ぷかぷか日記

『ぷかぷかな物語』もしくは『今日もせっせと耕して』

 本の原稿ができあがり、先ほど現代書館の編集者に送りました。編集者は季刊『福祉労働』という硬い福祉の本を30年くらい出し続けてきた人です。

http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-2360-8.htm

 大阪で発行されていた『そよ風のように町に出よう』と並ぶ、こつこつやってきた福祉の本です。亡くなった『そよ風』の編集長河野秀忠さんは、

「『福祉労働』を東の古典落語とすれば、『そよ風のように町に出よう』は上方漫才やな」

といっていたそうですが、河野さんらしいうまい表現だなと思いました。

 『pukapukaな時間』を絶賛していましたので、多分そういう雰囲気の本になるのではないかと思います。

 

 8年前、「障がいのある人たちと一緒に生きていこう」「その方がトク!」と書いた柱を広場の真ん中に立てました。ぷかぷかさんを中心に、少しずつ人が集まり、そこからたくさんの物語が生まれました。その物語を集めたのがこの本です。

 題して『ぷかぷかな物語』。(本の名称はこれから編集者と話し合います。)あるいは『今日もせっせと耕して』。

 『ぷかぷかな物語』は『pukapukaな時間』に対抗するわけではないのですが、しっかりと物語を書き込んだものです。

 『今日もせっせと耕して』は、編集者から、障がいのある人たちと健常者が分けられていることで、様々な問題が起きている。ぷかぷかとしてそのことにどう向き合うのか書いて欲しいとリクエストがあり、あとがきにかえて書いたのが「今日もせっせと街を耕して」。制度的にアーダコーダいったところで何も変わりません。ではぷかぷかは何をしているのかと考えたときに、分けられた社会の中で尚もぷかぷかさんたちがファンを作り続けているわけで、これはまさにそんなふうにして分けられた街を耕しているんだと気づき、「今日もせっせと街を耕して」と題してあとがきにかえました。あとがきのタイトルですが、本のタイトルとしてもいいなと書いてから思いました。「街を」を外して、「今日もせっせと耕して」の方がなんとなくノリがいいですね。『今日もせっせと耕して』に、「街を」を吹き出しにしてくっつけると楽しいなと思っています。サブタイトルにするといいのかも。

 本の目次は以下の通り。

 

はじめに

第1章 物語のはじまり

1−1 「養護学校でもいい」と思って働き始めたら、病みつきに

1−2 障がいのある人たちに惚れこんでしまったー

                    すべてはそこから始まった

1−2−1 ゲハハハ ガハハハ

1−2−2 カンカンカン あたりぃ!

1−2−3 社長の方が何倍もいい顔

1−2−4 障がいのある子ども達に育ててもらった

 

1−3 みんなでパン屋やろうぜ

1−4 夢の始まりーNPO法人の申請書を書く

1−5 とにかくやりたいからやるーそれが福祉起業家

1−6 650万円ゲット!

1−7 2000万円を超える見積書にじわっと冷や汗 

 

第2章 パン屋を始めたものの

2−1 商売のことを何も知らずに始めた「素人パン屋」

2−2 近隣から「うるさい!」と苦情の電話が入り、半年間は針のむしろ

2−3 この1枚の写真を撮るために4年かかりました

2−4 プロから見れば、もう見てられない

 

第3章 なんだ、そのままでいいじゃん   

3−1 気色悪くて接客マニュアルはやめた

3−2 ひとときの幸せをいただきました

3−3 ぷかぷかウィルスに感染! そのお客さんは

3−4 そのままでいいなら、今まで努力は見当違い?

3−5 彼らに社会を合わせた方がいい

 

第4章 ぷかぷかのお店

4−1 おいしい給食が「ぷかぷか三軒長屋」に

4−2 カフェベーカリーぷかぷか

4−3 おひさまの台所

4−4 アート屋わんど

4−5 ぷかぷかさんのお昼ごはん

 

第5章 まっすぐに前を向いて生きています

       ー障がいのある人が働く、ということ

5−1 知的障がいの人にはほんとうに単純作業が向いている?

5−2 一大決心で飛び込んだぷかぷか

5−3 「まっすぐ前を向いて生きています」という言葉が出る職場

5−4 障がいのある人たちへの人生への配慮が抜け落ちているんじゃないか

5−5 仕事の持つ意味が、ぐ〜んと豊かに

5−6 ビジネスの面白さで毎日が楽しい

5−7 一石五鳥のソーシャルビジネス

 

第6章たくさんのつながりを作る

6−1 パン教室はぷかぷかさんとのおいしい関係

6-2 ぷかぷかしんぶんでお客さんを作ってきた

6−3 ありがとうカードが手描きで10万枚

6−4 なんでまたパン屋が子ども達にオペラをプレゼント

 

第7章 障がいのある人たちといっしょにあたらしい文化を作る

7−1 識字教育としての演劇ワークショップ

7−2 障がいのある人たちと演劇ワークショップ

7−2−1 障がいのある人に「あなたにいて欲しい」「あなたが必要」と

     しみじみ思う関係

7−2−2「海のぬいぐるみ」だって?

7−2−3 時代が追いついた

7-3 第一期みんなでワークショップ「森は生きている」ぷかぷか版 

 7-3-1 人形に魂を入れるのがむつかしかった

 7−3−2 手話で「もえろ もえろ」

 7−3−3 みんな悪意がないんだね

 7−3−4 このわがままな人間たちをどうしたらいいでしょうか?

 7−3−5 げんさん、タケちゃん、じゅんちゃん

 7−3−6 まーさんの物語

 7−3−7 なぜ彼らといる時に、ゆるっと心地よいのか、

                  わかった気がします。

7−4 第二期みんなでワークショップ 「みんなの生きる」

 7−4−1 「みんなの生きる」の詩を書く

 7−4−2 不満のかたまりむっつり大王

 7−4−3 むっつり大王は自分の中に

 7−4−4 むっつりに感染しない人たちもいるんじゃないか

 7−4−5 電話口で♪おひさま〜が りんごの〜 はっぱをとおして ひ〜

                              かる〜……

 

7−5 第三期みんなでワークショップ「セロ弾きのゴーシュ」ぷかぷか版

 7−5−1 できないことが新しいものを生み出す

 7−5−2 すばらしく味のあるチェロ

 7−5−3 ふつうに書いた字がそのまま背景画に

 7−5−4 クリームパンを買いに来たお客さんがいっしょに舞台へ

 

 

第8章 思いつきのひとことが区役所を巻き込んで生まれた物語

8−1 区民まつりでブースのデザイン

8−2 大きな絵地図を作ることに

8−3 大きな絵地図が区役所のロビーに

8−4 区長、副区長が名刺に似顔絵

8−5 人権研修会講師に「ぷかぷかさん」

 

 

第9章 相模原障害者殺傷事件のこと

9−1 社会全体が障がいのある人たちを排除

9−2 面倒のかかる人たちを排除すると社会はすっきりするのかどうか

9−3 たくさんのファンを作り出してきた

9−4 小さなことを日々の暮らしの中で積み上げる

9−5 人の名前は、その人の人生そのもの

9−6 「決して忘れない」はどこへ行ったのでしょう

9−7 「障害者は不幸しか生まない」?

9−8 たかが握手、されど握手

9−9 障がいの重い子どもとの日々が楽しい

9−10 生産性のない人が社会に必要な理由

9−11 福祉を腐らせないために

9−12 NHKスペシャルで見えてきたこと

9−13 黙々といい一日を作り続ける

9−14 重い問い

 

今日もせっせと街を耕してーあとがきにかえて

 

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