午後のトークセッションで会場からおもしろい話が出てきました。
グループホームの利用者さんが近くのコンビニを耕している、というのです。スタッフが知らないうちに、利用者さんが近くのコンビニに買い物に行き、何度も行っているうちにとてもいい関係ができたというのです。この
「スタッフが知らないうちに」
というのがミソです。
スタッフがついていないので、すんなり買い物はできなかったのではないかと思います。でも、すんなり買い物ができなかったからこそ、店員さんといい関係ができたのだと思います。
セノーさんが郵便局のお姉さんたちといい関係を作ったときと同じだと思いました。セノーさんの時は私がそばについていましたが、全く口出しせず、セノーさんに任せました。郵便局のお姉さん達は
「この人、何しに来たんだろう」
という顔でセノーさんを見ていました。そばにいた私も何も言わないので、多少の不安はあったと思います。不安のボルテージがぐんぐん上がって、本当に困り切ったあたりで、セノーさんがようやく
「あ〜、スタンプ台、貸して下さい」
といったので、ホッとしながら、
「この人、なんだかおもしろい!」
って、思ったと思います。
みんな、だんだん笑顔で迎えてくれるようになりました。
グループホームの利用者さんがコンビニに行ったときも多分同じようなことが起こったのではないかと思います。
スタッフがついていけば、何の問題もなく買い物ができたと思います。でも、そこの店員さんとは何の関係もできずに終わってしまいます。
利用者さん一人で行けば、多分スムーズに買い物はできません。このスムーズにできないところで、思ってもみない関係が生じます。何度も通っているうちに、コンビニを耕すような関係です。
「うまくいかないことが次の面白いをつくっていくドライブ感」
について昨日日記を書きましたが、コンビニでも、
「うまくいかなかったから、次の面白いができた」
のではないかと思います。
「コンビニを耕す」
という面白い、です。
彼らを管理しないと、おもしろいことがたくさん生まれます。それを考えると、私たちが一番つまらないのかも。
だから、私にまかせなさいよ