今日は健康診断でみんなでみどりの家診療所に行きました。
全部終わって帰りがけ、セノーさんは三宅先生にお願いをしました。
全部言うのに5分近くかかりました。それを三宅先生は根気よく待っていてくれました。
三宅先生はこういう人とのおつきあいは日常的にあるので、待つのも慣れています。ぷかぷかの近くの郵便局のお姉さん達は、はじめてセノーさんと行った頃はまだまだ慣れていませんでした。ですから、セノーさんの言葉が出てくるまでの時間は、本当に長く感じたのだろうと思います。私がそばにいたとは言え、
「この人何するんだろう」
とドキドキしながら待つ時間は、すごく大変だったと思います。
でも、この大変さこそが郵便局を耕したのだと思います。あの時私が
「この人は言葉が出てくるまで時間がかかるので、待ってあげてください」
なんて事前に説明していたら、待っている間の大変な思いはありません。
大変な思いをして待ったあと、ようやく
「ああ、スタンプ台かして下さい」
といい、それを聞いたときのお姉さん達の笑顔には
「ああ、こういう人だったんだ」
ってセノーさんと出会ったうれしさがそのままでているようでした。思ってもみないセノーさんとの出会いです。
「早く言いなさい」とか「早くやりなさい」と、つい私たちは言ってしまいます。でも、私たちはそんなとき、何に向かって、どうしてそんなに急いでいるのだろうと、セノーさんとおつきあいしながら思います。
緑区役所の人権研修会ではセノーさんのしゃべり出すのをみんなじっと待っていました。感想にこんな言葉がありました。
「言葉が出てくるのを待つ時間のおだやかさに、今の社会が忘れているものを感じました。」
郵便局のお姉さん達も、セノーさんと出会って、その大事なものを思い出したのかも知れません。