北秋田でワークショップやりました。
段ボールで怪獣を作ります、という計画に対し、用意されていた段ボールはすべて広げた段ボールで、ええっ!とちょっと焦りました。これで怪獣を組み立てるのは大変です。ワークショップの始まる直前に気づき、みんなに協力してもらって大慌てで、四角い箱に組み立てました。ところが用意されていたガムテープが、ビニール製で、手でちぎれません。これも急遽手でちぎれる布製のガムテープを大量に買いに行ってもらったり、もう直前まではらはらの準備。
参加者が70人も集まり、ちょっとびっくり。時間も1時間弱しかなかったので、場を一気に集中させる必要があります。で、久しぶりに「マルマルマル」を歌うことにしました。70人が丸くなって座り、右隣人の膝、自分の膝、左隣の人の膝、自分の膝、と順番にたたきながら歌います。場を引っぱっていこう、場のテンションを上げていこう、つい歌にも気合いが入り、歌いながら自分の中でどんどんテンションが上がっていくのがわかります。1番から4番まで2回くらい歌うと、もう声がかれてしまってくたくたでした。その状態でワークショップを始めるのですから、結構大変でした。
1から7まで番号を言ってもらい、70人を10グループに分けました。直前に大慌てで作った四角い段ボールの箱を適当に使って怪獣を組み立てています。グループの人たちで相談して「怪獣の名前」「吠え方」「得意技」を考えてもらいます。ワークショップはお互いの関係を作ることが大事で、そのためのこれは大事な作業になります。
制作時間は15分、と区切ったのですが、だらだら作るのではなく、途中で終わったにしても集中して作る方が意味があります。結果的には30分くらいかかったのですが、思いのほかみんな集中してできたように思います。
はじめる前は、準備の手違いでちょっと焦ったこともありましたが、それでもこんなおもしろいことができちゃいました。ここがワークショップのおもしろいところであり、ワークショップの持つ「チカラ」だろうと思います。
今回参加したのは、障がいのある人たちとふだんからおつきあいのある人たちだったようですが、ふだんおつきあいのない地域の人たちが参加すると、もっとおもしろかったのではないかと思います。新しい出会い、新しい始まりが、そこから生まれます。
ぷかぷかのプロモーションビデオビデオカナダ版の上映のあと、
「ぷかぷかはどうしてこんなにもいろいろ映画作ったり、芝居作ったり、情報発信したりするんですか?」
という質問がありました。
養護学校の教員になってすぐ、こんなすてきな人たちを学校の中に閉じ込めておくのはもったいないと思い、武蔵野の原っぱに養護学校の子ども達を連れ出したりしたことが最初でした。そこで障がいのある人たちとふだんおつきあいのない人たちと予想もしなかった素敵な出会いがたくさんありました。
この「もったいない」とか、「彼らとおつきあいした方がトク!」という感覚が、彼らと一緒に街へ出る様々な行動の根っこにある気がしています。ぷかぷかを街の中に作り、今も前へ前へ進めているのも、すべてこの「もったいない」「トク!」という感覚です。映画を作ったり、演劇ワークショップをやったり、情報発信するのも、すべて根っこにはこの感覚があります。
「共に生きよう」とか「共生社会を作ろう」などという言葉が、いつも言葉だけで、さしたる実績を作ってないことを考えると、「もったいない」や「トク!」という感覚は、彼らと一緒に生きていく世界を作っていく上でものすごい「チカラ」を持っている気がするのです。
「もったいない」とか「トク!」という泥臭い感覚を侮るなかれ、です。