障がいのあるお子さんの親の会の人たちが見学に来たのですが、いい話を聞きました。
お子さんが毎日通う道で、毎日決まって会う方が何人かいらっしゃるようです。家の前を掃除する方、花に水をやる方、散歩に出かける方…。そんな街の人たちが、毎日お子さんにあいさつするそうです。「おはよう!」「今日も元気だね」「いってらっしゃい」…。お子さんが小さい頃は毎日抱っこしてくれる方もいたそうで、大きくなった今はハイタッチだそうです。風邪引いて休んだりすると、「あれ?今日はどうしたの?」と心配してくれたそうです。
子どもがいなければ、こんなおつきあいは生まれませんよね、とうれしそうにご両親はお話しされていました。
障がいのある子どもが街を歩くこと、それは街を耕し、街を豊かにしていることになるのです。
こんな街なら、障がいのある人たちのグループホーム建設の話があっても、「障害者は犯罪を犯す可能性があるから断固反対!」などといった声は、多分出てこないだろうと思います。たとえ出たとしても、子どもと毎日あいさつを交わしていた人たちは、「そんなことはありません」とはっきり反論してくれます。
日々の暮らしの中での、さりげないおつきあいが、社会の中で大きな意味を持つのです。
ですから、そんないい話はぜひFacebookで発信した方がいいですよ、という話をしました。ふだんおつきあいのない方が見れば、障がいのある人に関する新しい発見になります。あれができないこれができない、だけじゃなくて、街を耕しているんだ、という発見。
そんな発見をする人が増えれば、社会は少しずつ変わっていきます。
障がいのある人たちの「社会的生きにくさ」は社会を変えていく努力を私たちがやらないと、何も変わりません。努力といっても、何かがんばってやる、とかじゃなくて、日々子どもとの関わりの中で発見した楽しいこと、おもしろいこと、失敗したことなど
「今日こんなことがあったよ」「またやってしまいました」
といったニュアンスで発信するだけです。友だちの花岡千恵さんはそういうやり方でhanaちゃんのファンをたくさん作りました。hanaちゃんのかじった生のジャガイモの写真載せただけで、ものすごいたくさんの人が「いいね」を押していました。「そうか、hanaちゃんはネズミだったんですね」「歯が丈夫なんですね」といった書き込みもありました。みんなが楽しみながらhanaちゃんとの日々を共有してる感じです。
重度の障がいを持った子どものファンができるなんて、今まで考えられなかったことです。