。その努力の上に、村民あげて二人をお祝いしよう、という雰囲気ができたのだと思います。公的な支援はもちろんあると思うのですが、それ以上に村の人たちの泥臭くてあたたかい支えです。こういう関係は黙っていてもできるものではありません。はやり事業所が積極的に地域に出て行き、関係を作ってきたのだと思います。
いつかぷかぷかにもこんなカップルが現れたらなぁ、と思っています。ぷかぷかには支えて下さるファンの方がたくさんいるので、カップルが現れたら、すぐにでも応援団ができるのではないかと思います。昨日もテラちゃんが若い男性といっしょに撮った写真をアップしていたら、「フィアンセですか?」なんて書き込みがありました。
カップルが一緒に暮らすには何が必要なのか、家はどうするのか、家賃はちゃんと払えるんだろうか、毎日のごはんはちゃんと作れるんだろうか、そのための買い物は大丈夫だろうか、そもそもお金の管理は大丈夫だろうか、等々、心配すればきりがなく、次々に解決しなければならないことがいっぱいでてきます。
更には子どもができたらどうするのか、ちゃんと二人で育てられるんだろうか、それが難しいときはどうしたらいいんだろう、等々、難しい問題が次々に起きてきます。
どこまで本人にまかせ、どこからお手伝いに入るのか等々。
それらを一つ一つみんなで考えていくのです。考え、解決していく中で、私たちが鍛えられます。地域社会が本当のチカラを持つことになります。
丹波の村の人たちのそういったチカラの上に、このカップルの挙式があったのだと思います。