親子で明日の上映会に来たいという方からメッセージをいただきました。
息子さんのツカサくんは、ふつうの人よりもやや遅れがあるのですが、そのことでいわゆる「障害者」として分けられてしまうことに、とても疑問を感じています。
学校の文化祭の発表で「支援級」としてステージに上がるように先生に言われたそうですが「僕は出たくありません」ときっぱりと断ったそうです。そこはすごいなと思いました。
そうやって「障害者」という枠組みに入れ、人を分けてしまうことへの明確な抗議。教師はどんな風に受け止めたのでしょうね。
部活についても最初は「個別級の生徒が体育会系の部活動に参加するのは前例がない」と信じ難い対応をしたようですが、お母さんとツカサくんの粘り強い交渉で部活に参加できたそうです。
ツカサくんがいることで、彼のまわりの社会が少しずつ変わってきています。そんな話も上映会のトークセッションで聞けたら、と思っています。
【ツカサくんのメッセージ】
「ぷかぷかの上映会に行きたい!」と、すぐ返事をした僕。今、高校1年生。
詳しいことが聞きたくて、ぷかぷかで働くお母さんと夜遅くまで話をしました。
僕はこれまで「障害」について考えてきました。考え始めたのは中学3年生の時で、「自分が通っている特別支援学級ってなんだろう?」…そんな気持ちになった時からです。
これまで、文化祭の時に自分の意志で「特別支援学級」の発表に出なかったり、障害のある人を支援するあるテレビ番組を不信に思ったりするようになりました。
でも、障害のある人の事を少しでも勉強になったら良いと思ったので、上映会に参加したいと思います。
【お母さんのメッセージ】
私はぷかぷかでスタッフとして働いています。
そして、中学1年生と高校1年生の息子達の母です。
今回、高1の長男と、ぷかぷか上映会に行きます。
私と長男の思いなどをお伝えしたいと思いますので、つたない文で読みにくい点もあろうかと思いますが、少しでも思いが伝われば嬉しく思います。
ある日、長男が「ぷかぷかの上映会に行きたい」と私に言ってきました。
つい先日、予定していた家族旅行にも「行かない!」と言いだし、結局、長男と私は家に残り、次男とお父さんだけ行ってもらうようなことがあったばかりでした。
しかし長男は、上映会には行きたいと言うのです。
長男は、
「障害のある人のことを詳しく勉強したいと思った。」
「世の中には、いろいろな人がいるんだなぁ。」
「いろんな障害のある人はどういう支援を求めているのかなぁ。」
…などと最初は言っていました。
そこからもっと深く話を聞いていくと、
「ぷかぷかに最初に行った時に、納得の行かないことがあった。なんだこの人⁉…という人もいる。その人の思っていることが知りたい。」
とのことです。
その出来事は、ぷかぷかカフェ(現在は「ぷかぷかさんのおひるごはん」に変わりました)に親子で行った時のことですが、当時は私はスタッフではなくお客さんでした。
そこへ、ぷかぷかで働く障害のある男性が、私たち親子に声を掛けて来ました。
そして長男に唐突に
「ねぇ、障害ある?」
と言ってきました。長男は「なんでそんな事を言うのかな?」と思ったそうです。
長男は、保育園から中学校まで、「一般の子と違う」ということで分けられてきました。
中学校では部活動にもすんなり入部させてもらえませんでした。ある先生から、「個別級の生徒が体育会系の部活動に参加するのは前例がない」と言われ、「部活動に入るよりも、特別支援高等学校や分教室に入学するための訓練をすることの方が効率がいい」とも言われました。それでも学校に思いを伝え続け、3年生の最後まで部活を続けることが出来ました。
部活動でがんばっている長男の姿は、次第に先生方の考え方を変え、ようやく応援してもらえるようになりました。
中3の文化祭の発表では、全校生徒の前に「支援級」としてステージに上がることを先生から聞かされましたが、長男は「僕は出たくありません。」とステージには上がりませんでした。障害という言葉に、長男はとても敏感で、「人を分ける言葉に感じる」と言っています。
ぷかぷかでの最初の出来事を長男は「正直、嫌だった」と言ってましたが、
「でも、なかには優しい人もたくさんいて、僕のことを心配してくれた人がいる」
「以前、“なんだこの人は⁉”と思った人が、笑顔で挨拶をしてくれた」
「最初に言われたことだけで、その人の事を決めてしまうのはどうかと思う」
という意見を持ったようです。
「障害という言葉や、障害のある人のことを少しでも分かりたいと思った。」…だから僕は映画を見たい…
そんな思いを持ちながら、ぷかぷか上映会に親子で行きます。
(アヤコ)