この4月でぷかぷかは8年目を迎えます。開設当初のことを思えば、潰れもせず、よくぞ持った、とほめてやりたいくらいです。それくらい初期の頃は大変でした。8年目にしてようやく組織全体が前に向かって動き始めたと実感しています。
先日横浜市市民活動支援課主催の「ファンドレイジング講座」に行ってきました。NPOが活動のための資金を集めるにはどうしたらいいか、をテーマにした講座です。ぷかぷかはいろいろやっていますが、お金を集めることは全くの下手くそで、いつも貧乏です。パンやお惣菜などの商品はそこそこ売れるのですが、演劇ワークショップなど非収益事業も含めた活動全体を合わせると、恥ずかしいくらい貧乏です。で、まぁ、すがるような思いで講座に参加したわけです。
冒頭、こんな言葉がありました。
今更ながらNPOの活動の意味を思いました。
「こんなことを実現したい」という「夢」。その「夢」の実現に向かっていろいろ活動を展開するのがNPOだと。そうか、そうだよな、NPOって、「夢」を追いかけるんだよな、ってあらためて思ったのでした。
ぷかぷかは「障がいのある人もない人もお互いが気持ちよく生きていける社会」を目指しています。社会を目指す、なんていうと壮大な夢という感じですが、それを単なる夢で終わらせないためにどうしたか。
ぷかぷかは「彼らといっしょに生きるといいね」と思える関係を日々具体的に作ってきました。毎日発信しているFacebookを見てもらえばすぐにわかります。「夢」を単なる「夢」で終わらせず、日々小さなことの積み重ねを続けることで、「夢」の実現に向けて一歩一歩確実に前に進んできたのです。
演劇ワークショップにこれだけエネルギーが注げるのも、「夢」の実現に向けて確かな一歩を踏み出せると確信しているからです。ヨコハマアートサイトが昨年ぷかぷかの企画に対して満額回答をしてくれたのも、「夢」の実現の確かさに共感したからだと思います。「夢」を単なる「夢」で終わらせない、確かなビジョン。それを企画書から読み取ってくれたのだと思います。
日々のお店の運営も、パン教室も、アートのワークショップも、ぷかぷかさんとのいい関係を作り続けています。そんな中で見えてきたことは、彼らといい関係を作ることで、私たち自身が人として豊かになれる、ということです。だから彼らは社会に必要、ということ。いろいろできないから何かやってあげる対象ではなく、そのままの彼らが社会に必要、ということ。そのことをたくさんの人たちと共有できたことはとても大きいと思います。
共生社会を目指そう、とか、共に生きる社会を目指そう、といった抽象的な話ではなく、リアルに彼らといっしょがいいよね、って思える関係をぷかぷかは日々の活動の中で作ってきたのです。
そのリアルさの中で、たくさんのファンができました。そのファンの中から「ぷかぷかプレミアム会員」の提案までありました。年会費1万円です。商品の割引、といったちゃちな特権ではなく、たとえばぷかぷかさんと一緒に一泊旅行に行ける特権です。ぷかぷかさんともっと濃厚なおつきあいのできる特権です。
「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージをはるかに超えたものをこの提案には感じます。
8年目を迎えてぷかぷかが大きく動き始めたことがあります。それは外部の人たちとのコラボ=協働です。コラボすることで、新しい価値を生み出そうということです。
先日紹介したビオアグリとのコラボは具体的に動き始めました。
ビオアグリの代表とは初めてお会いしたのですが、ちょっと話をしただけで通じるものがあり、畑で話をしながら、その場で新しい価値を生み出すようなコラボをしましょう、ということになりました。それがもう実現しつつあります。
ビオアグリの畑で取れた黒豆を使ったパンを焼きました。
淡路島ではハード系のパンがないので、ぷかぷかのハード系のパンを近々販売することになっているのですが、向こうの畑で取れたおいしい黒豆を使ったパンはまさにコラボの商品です。その商品にはぷかぷかがデザインしたラベルを使います。ビオアグリのメンバーさんの似顔絵をぷかぷかさんが描き、それを使ったラベルを今製作中です。文字もぷかぷかさんが描きます。近々東京に出店をだすそうで、そこでもコラボ商品、ぷかぷかの商品を並べてくれます。
作り手がどんな人か、似顔絵は写真よりもはるかにその人のあたたかさを伝えます。コラボの商品価値をグ〜ンと引き上げます。ぷかぷかさん大活躍です。これにぷかぷかさんの描いた商品の文字が重なります。
イメージとしてはこんな感じのラベルができます。
昨年旅行で行った上野さんのいろいろ米を使ったパンができました。上野さんのライ麦は以前から使っていますが、いろいろ米を使ったパンは初めてです。いろいろ米はご飯として食べるだけでなく、パンとして食べてもおいしいことがよくわかります。ぜひお試し下さい。いろいろ米とパンのコラボで新しい味が生まれたのです。
上野さんは4月14日(土)の8周年イベントにやってきます。上野さんははっぱを使った虫作りの名人です。この虫を作るワークショップをやります。栃木のイチゴも持ってきます。これはもう絶対に来なきゃソン!です。
今年の夏の旅行も上野さんのところへ行きます。
川野さんという人が天草でおいしい甘夏を作っています。
このブログに登場している川野さんの家に着くなりうんこした息子が今淡路島のビオアグリのメンバーになり、ここからビオアグリとのコラボが始まりました。
川野さんの甘夏を使った新しい甘夏パンができました。今年はフランス生地の中に甘夏ピールを練り込んでいます。以前の甘夏パンよりもグ〜ンとおいしくなっています。
5月にはプロダクトマネジャー、副施設長が川野さんのところまでいって、甘夏の山を見学し、一晩泊まって川野さんお話を聞いてきます。
甘夏パンにまた新しい物語が加わります。楽しみにしていて下さい。
昆布を食べて環境を守ろうという里海イニシアティブさんとのコラボも検討中です。
横浜市地域貢献企業として認定されている協進印刷さんとのコラボも検討中です。
それぞれのコラボで、どんな新しい価値が生み出せるのか、楽しみなところです。
ぷかぷかは8年目を迎え、更に進化していきます。どうぞお楽しみに。
4月14日(土)は8周年を記念したパチパチマルシェをやります。詳しくは近日中にお知らせします。ビオアグリの製品販売もします。
こんなかわいいアラレちゃんも登場します。